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Satoyama, Plants & Nature

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冬に見るコケ 2 水辺近くのコケ 

苔むす渓流
Fig.1 苔むす渓流畔
オオバタネツケバナ、ミズタビラコとともにツルチョウチンゴケが生育していた。

前回に引き続いてのコケ(蘚苔類)ですが、今回は水辺近くに見られたものを中心に掲載します。
山麓をとりまく疎水、湧水泉、谷戸奥の細流から山間渓流を遡り、多くのコケを観察しました。
ヒロハツボミゴケ、ホソバミズゼニゴケ、ナガサキホウオウゴケ、ホウオウゴケ、オオミズゴケ、オオカサゴケ、アオハイゴケ、ツボゴケ、コツボゴケ、フジウロコゴケ、アブラゴケ、スギバゴケ、トサホラゴケモドキ、マルフサゴケ、ツクシナギゴケモドキ、トヤマシノブゴケ、キヨスミイトゴケ、ツルチョウチンゴケ、ケチョウチンゴケ、サワクサリゴケ、オオバチョウチンゴケ、ナミガタタチゴケ、オオトラノオゴケ、オオクラマゴケモドキ、オオサナダゴケモドキ、ホソベリミズゴケ、クモノスゴケ、ヒロハヒノキゴケ、コムチゴケ、クロヤスデゴケ
*画像は全てクリックすると拡大できます。


ヒロハツボミゴケ生育状況
Fig.2 疎水壁面に生育するコケ
湧水の流入もある疎水の水中壁面に、暗緑色の地味なコケが生育していました。
このようなコケは採集して持ち帰って調べないと種は解りません。

ヒロハツボミゴケ
Fig.3 ヒロハツボミゴケ
Fig.2の正体です。腹葉は持たず、側葉は広卵形で茎に斜めにわずかに重なり合ってつき、
全縁、葉縁付近の細胞は中央のものよりも小さく、膜はやや厚い。

ホソバミズゼニゴケ水中形
Fig.4 疎水中のホソバミズゼニゴケ
水中に露出したオオバヤシャブシの根に絡み付いて生育していました。
2叉分枝する葉状体は陸生するものよりも細長く伸びています。

ホソバミズゼニゴケ陸生形
Fig.5 陸生するホソバミズゼニゴケ
湧水の混じる用水路脇などで頻繁に見かけます。

ナガサキホウオウゴケ水中形
Fig.6 疎水の水中内に生育するナガサキホウオウゴケ
中型のホウオウゴケの中で、このような場所に生育するのはナガサキホウオウゴケか
ミヤマホウオウゴケかホソホウオウゴケ。
・ナガサキホウオウゴケ
  葉の長さ2~3mm。葉身は1層細胞で、中肋は明瞭。乾くと多少縮れる。
・ミヤマホウオウゴケ
  葉の長さ1~2mm。葉身は2層細胞で、表面から細胞の境がはっきり見えない。乾いてもあまり縮れない。
・ホソホウオウゴケ
  葉の長さ2~5mm。葉身中央は数細胞の厚みがあり、中肋は埋もれて不明瞭。乾いても縮れない。


ナガサキホウオウゴケ陸生形
Fig.7 ナガサキホウオウゴケの陸生態
本来はこのように水の滴る風化しつつある崖に群生することが多い。

ホウオウゴケ
Fig.8 ホウオウゴケ
ホウオウゴケ属の中では最も大型。渓流畔の多湿な土崖に群生していました。

冬のオオミズゴケ
Fig.9 冬のオオミズゴケ群落
谷戸奥の湿地化した休耕田で雪をかぶっていました。

オオカサゴケ
Fig.10 オオカサゴケ
里と山の境界の土手にトキワイカリソウ、ショウジョウバカマ、イヌショウマ、トウゲシバ
などが生育していました。オオカサゴケはそのような場所で点在していることが多いようです。

