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Satoyama, Plants & Nature

夏の溜池・湿地・水田 2 

画像:減反部の水田雑草、アゼトウガラシ、ホシクサ、シソクサ、スズメハコベ、ウキゴケ、
   暫定オグラノフサモ、ヒメミズワラビ、ヒツジグサ、ミクリsp.、サワトウガラシ、
   イボクサ、イヌノハナヒゲ、コイヌノハナヒゲ、コシンジュガヤ、ケシンジュガヤ、
   マネキシンジュガヤ、ミカヅキグサ、ミミカキグサ、ホザキノミミカキグサ、サギソウ、
   ヒナノカンザシ、コマツカサススキ、サワシロギク、ミズギボウシ、スブタ、
   ヒルムシロ、ホソバミズヒキモ、ヒメホタルイ、タチモ、イトイヌノヒゲ、アギナシ
*画像クリックで、別ウィンドで拡大表示されます。
減反地の水田雑草
Fig.1 水田減反部の水田雑草 (兵庫県丹波市 2013.8/20)
減農薬、無農薬の水田中に、作付けしない減反部があると様々な水田雑草が生育します。
画像は氾濫原由来の水田の減反部で、キカシグサ、アゼトウガラシ、トキンソウを優占種とし、様々な一年生水田雑草が生育していました。

アゼトウガラシ
Fig.2 アゼトウガラシ (兵庫県丹波市 2013.8/20)
もっとも多く生育していた種。キクモがまったく生育していないのが不思議でした。
関連ページ 湿生植物・アゼトウガラシ

ホシクサ
Fig.3 ホシクサ (兵庫県丹波市 2013.8/20)
兵庫県南部では稀な水田雑草ですが、内陸部では比較的普通に見られます。
丹波地方など内陸では、圃場整備された水田でも、県南よりも水分条件がよいからと考えられます。
関連ページ 湿生植物・ホシクサ

シソクサ
Fig.4 シソクサ (兵庫県丹波市 2013.8/20)
ホシクサ同様、丹波地方では比較的よく見かける水田雑草で、ここでは多産していました。
まだ時期的に早かったようで、開花していたのはこの個体のみでした。
関連ページ 湿生植物・シソクサ

スズメハコベ
Fig.5 スズメハコベ(スズメノハコベ) (兵庫県丹波市 2013.8/20)
本種は兵庫県南部ではまったく見られない種で、内陸~北部にかけて生育しています。
ホシクサやシソクサよりも良好な水分条件を必要とするのでしょうか?
ここではかなりの個体数が確認できました。
関連ページ 湿生植物・スズメノハコベ

水草に覆われた溜池
Fig.6 水草に覆われた溜池 (京都府中丹地方 2013.8/20)
京都の中丹地方にフサモ属1種からなる純群落で覆われた谷池がありました。
花序は上がっておらず、草体の硬さや分枝の少なさ、節間の長さなどからフサモかオグラノフサモと考えられました。周辺の地質は林道の露頭を見ると珪質分を含んだ頁岩のようで、水質はアルカリ寄りに傾くと思われます。このような水質の溜池に生育するのはオグラノフサモでしょう。フサモとオグラノフサモの雑種を起源とするハリマノフサモの可能性もあるでしょうか。いずれにせよ晩秋~冬にかけて殖芽を確認する必要があるでしょう。

暫定オグラノフサモ
Fig.7 暫定オグラノフサモ (京都府中丹地方 2013.8/20)
画像のように全面に繁茂しています。
関連ページ 沈水植物・オグラノフサモ

暫定オグラノフサモ陸生形
Fig.8 干上がった溜池畔に生育する陸生形 (京都府中丹地方 2013.8/20)
陸生状態でよく適応している様子もオグラノフサモを思わせます。

ウキゴケ、オグラノ、ヒメミズワラビ
Fig.9 干上がった溜池畔上部 (京都府中丹地方 2013.8/20)
陸生形の群生上部は被植の少ない裸地となり、陸生形のほかウキゴケ、ヒメミズワラビ、ハリイ、ミズユキノシタ、コケオトギリがまばらに生育していました。成育種から、肥沃な土壌であることがわかります。
関連ページ 湿生~浮遊植物・ウキゴケ複合種  湿生植物・ヒメミズワラビ
湿生植物・ハリイ  湿生植物・ミズユキノシタ  湿生植物・コケオトギリ

植生豊富な谷池
Fig.10 植生豊富な谷池 (京都府中丹地方 2013.8/20)
こちらの谷池は透明感のある褐色で、腐植栄養質な溜池に見えます。

ヒツジグサ群落
Fig.11 ヒツジグサ (京都府中丹地方 2013.8/20)
Fig.10の谷池ではヒツジグサの群落がよく発達しており、浮葉植物では他にジュンサイ、ヒシ、ホソバミズヒキモが見られますが、腐植栄養質な溜池によく現れるフトヒルムシロは見られませんでした。堤体の水際近くではヌマトラノオに混じってムカゴニンジンが点在していました。
関連ページ 浮葉植物・ヒツジグサ

