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Satoyama, Plants & Nature

初夏の花 

6月から7月半ばに見た初夏の花達です。一部昆虫も。
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ホソバシロスミレ
Fig.1 ホソバシロスミレ (兵庫県但馬地方 2017.6/8)
スミレ類の中ではアギスミレと並んで最も開花期が遅く、5月下旬~6月初旬にかけて開花がみられます。兵庫県では高原の草地で生育しています。

ホソバシロスミレの花
Fig.2 ホソバシロスミレの花 (兵庫県但馬地方 2017.6/8)
花弁の奥が黄緑色を帯びるのが特徴。距は短いです。

ツルタチツボスミレ
Fig.3 ツルタチツボスミレ (兵庫県但馬地方 2017.6/8)
多くの場所では開花が終わっていましたが、雪が遅くまで残っていた箇所ではまだ開花していました。
茎は長く地表をはい、花は距が細長く、葉は腎形となるのが特徴です。

サンカヨウ
Fig.4 サンカヨウ (兵庫県但馬地方 2017.6/8)
今年はどうもサンカヨウは不作の年のようで、毎年沢山開花個体が見られる場所でも、花茎を上げていない個体が多く見られました。
早い年では4月下旬から開花が見られますが、今年は6月に入ってようやく花が見れました。
関連ページ 関西の花・サンカヨウ

オオナルコユリ
Fig.5 オオナルコユリ (兵庫県但馬地方 2017.6/8)
山麓ではオオナルコユリが開花し始めていました。鈴なりの花が下方から咲き上がっていきます。

フチグロヤツボシカミキリ
Fig.6 フチグロヤツボシカミキリ (兵庫県但馬地方 2017.6/8)
美しいカミキリムシです。降雨の中、ホストであるホオノキの葉裏で休んでいました。

ハマボウフウ
Fig.7 ハマボウフウ (兵庫県但馬地方 2017.6/9)
砂浜ではあちこちでハマボウフウが開花していました。
開発の進んだ阪神地域では少ないものですが、但馬の海岸ではごくふつうに見られます。
関連ページ 関西の花・ハマボウフウ

メノマンネングサ
Fig.8 メノマンネングサ (兵庫県但馬地方 2017.6/9)
日本海側にはメノマンネングサ、タイトゴメともに分布しますが、メノマンネングサはより大型となります。

ハマボッス
Fig.9 ハマボッス (兵庫県但馬地方 2017.6/9)
メノマンネングサの隣ではハマボッスも咲いていました。
メノマンネングサよりも開花期は早く、茎下方では結実が進んでいます。
関連ページ 関西の花・ハマボッス

ハマウツボ
Fig.10 ハマウツボ (京都府丹後地方 2017.6/9)
砂浜に生育しているカワラヨモギに寄生しています。
兵庫県では非常に稀なものですが、京都の砂浜では個体数は多いです。

ハナムグリ
Fig.11 ハナムグリ (京都府丹後地方 2017.6/9)
なぜか砂浜の上でハナムグリがモゾモゾと歩いていました。ふつうは花上で花粉を食しているのを見る機会が多く、よく見かけるコアオハナムグリよりひと回り大型です。

ヤマブキショウマ
Fig.12 ヤマブキショウマ (京都府丹後地方 2017.6/9)
ヤマブキショウマはいつも但馬の高原で7月に開花するものを見ているので、低地での1ヶ月前の開花に驚かされました。隣のオオバギボウシも花茎を上げ始めていました。

ベニドウダン
Fig.13 ベニドウダン (滋賀県湖北地方 2017.6/10)
湖北の山地ではちょうどベニドウダンが満開でした。
六甲山地でお馴染みの樹ですが、こちらでは個体数が多かったです。

サラサドウダン
Fig.14 サラサドウダン (滋賀県湖北地方 2017.6/10)
ベニドウダンよりも開花期が早いため、ここでは残り花を少々見た程度でした。

ハナヒリノキ
Fig.15 ハナヒリノキ (滋賀県湖北地方 2017.6/10)
兵庫県では現状不明となっている種ですが、ここでは登山道脇のいたるところで見られました。
花序は長く、葉はごわつく感じです。

ハナヒリノキの花
Fig.16 ハナヒリノキの花 (滋賀県湖北地方 2017.6/10)
花の色は緑白色で地味ですが、形はユニークで、先のすぼまったおちょぼ口のやや扁平な壷形です。