アオハイゴケ生育状況
Fig.11 湧水池に生育するアオハイゴケ
渓流畔の岩上などにもよく見られますが、水中では長く伸びます。

アオハイゴケ水中形
Fig.12 アオハイゴケ拡大
Fig.11と同じもので、水中でも古い茎からサクを出していました。

ツボゴケ
Fig.13 ツボゴケ
アオハイゴケとともに湧水池内に生育していました。
コツボゴケとほとんど見分けがつきません。
・ツボゴケ
  コツボゴケより少し大きい。雌雄同株。葉身細胞は大きさや形がやや不揃い。
・コツボゴケ
  ツボゴケより小さい。雌雄異株。葉新細胞の大きさや形はほぼ均一。


コツボゴケ
Fig.14 コツボゴケ
半日陰の林道脇の湿った地表をマット状に覆っていました。

湧水中のフジウロコゴケ
Fig.15 湧水中で群生するフジウロコゴケ
西宮市内の数少ない湧水池に純群落を形成しています。

フジウロコゴケ拡大
Fig.16 フジウロコゴケの拡大
葉の長さ1~2mm、全縁、丸味のある方形~卵形。膜は薄い。
腹葉があり、その幅は茎より狭く、先は2裂する。

フジウロコゴケ
Fig.17 細流に生育するフジウロコゴケ
フジウロコゴケは谷戸奥の湧水の混じる流れの緩い細流でよく見かけます。

多湿な土崖の蘚苔類
Fig.18 谷戸奥細流脇の土崖に生育する蘚苔類
山と里の接点といえる谷戸奥の湿った土崖には、様々な蘚苔類が生育しています。
画像には広い葉を持ったアブラゴケ、枝分かれした緑のヒモのようなスギバゴケ
重なり合った葉を並べるトサホラゴケモドキが見えます。

マルフサゴケ
Fig.19 マルフサゴケ
細流脇の斜面にサナダゴケの仲間がマット状に群生していました。
サクを出していたので持ち帰って調べると、どうやらマルフサゴケのようです。

ツクシナギゴケモドキ
Fig.20 ツクシナギゴケモドキ(?)
細流脇の岩上に群生していました。
ツクシナギゴケとの差は微妙で、もしかするとツクシナギゴケのほうかもしれません。

トヤマシノブゴケ
Fig.21 トヤマシノブゴケ
シノブゴケの仲間では最もよく見かける種で、渓流畔の砂上に群生していました。

キヨスミイトゴケ
Fig.22 渓流の枯れ木についたキヨスミイトゴケ
空中湿度の高いこの場所では、キヨスミイトゴケもみずみずしく元気そうです。

ツルチョウチンゴケ雌株
Fig.23 ツルチョウチンゴケ
渓流の倒木上に生育していました。サクを上げつつあります。

ツルチョウチンゴケ雄株
Fig.24 雄器を上げたツルチョウチンゴケ
ツルチョウチンゴケは雌雄異株で、雄株は直立茎の先に雄器をつけます。

流水中のケチョウチンゴケ
Fig.25 流水中のケチョウチンゴケ
湧水の混じる流れでは、時々ケチョウチンゴケが沈水状態で生育しています。

水中ケチョウチンゴケ
Fig.26 沈水状態のケチョウチンゴケの拡大
水中では直立茎を出さず、匍匐茎を長く伸ばしています。
葉面から無性芽を形成しているものが見られます(画像中央付近)。

ケチョウチンゴケ
Fig.27 ケチョウチンゴケの陸生
沢沿いなどで普通に見かけるのは、この姿のものです。

サワクサリゴケ
Fig.28 サワクサリゴケ
渓流畔の岩の水際を覆う、とても小さな葉を持つ苔類です。
苔体の上の藻類でも食べているのか、小さな巣を持ったツツトビケラの仲間が這いまわっていました。
サワクサリゴケは水中の石にも付着しているものが見られます。

