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Satoyama, Plants & Nature

スゲの季節 (前編) 

5月も終わりに近づき、平地~低山で見られるスゲ類がほぼ出揃いました。
今回は兵庫県を中心に今年見たスゲ類を2回に分けて掲載します。
画像:ノゲヌカスゲ、クサスゲ、アリマイトスゲ、オクノカンスゲ、マツバスゲ、ミコシガヤ、
   サトヤマハリスゲ、ヒメミコシガヤ、ヤチカワズスゲ、マスクサ、ショウジョウスゲ、
   ヤガミスゲ、タチスゲ、ミヤマシラスゲ、キンキカサスゲ、アワボスゲ、ヤワラスゲ、
   タマツリスゲ、コジュズスゲ
*画像クリックで、別ウィンドで拡大表示されます。

ノゲヌカスゲ
Fig.1 ノゲヌカスゲ (京都府福知山市 2013.3/30) ヌカスゲ節
今年、最も早い時期に結実しているのを見たスゲです。
ヌカスゲ節のものは他のスゲ類よりも早く結実しますが、それにしても早かったです。
関連ページ 関西の花・ノゲヌカスゲ

クサスゲ
Fig.2 クサスゲ (兵庫県篠山市 2013.5/24) ヌカスゲ節
ヌカスゲ節の中では結実は遅いほうで、湿地~渓流畔など湿った場所にふつうに見られます。
関連ページ 湿生植物・クサスゲ

アリマイトスゲ
Fig.3 アリマイトスゲ (兵庫県西宮市 2013.4/29) ヌカスゲ節
地域限定のご当地スゲで、その名の通り有馬周辺ではごくごく普通に生育しています。
西宮市では山の斜面から水田の畦まで、どこにでも出てきます。
匐枝を出して広がり、画像のように棚田の土手を覆っている場所も見られます。
関連ページ 関西の花・アリマイトスゲ

オクノカンスゲ
Fig.4 オクノカンスゲ (兵庫県篠山市 2013.5/22) ヌカスゲ節
兵庫県東部では三田市北部より北に見られ、その名のとおりミヤマカンスゲよりも奥(=北)に分布します。しかし、頭に何も付かないカンスゲは兵庫県北部にしか見られません。
関連ページ 関西の花・オクノカンスゲ

マツバスゲ
Fig.5 マツバスゲ (兵庫県西宮市 2013.5/23) ハリスゲ節
人の手が入るような里山の用水路脇や休耕田に現れるスゲで、このスゲがあると周辺に良好な草地環境が残されていることが多いように思います。
関連ページ 湿生植物・マツバスゲ

サトヤマハリスゲ
Fig.6 サトヤマハリスゲ (兵庫県篠山市 2013.5/24) ハリスゲ節
兵庫県南東部では花崗岩や流紋岩質の貧栄養となりやすい基岩地域の半日陰の湿地や林床の細流脇によく見られます。クサスゲ、オタルスゲ、ヤマテキリスゲなどと生育していることが多いように思います。
関連ページ 湿生植物・サトヤマハリスゲ

ミコシガヤ
Fig.7 ミコシガヤ (大阪府淀川河川敷 2013.5/15) ミノボロスゲ節
大河川の氾濫原となるような原野環境に現れるやや大型のスゲです。
画像では増水した水溜りに生育していますが、水につかるのはあまり好まず、砂地に多く見られます。
関連ページ 湿生植物・ミコシガヤ

ヒメミコシガヤ
Fig.8 ヒメミコシガヤ (兵庫県神戸市 2013.5/19) ミノボロスゲ節
兵庫県と岡山県の限られた地域にのみ生育する稀なスゲです。
草地に生育するものとばかり思っていましたが、今回の自生地調査で湿地状の休耕田や、湧水のしみ出す農道などに生育することが確認でき、湿生植物と見なしてもよいと思うようになりました。
多湿な休耕田ではゴウソ、タチスゲを随伴し、草地化の進んだ休耕田ではタチスゲ、アワボスゲ、ヤワラスゲを随伴し、湿った農道ではマスクサ、ジュズスゲ、カワラスゲ、タチスゲを伴なっていました。
かつては西宮市内での記録もありましたが現在では確認できず、ヒメミコシガヤの多産地といえるような場所は国内でも神戸市内の限られた場所しかありません。
関連ページ 関西の花・ヒメミコシガヤ

ヤチカワズスゲ
Fig.9 ヤチカワズスゲ (兵庫県三田市 2013.5/23) カワズスゲ節
貧栄養な湿地や溜池に生育し、イヌノハナヒゲとともに貧栄養な湿生植物群落を形成する基本種となります。
ヤチカワズスゲの生育するような湿地ではトキソウ、サギソウ、カキラン、コバノトンボソウ、ケシンジュガヤ、マネキシンジュガヤ、ミカワシンジュガヤ、モウセンゴケ類、イシモチソウ、ミミカキグサ類、ヒナノカンザシなど稀少な湿生植物が出現します。
関連ページ 湿生植物・ヤチカワズスゲ

マスクサ
Fig.10 マスクサ (兵庫県篠山市 2013.5/22) マスクサ節
農耕地の草地や農道によく見られ、特にクルマはあまり通らないけど、踏みつけに遭うような農道に最もよく見られます。関西各地の農耕地周辺で最もふつうに見られるスゲ類のうちのひとつです。
関連ページ 湿生植物・マスクサ