シロバナニガナ
Fig.17 シロバナニガナ (滋賀県湖北地方 2017.6/10)
登山道脇にハナニガナに混じって点々と開花個体が見られました。
ハナニガナより個体数は少なく、ハナニガナよりも遅い時間まで開花していました。

キヨスミウツボ
Fig.18 キヨスミウツボ (神戸市 2017.6/15)
いつも降雨中の撮影で納得のいく画像が撮れなかったのですが、今年の6月の空梅雨で満足な画像を撮影できました。これまでの研究から柱頭が目立つ2倍体の「芳香型」、柱頭が目立たない4倍体の「無香型」、雌蕊に長短がある3倍体の「中間型」があるとされていましたが、最近の遺伝子解析ではそのように単純に分けられない傾向が解りつつあるようです。

カキノハグサ
Fig.19 カキノハグサ (神戸市 2017.6/15)
知人からの情報を得て、ちょうど最盛期のカキノハグサを観察することができました。
六甲山地のものは、他の地域のものに比べて花弁が橙色を帯びて萼とのゴントラストが美しく、群生する様子は見応えがあります。

ノアザミを訪花したモンキチョウ
Fig.20 ノアザミを訪花したモンキチョウ (京都府中丹地方 2017.6/18)
スゲ類調査で里山を歩いていると、ナンテンハギやタムラソウが生育する土手で、モンキチョウがノアザミを訪花していました。
モンキチョウはノアザミ、タムラソウ、アカツメクサなどの紅色の花がよく似合います。

キミズ
Fig.21 キミズ (兵庫県播磨地方 2017.6/19)
この日は兵庫県新産種キミズの自生地調査。半低木で基部近くの茎が木質化するサンショウソウ属草本で、雌雄異花。ほとんどの個体は半日陰のチャートもしくは緑色岩の岩場の岩棚やクラックからしなだれるように生育していました。

キミズの雌花序
Fig.22 キミズの雌花序 (兵庫県播磨地方 2017.6/19)
雄性先熟なのか、調査時に見られたのはすでに受粉し終えたと見られる雌花序ばかりでした。
茎には毛が顕著に見られます。

オニルリソウ
Fig.23 オニルリソウ (兵庫県播磨地方 2017.6/19)
シカの食害の多い地域ですが、オニルリソウは食害を受けずに残っている傾向が強いものと言えます。
6~9月にかけて、花序を伸ばしながら開花していきますが、開花初期は花序もこじんまりとして美しいものです。

ミヤマムグラ
Fig.24 ミヤマムグラ (兵庫県北播地方 2017.6/23)
この日は北播~但馬地方にかけてのスゲ類の調査。初夏の花の多い時期でもあります。
調査地に向かう前に原生林の広がる谷間に寄り道。そこにはミヤマムグラが満開状態で群生していました。

オオキヌタソウ
Fig.25 オオキヌタソウ (兵庫県北播地方 2017.6/23)
ミヤマムグラの群生する谷筋ではオオキヌタソウもまばらに点在しています。
どちらも兵庫県では絶滅危惧種となっています。

エゾノヨツバムグラ
Fig.26 エゾノヨツバムグラ (兵庫県北播地方 2017.6/23)
ブナが優占する温帯林下ではエゾノヨツバムグラが増え、同じアカネ科のオククルマムグラ、クルマムグラは減少します。ミヤマムグラやオオキヌタソウは、同じ温帯林下でも、より陰湿で手の入っていないトチノキ、シオジ、ミズナラの古木が生える原生林に見られます。エゾノヨツバムグラは温帯林下でも登山道脇のような撹乱を受けるような場所にも出現します。

アカモノ
Fig.27 アカモノ (兵庫県北播地方 2017.6/23)
高層湿原とそれに続く多湿地に点在する種で、周辺には多くの場合ミズゴケ類が見られます。
ここでは同所的にノギラン、バイケイソウ、コイチヨウラン、モウセンゴケ、マイヅルソウ、ツマトリソウ、マンネンスギ、ヤマドリゼンマイ、オオバショリマ、ヤマソテツなどが見られます。

ツマトリソウ
Fig.28 ツマトリソウ (兵庫県北播地方 2017.6/23)
湧水が滲みだす登山道脇でひっそりと開花していました。
この時期はまだ登山者は少なく、開花期も短いため、この場所に生育していることはほとんど知られていません。まだこの場所で結実しているのを見たことがありませんが、結実と同時に鳥獣の食餌となっているのかもしれません。