ミクリsp.
Fig.12 浮葉植物下の沈水植物 (京都府中丹地方 2013.8/20)
ヒツジグサやジュンサイなどの浮葉の下にはミクリsp.の沈水形、イボクサの沈水形、ヒツジグサの沈水形などが密生し、ここでもオグラノフサモらしきものが混じっていました。

浅水域の植生
Fig.13 浅水域の植生 (京都府中丹地方 2013.8/20)
水深50cmより浅い場所ではホソバミズヒキモを除いて浮葉植物は見られず、イボクサ、サワトウガラシ、ハリイの沈水形が生育していました。さらに浅い場所ではホッスモが密生し、干上がった池畔では干物のようになって地面に張り付いていました。
関連ページ 湿生植物・イボクサ

溜池土堤の湿生植物
Fig.14 小さな溜池土堤にみられる湿生植物 (兵庫県三田市 2013.8/23)
兵庫県の三田市や播磨地方などでは流紋岩質の基岩上や小規模地すべり地に貧栄養な湿地が点在し、そこに土堤を築いて溜池としたと見られる場所が各所に見られます。この場所もそのような例で、緩やかに広がる斜面に多数の小さな溜池がつくられています。このような溜池の土堤では様々な湿生植物が生育しています。
この画像の範囲内にはイヌノハナヒゲ、コシンジュガヤ、ケシンジュガヤ、マネキシンジュガヤ、ノグサが生育していました。

イヌノハナヒゲ
Fig.15 イヌノハナヒゲ (兵庫県三田市 2013.8/23)
溜池土堤の水際にコイヌノハナヒゲ、ヤチカワズスゲ、ゴウソ、アブラガヤ、コマツカサススキ、ヌマガヤなどとともに池を縁取るように生育しています。この付近の湿原の主要構成種のうちのひとつです。
関連ページ 湿生植物・イヌノハナヒゲ

コイヌノハナヒゲ
Fig.16 コイヌノハナヒゲ (兵庫県三田市 2013.8/23)
土堤と小湿地の境界に群生していました。イヌノハナヒゲよりも茎は細く、繊細な草体です。
関連ページ 湿生植物・コイヌノハナヒゲ

コシンジュガヤ
Fig.17 コシンジュガヤ (兵庫県三田市 2013.8/23)
コシンジュガヤは湿地のほか、湿った草地にも生え、用水路脇や棚田の畦や土手にも生育していることがあります。ホソバリンドウやヤマラッキョウなどとよく似た生育環境を好むようです。葉鞘に広い翼がつくことにより、ケシンジュガヤ、マネキシンジュガヤ、ミカワシンジュガヤなどの近縁種と区別できます。
関連ページ 湿生植物・コシンジュガヤ

ケシンジュガヤ
Fig.18 ケシンジュガヤ (兵庫県三田市 2013.8/23)
コシンジュガヤよりも小型な1年生の湿生植物で、半裸地気味の湿地や草刈りの行き届いた多湿の草地に生育しています。貧栄養または鉱物質の湿地では高茎草本が生育しにくく、被植の少ない場所が生じるため、そのようなところで群生する傾向があります。画像のものは草刈りの行き届いたFig.14の土堤上に変種のマネキシンジュガヤと混生しています。
関連ページ 湿生植物・ケシンジュガヤ

マネキシンジュガヤ
Fig.19 マネキシンジュガヤ (兵庫県三田市 2013.8/23)
ケシンジュガヤの変種で、無毛のものや毛のほとんどないものを指しますが、両種の混生地ではどちらにするか判断に迷う中間的な個体もみられ、変異は連続的なように思います。
関連ページ 湿生植物・マネキシンジュガヤ

ミカヅキグサ
Fig.20 ミカヅキグサ群落 (兵庫県三田市 2013.8/23)
溜池畔の一画に広がる貧栄養湿地に見られました。ミカヅキグサ群落中にはイトイヌノハナヒゲ、イヌノヒゲ類、ミミカキグサ類、モウセンゴケ、トウカイコモウセンゴケ、サギソウ、ショウジョウバカマなどが生育していました。
関連ページ 湿生植物・ミカヅキグサ

ミミカキグサの仲間
Fig.21 ミミカキグサとホザキノミミカキグサ (兵庫県三田市 2013.8/23)
黄色の花はミミカキグサ、淡紫色の花がホザキノミミカキグサ。
ミカヅキグサの株元に無数の個体が生育していました。
関連ページ 湿生植物・ミミカキグサ  湿生植物・ホザキノミミカキグサ

ミカヅキグサ群落中のサギソウ
Fig.22 ミカヅキグサ群落中に咲くサギソウ (兵庫県三田市 2013.8/23)
後方は野生動物による撹乱が激しく、その先はヌタ場となっています。このような撹乱が悪影響をもたらすとは一概には言えず、湿地の規模にもよりますが、小型の草本や一年草にとっては生育に都合のよい場所が撹乱によって提供されているとも考えられます。

サギソウの花
Fig.23 サギソウの花 (兵庫県三田市 2013.8/23)
花は夜間に最も香りが強くなり、受粉はスズメガの仲間によって行われるとのこと。
関連ページ 湿生植物・サギソウ