ヤガミスゲ
Fig.11 ヤガミスゲ (大阪府淀川河川敷 2013.5/15) ヤガミスゲ節
Fig.7のミコシガヤ同様、大河川の氾濫原などの湿った原野環境に生育するやや大型となるスゲで、成熟した大株では花茎が基部を中心として放射状に倒伏し、画像でもその特徴がよく現れています。河川敷の改修や治水による氾濫の減少により、ミコシガヤとともに各地で減少傾向にあるスゲです。
関連ページ 湿生植物・ヤガミスゲ

ショウジョウスゲ
Fig.12 ショウジョウスゲ (兵庫県篠山市 2013.5/24) イワカンスゲ節
貧栄養、富栄養に関わらず、また水分条件にもあまり左右されずいろいろな場所に出現する神出鬼没のスゲです。
ここではキキョウやシライトソウの生育する溜池土堤の水際に多数の個体が生育していました。
この場所で生育しているものの多く個体が、雌小穂に黒穂病を罹災していました。
関連ページ 湿生植物・ショウジョウスゲ

タチスゲ
Fig.13 タチスゲ (兵庫県西宮市 2013.5/27) タチスゲ節
草地から農道上、貧栄養な湿地にまで関西地方では広くふつうに見られるスゲです。
里山でこのタチスゲとゴウソが見られないような場所では、他の目ぼしい湿生スゲは現れないといってもいいでしょう。
関連ページ 湿生植物・タチスゲ

ミヤマシラスゲ
Fig.14 ミヤマシラスゲ (兵庫県西宮市 2013.5/27) ミヤマシラスゲ節
和名に「ミヤマ」を冠しますが、山奥には見られず、里山の休耕田や用水路などやや栄養条件のよい湿地環境にふつうに見られるスゲで、群生する傾向が強く見られます。雌小穂が熟すと、ぷっくりとふくらんだ果胞が隙間なく密集します。
関連ページ 湿生植物・ミヤマシラスゲ

キンキカサスゲ
Fig.15 キンキカサスゲ (兵庫県篠山市 2013.5/9) ミヤマシラスゲ節
低地の湿地に多いカサスゲに対して、やや山地よりの河畔や湿地などに群生するスゲで、丹波地方では村落内を流れる小河川の河畔をびっしりと覆うような群落を形成しているのをよく見かけます。カサスゲと違って果実期になっても長い花柱が宿存するのが大きな特徴です。
関連ページ 湿生植物・キンキカサスゲ

アワボスゲ
Fig.16 アワボスゲ (兵庫県神戸市 2013.5/19) ミヤマシラスゲ節
ヒメミコシガヤの自生地調査の際、草地状となった休耕田内に多数のアワボスゲの生育が確認できました。
アワボスゲは草刈り管理され、圃場整備などによる撹乱があまり起こらなかったような草地に生育するスゲです。このような草地環境は耕作放棄や開発によって年々減少しており、それとともにアワボスゲも稀な種となっています。画像の後方に見えている褐色の穂を上げているのはヒメミコシガヤで、このようなツーショットが見られるのは国内でもこの場所ぐらいでしょう。アワボスゲは次に紹介するヤワラスゲと良く似ており、同じような環境に生育するため注意が必要です。
関連ページ 関西の花・アワボスゲ

ヤワラスゲ
Fig.17 ヤワラスゲ (兵庫県篠山市 2013.5/22) ミヤマシラスゲ節
草地にふつうに見られるスゲで、登山口の草地となった駐車場で多数の個体が生育していました。
ここではマスクサ、ヒゴクサ、タチスゲ、アオスゲ、ノゲヌカスゲ、モエギスゲなどとともに見られました。
関連ページ 湿生植物・ヤワラスゲ

アワボスゲとヤワラスゲ
Fig.18 アワボスゲとヤワラスゲの雌小穂比較 (兵庫県神戸市 2013.5/19) ミヤマシラスゲ節
よい比較画像が撮れると思い、花茎を1本ずつ頂いてきました。
両種とも果胞は完全に熟してはいませんが、それでもいくつかの違いが目につきます。
まず果胞の嘴ですが、明らかにヤワラスゲの方が長く、長さが3mmほどあるのに対してアワボスゲの嘴は1mm以下となります。またアワボスゲのほうが小さくて丸い果胞が密に多数つき、この特徴は果胞が完全に成熟した状態では、名前のとおりアワの実のように丸々とふくらんだ果胞が並ぶので、より顕著になります。
関連ページ 関西の花・アワボスゲ

タマツリスゲ
Fig.19 タマツリスゲ (兵庫県篠山市 2013.5/13) タマツリスゲ節
兵庫県では淡路島、西播、但馬に記録がある種で、内陸の丹波地方にあるとは思っていませんでしたが、木漏れ日の差す林床のラショウモンカズラの群生に埋もれるように、大株が点在していました。タマツリスゲよりもむしろオオタマツリスゲがあるのではないかと予想していたのですが、完全に予想を裏切られました。この後、篠山市内でもう一ヶ所自生地を見つけることができました。
関連ページ 関西の花・タマツリスゲ

コジュズスゲ
Fig.20 コジュズスゲ (兵庫県西宮市 2013.5/27) タマツリスゲ節
タマツリスゲ節のスゲでは最もふつうに見られ、里山の休耕田や、用水路脇、ときには湿った植林地の林床に生育していることもあります。草体は柔らかく、タマツリスゲが雄小穂が赤紫色を帯びるのに対して、緑白色で枯れても淡褐色で赤味を帯びないことで区別できます。また、タマツリスゲの基部の鞘は強く赤紫色を帯びますが、コジュズスゲは淡色となります。
関連ページ 湿生植物・コジュズスゲ

以上で「スゲの季節」(前編)は終了です。後編はアゼスゲ節やヒメシラスゲ節、タガネソウ節などのスゲ類を中心に紹介いたします。
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category: カヤツリグサ科スゲ属

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