琵琶湖の湿生・水生植物 3
2012/10/02 Tue. 22:29 [edit]

Fig.1 休耕田で群生するナガバノウナギツカミ
琵琶湖沿岸には耕作放棄された水田が湿地となっている場所がある。
湖岸近くでは地下水位が高いため湛水状態となり、そこでは多くの湿生植物が見られ、稀少種も多い。
このような湿地はやがて遷移が進んでアシ原やハンノキ-ヤナギ林へと変わっていくが、適度な撹乱を受けることによって湿地が維持される。
今回訪れた休耕田では、畦にオグルマやコバノカモメヅルが生育し、水田内では群生するナガバノウナギツカミや足の踏み場もないほどのマルバノサワトウガラシ群落を観察できた。

Fig.2 休耕田の畦に咲くオグルマ

Fig.3 ナガバノウナギツカミ

Fig.4 マルバノサワトウガラシ

fig.5 ミズトラノオ アシ原化の進む湿地で。

Fig.6 ゴキヅルの花 アシ原化の進む湿地で。
琵琶湖沿岸には現在も淡水魚を水揚げする小規模な漁港が数多くあって、防波堤に囲まれた湾内は波静かで、このような場所ではヒシやオニビシとともにトチカガミが群生し、ところによっては密生して浮葉が立ち上がっている。
トチカガミの浮葉の裏面には浮嚢があるが、立ち上がった葉にはほとんど浮嚢を生じない。
花は雌雄異花。

Fig.7 群生するトチカガミ

Fig.8 トチカガミの雄花 花柄は細い。

Fig.9 トチカガミの雌花 花柄の上部は太くなる。

Fig.10 港湾内に多いマツモ
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category: 琵琶湖
thread: 博物学・自然・生き物 - janre: 学問・文化・芸術
コメント
ご無沙汰致しています、相変わらず精力的に活動されていますね。
最近は何故だか湖西への足が遠のいています。
最近は何故だか湖西への足が遠のいています。
yamamoto #bUIzCHQE URL [2012/10/03 22:54] edit
Re: タイトルなし
> ご無沙汰致しています、相変わらず精力的に活動されていますね。
> 最近は何故だか湖西への足が遠のいています。
こちらこそ大変ご無沙汰しています。
今年は昨年までに比べて、フィールドに出れる機会が随分と減ってしまいました。
フィールドメモの更新を少しでも早く楽にできるよう、ブログを始めたという次第です。
今後もよろしくお願いいたします。
> 最近は何故だか湖西への足が遠のいています。
こちらこそ大変ご無沙汰しています。
今年は昨年までに比べて、フィールドに出れる機会が随分と減ってしまいました。
フィールドメモの更新を少しでも早く楽にできるよう、ブログを始めたという次第です。
今後もよろしくお願いいたします。
マツモムシ06 #- URL [2012/10/03 23:43] edit
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