ミヤマニガイチゴ
Fig.29 ミヤマニガイチゴ (兵庫県北播地方 2017.6/23)
マイヅルソウ、ユキザサ、グレーンスゲ、ナガミヒメスゲ、クジュウスゲ、オオバショリマなどが見られる登山道脇で開花中でした。ニガイチゴというよりもクマイチゴを細くした裂片が特徴的で、花弁の幅には変異が多い半低木草本です。訪花昆虫のうち、特にハチ類がよく訪れている種で、1日腰を据えて訪花昆虫を調べてみるのも面白そうだなあと思います。

ムネアカクロジョウカイ
Fig.30 ムネアカクロジョウカイ (兵庫県北播地方 2017.6/23)
2週間前はアオジョウカイをよく見かけたのですが、今回は稜線上の1200mを超えたあたりからやたらと目だっていました。期間的な棲み分けを行っているのか、標高による棲み分けを行っているのかは不明です。

ホタルブクロ
Fig.31 ホタルブクロ (神戸市 2017.7/1)
この日は棚田保全地の田植え作業でした。棚田に向かう農道脇ではホタルブクロの花が見頃を迎えていました。
関連ページ 関西の花・ホタルブクロ

カセンソウ
Fig.32 カセンソウ (神戸市 2017.7/1)
保全地の草刈り管理している土手ではカセンソウが満開でした。
この場所ではカセンソウのほか、オカオグルマ、コシオガマ、アカネスミレ、フナバラソウ、ヒロハハナヤスリなどの草原性の稀少種が数多く生育しており、林縁部ではアカハナワラビやホタルカズラ、コイケマが見られます。

ヨツスジハナカミキリ
Fig.33 ヨツスジハナカミキリ (神戸市 2017.7/1)
ふつうに見られる訪花昆虫で、ウツギの葉上で静止していました。
この日は気温が高いためか飛翔する甲虫類は少なく、昆虫類ではカセンソウに訪花しているコハナバチ類、ツバメシジミ、ヒメウラナミジャノメ、林縁にテリトリーを張るオオムラサキ♂が見られました。

シオデ
Fig.34 シオデ (兵庫県但馬地方 2017.7/14)
この日は但馬地方の氷ノ山周辺で今季最後のスゲ調査でしたが、高温多湿でバテバテとなりました。
登山口の沢沿いではシオデの雄花が開花中でした。日陰地ではコウモリカズラが繁茂していますが、開花個体は見られませんでした。タジマタムラソウは結実期に入っており、結実率は低いながらも、萼内に分果ができているものも見られました。

ウメガサソウ
Fig.35 ウメガサソウ (兵庫県但馬地方 2017.7/14)
温帯林下部の林床に1個体のみが開花していました。
兵庫県南部では減少傾向の著しい種で滅多に見られなくなりましたが、但馬地方では所々で見かけます。周辺では果実形成中のギンリョウソウが点在していました。

コバノフユイチゴ
Fig.36 コバノフユイチゴ (兵庫県但馬地方 2017.7/14)
標高1000m付近から林床にはコバノフユイチゴが出現し、ちょうど開花中で、小型のハチやアブが訪花していました。周辺ではアクシバやシナノキも開花中で、シナノキではウラギンヒョウモンやヒオドシチョウを初めとした多数の昆虫類が訪花していました。

アカガネサルハムシ
Fig.37 アカガネサルハムシ (兵庫県但馬地方 2017.7/14)
低地でもふつうに見られるハムシですが、上昇気流に乗ってやって来たのか、1200m付近で見られました。小さな甲虫ですが、宝石のような美しさがあります。

カタシロゴマフカミキリ
Fig.38 カタシロゴマフカミキリ (兵庫県但馬地方 2017.7/14)
ナガゴマフカミキリによく似ていますが、それよりも高標高地に多いという印象を受けます。
氷ノ山付近の山域ではふつうに見られますが、ここでは白味の強い個体が見られました。

ツノアオカメムシ
Fig.39 ツノアオカメムシ (兵庫県但馬地方 2017.7/14)
山地でふつうに見られる大型で金属光沢のある美しいカメムシで、駐車場に停めたクルマのボディーに止まっていました。この日はあちこちでこのカメムシと遭遇しましたが、ウシアブやトンボ類と同じように光沢のあるものを好むのかもしれません。

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