ヒナノカンザシ
Fig.24 ヒナノカンザシの花 (兵庫県三田市 2013.8/23)
湿地周縁部で粘土質土壌のやや乾いた場所で、トウカイコモウセンゴケとともにわずかながらヒナノカンザシが生育していました。花は長さ1~2mmと大変小さなものです。
関連ページ 湿生植物・ヒナノカンザシ

コマツマサススキ
Fig.25 コマツカサススキ (兵庫県三田市 2013.8/23)
兵庫県南部では溜池畔や湿地でよく見かける種です。マツカサススキが肥沃な湿地を好むのに対して、コマツカサススキは貧栄養寄りの湿地を好みます。
関連ページ 湿生植物・コマツカサススキ

サワシロギク
Fig.26 サワシロギク (兵庫県三田市 2013.8/23)
湿地周辺や溜池土堤直下の水路脇などによく見られる草本です。
ここでは土堤直下の水路脇に沢山の花をつけた個体が生育していました。
関連ページ 湿生植物・サワシロギク

ミズギボウシ
Fig.27 ミズギボウシ (兵庫県三田市 2013.8/23)
溜池直下の水田の土手下部にミズギボウシが開花していました。
同時期に開花するコバギボウシに似ていますが、葉は披針形で、花茎につく花数は少なく、午前中に開花して午後になるとしぼみはじめます。ミズギボウシは貧栄養な湿地に生育することもありますが、コバギボウシは少し肥沃な場所を好み、貧栄養な湿地に生育しているのは見かけたことがありません。
関連ページ 湿生植物・ミズギボウシ

スブタ
Fig.28 スブタ (兵庫県三田市 2013.8/23)
周辺の棚田ではヒロハトリゲモやミズオオバコとともにスブタが見られましたが、まだ開花していませんでした。
関連ページ 沈水植物・スブタ

ヒルムシロ
Fig.29 ヒルムシロ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
夕立を避けて篠山市南部の溜池に移動すると、すでに夕立が去った後の溜池にヒルムシロが開花していました。夕立の勢いが強かったためか開花中の花穂は半ば倒れこんでいました。
関連ページ 浮葉植物・ヒルムシロ

ヒルムシロとホソバミズヒキモの浮葉
Fig.30 ヒルムシロ(右)とホソバミズヒキモ(左手前)の浮葉 (兵庫県篠山市 2013.8/23)
水底はフラスコモsp.とタチモによって覆われ、ヒメホタルイとミズニラが生育。
関連ページ 浮葉植物・ホソバミズヒキモ

ヒメホタルイ
Fig.31 ヒメホタルイ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
溜池畔の水の引いた場所ではヒメホタルイの小穂が結実していました。
関連ページ 湿生植物・ヒメホタルイ

ミミカキグサ
Fig.32 沈水葉を出したミミカキグサ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
溜池の浅瀬の泥地に生育するミミカキグサは根茎から細く長い沈水葉を出し、長いものでは3cmにも達します。ミミカキグサの仲間ではムラサキミミカキグサも同様な場所で細長い沈水葉を出しますが、ホザキノミミカキグサでは同様な例に出会ったことがありません。
関連ページ 湿生植物・ミミカキグサ  湿生植物・ムラサキミミカキグサ

サワトウガラシが開花
Fig.33 開花したサワトウガラシ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
この3日前に行った京都府の溜池ではまだ開花していませんでしたが、ここでは開花個体があちこちに点在していました。この花が開花すると、水田雑草が次々に開花しはじめて面白くなってきます。
関連ページ 湿生植物・サワトウガラシ

タチモ
Fig.34 雌花をつけたタチモ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
溜池の流れ込みちかくの浅瀬ではタチモが気中茎をあげて葉腋に雌花をつけていました。
タチモは雌雄異株ですが、雄株を見かけることは少なく、野外で出会う大半のものが雌株です。
画像の周辺に生育しているコナギはシカの食害に遭っています。
関連ページ 抽水~沈水植物・タチモ

イトイヌノヒゲ
Fig.35 イトイヌノヒゲ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
イトイヌノヒゲの開花が始まっていました。イヌノヒゲの仲間のうちでは最も早く開花します。
関連ページ 湿生植物・イトイヌノヒゲ

アギナシ
Fig.36 アギナシ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
数年前、シカの激しい撹乱によって姿を消していたアギナシが、花茎をあげて開花していました。
周辺にイグサやイヌシカクイの大株が定着したことによって撹乱をまぬがれ、開花まで成長できたようです。篠山市にはアギナシの自生地が少なく、貴重な集団です。
関連ページ 湿生~抽水植物・アギナシ
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category: 湿地・溜池

thread: 博物学・自然・生き物 - janre: 学問・文化・芸術

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コメント

イボクサとサワトウガラシの沈水形、かっこいいですね。
一瞬何の水草なのか分からなかったです。
藻草 #YG9ONXHE URL [2013/09/05 01:45] edit

なかなか良い雰囲気でしたよ。でもこのところの豪雨で、また満水になってるでしょうね。
マツモムシ #7qQ58teA URL [2013/09/05 19:04] edit

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