サワクサリゴケ拡大
Fig.29 サワクサリゴケの拡大
葉幅は1mm程度で卵形、全縁。腹葉をもち、茎の2~3倍幅で、横長のハート形。

オオバチョウチンゴケ
Fig.30 オオバチョウチンゴケ
大型で美しい蘚類です。渓流の腐植土の被った岩上で群生していました。

ナミガタタチゴケ
Fig.31 ナミガタタチゴケ
オオバチョウチンゴケとともに生育していました。
ナミガタタチゴケは里山にも普通に見られる蘚類です。

オオトラノオゴケ
Fig.32 オオトラノオゴケ
渓流の巨岩側面を覆っていました。
このコケの中には、比較的珍しい小型シダのカラクサシダが混生していました。

オオクラマゴケモドキ
Fig.33 オオクラマゴケモドキ
オオトラノオゴケと同じ巨岩の、水が滴るような下方に群生していました。

オオサナダゴケモドキ
Fig.34 オオサナダゴケモドキ
渓流畔の岩上にマットをつくっていました。

ホソベリミズゴケ
Fig.35 ホソベリミズゴケ
このミズゴケは湿地に生育する他種とは異なり、湧水の滴る岩壁に生育しています。
丹波地方では岩壁下部全体が、本種によって占められている所もあります。

クモノスゴケ
Fig.36 クモノスゴケ
ホソベリミズゴケの隣ではクモノスゴケが広がり、サクを上げようとしていました。

ヒロハヒノキゴケ
Fig.37 ヒロハヒノキゴケ
岩壁に倒れこんだ朽ちた倒木上で、長いサクを上げていました。

コムチゴケ
Fig.38 コムチゴケのマット
岩壁に沿って尾根筋に登ると、岩稜にコムチゴケの緑のマットが現れました。

クロヤスデゴケ
Fig.39 シダレヤスデゴケ
岩稜の反対側にはオオクラマゴケモドキを小さくしたようなコケが目立ちました。
帰って調べるとクロヤスデゴケのようですが、いま一つ自信はありません。
*シダレヤスデゴケと教えていただきました。(2014.4/25変更)

クロヤスデゴケ拡大
Fig.40 シダレヤスデゴケの拡大
小さな苔類ですが、なかなか枝振りが良いです。
この仲間は小型な上、似たような種が多く、区別はなかなか難しいです。


以下はオマケです。
-----------------------------------------------------------------------------
水中のコケをほぐすとよく出てくる生き物達3種

ミズムシ
Fig.41 ミズムシ
およそ水辺であれば何所にでも現れる甲殻類で、庭にいるワラジムシ、ダンゴムシに近縁。
やや汚れた水域の指標種の一つとされるが、きれいな止水域にも必ずいる。
落ち葉や水底のベントスを漁る、淡水の掃除屋として知られている。
同じような名称の「コミズムシ」「チビミズムシ」などの水生カメムシもおり、
さらに「コガシラミズムシ」などの水生甲虫もいて、とても紛らわしい。

ナミウズムシ
Fig.42 ナミウズムシ(プラナリア)
身体を2つ3つに切り刻んでも、その切片がクローン再生することで有名。
頭の形と2つの眼点により、「キモカワイイ」の部類に入るか?
小川や水路の水中の水草の葉上を這い回って、微小な水生生物を捕食している。
近年、外国産の輸入水草に付いて来たと見られる、類似のアメリカナミウズムシ、
アメリカツノウズムシなどの外来種が定着しているという。

カワゲラ類の幼虫
Fig.43 カワゲラ類の幼虫
体長4mm程度で水中コケをほぐすとミズムシとともに必ず現れる。
幼虫といってもまだまだ小さく、種類を判断できるまでに育っていない。
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category: コケ

thread: 博物学・自然・生き物 - janre: 学問・文化・芸術

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コメント

拝見させていただきました。気になったものがあります。39・40はシダレヤスデゴケです。眼点細胞が一列に並んでいます。葉先がとがっています。などが種の特徴です。
道盛正樹 #- URL [2014/04/16 09:25] edit

Re: タイトルなし

 道盛正樹さま、ご指摘ありがとうございます。
 シダレヤスデゴケの特徴、確認しました。1列に並ぶ眼点細胞があることも確認できました。本文も修正いたします。
マツモムシ06 #- URL [2014/04/25 22:14] edit

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