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Satoyama, Plants & Nature

早春を味わう 

皆さん、ご無沙汰しております。
久々の記事ですが、冬眠していた訳ではなく諸事情のためなかなかフィールドに出られず更新が遅くなってしまいました。今回はネタがあまりないので、植物の観察や見聞ではなく、植物を食べる話しです。
3月に入ると、早春の山菜がいつ出てくるかとソワソワします。最初はフキノトウ、セリ、ナズナ、オランダガラシ(クレソン)、ノビル、続いてツクシ、ヤブカンゾウなどが採れるようになります。これらの山野草を自宅でどのように利用しているか、ご紹介しましょう。
料理法も紹介いたしますが、山野草の利用は各自の自己責任でお願いいたします。
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オランダガラシとセリ

クレソン
Fig.1 オランダガラシ(クレソン)の群生 (兵庫県篠山市 2016.2/25)
外来種で要注意外来生物に指定されており、各所で繁茂していますが、食べようと思うような場所ではなかなか発見できません。生食できるのは湧水が湧出していて、水田や河川の水が入らない場所のものに限られます。それ以外の場所に生育しているものはしっかり火を通す必要があり、そうするとクレソン特有の風味がほとんど損なわれてしまいます。
この場所では小さな湧水池にビッシリ繁茂していました。

セリ
Fig.2 セリ (兵庫県三田市 2016.2/26)
この時期は、無農薬水田や休耕田で湛水しているものか、谷津奥の細流脇や用水枡に生育しているものを利用します。画像は無農薬水田の素彫り水路内に生育しているもの。無農薬水田か休耕田で湛水しているものは、外側(下側)2枚ほどの葉は越冬葉で、水中の葉の表面にケイソウ類などのプランクトンがコロニーを形成してヌメるので、気になる場合は取り除くかシッカリこすって洗う。

用水枡のセリ
Fig.3 山際の用水枡に生育するセリ (兵庫県篠山市 2015.3/16)
ここでは山間から流下する小渓流を農業用水として水路に取り込むための用水枡があり、そこに多くの湿生植物と生育しています。底面を覆っているのはネコノメソウ。有毒のヤマキツネノボタンも生育しており慣れないうちは注意が必要です。
セリは2月中はまだ小さく、採取には手間取りますが、3月半ばにもなると個体も大きくなり、収量も増えます。ここでは、オオバタネツケバナも混生しており、このような場所に生育するオオバタネツケバナも、サッと湯通しして利用できます。

●クレソンとセリで鴨鍋

クレソン・セリの鴨鍋
Fig.4 クレソン・セリ・岩津ネギの京丹波合鴨鍋
毎年、2月下旬の早春のセリとクレソンを収穫したら最初に楽しむ料理です。
鴨鍋は年に2~3回の楽しみ。今回は京丹波の合鴨を使いました。
合鴨鍋は年の最初にクレソンとセリが揃った早春と、ソバとともに頂く大晦日の鍋。
それ以外はほとんどリーズナブルな豚シャブで利用しています。

【調理法】
野生のクレソンは節から出ている細根と、黄化しかかった茎下方の葉を取り除きながらよく洗う。
セリは根にも独特の風味があるので、できれば根を残してよく洗う。
太めのネギ(今回は兵庫県但馬地方特産の岩津ネギ)の白い部分を3~5cmに切って、横方向に数本隠し包丁を入れておく。
購入した京丹波合鴨ロース(だいたい1パックが1人分)は皮と脂身部分が一方向に揃うように広い面を密着させる。
フライパンに油をひかずに中強火で熱し、密着させた合鴨ロースをトングなどで掴み、皮目の面に焦げ色をつける。
皮目に充分に焦げ色がつく頃には、皮下にある脂身から油が出るが拭き取らず、皮に焦げ色がついたら、中火にして切っておいたネギを入れる。
ネギは転がさず、一面にしっかり焼き色をつけ、下面に焼き色がついたら、トングや箸で裏返し、反対側の面にも焼き色をつける。
こうすることにより合鴨から出た油の旨みを、香ばしく焼いたネギに吸収させることができる。
鍋に水を張り出汁用昆布、冷凍しておいた出汁用キノコを入れて弱火にかける。
美味しい出汁の出るキノコは冷凍することによって保存でき、冷凍によって細胞が壊れて複雑な深みのある出汁の元として利用できる。
キノコの各種の出汁の味わい、魚類の乾節、昆布の有無、調味料との組み合わせにより、味の裾野は無限大!
今回は冷凍したタモギタケ、冷凍した傘の開いた原木栽培ナメコを利用。
冷凍することにより、ほとんどキノコが美味しくなりますが、特にヒラタケ、トキイロヒラタケ、ナラタケ、ナラタケモドキ、クリタケ、チチタケ、タモギタケ、ヌメリスギタケモドキ、シモコシ、フユヤマタケ、エノキタケ、ナメコが美味しく感じた。
キノコには冷凍・乾燥いずれかの処理をするといい出汁が出て美味しくなるものが多く、複数種を使うことにより味に深みが出る。
乾燥して美味しい出汁が出る代表はシイタケやアミガサタケ、イグチの仲間ですが、ヒラタケやエノキタケも冷凍に劣らず乾燥でも良い出汁が出ます。
冷凍キノコを鍋に入れたら出汁の出やすい60度近辺の水温で20分程キープしてから火力を上げて沸騰させる。
沸騰したら昆布を取り出し、カツオ節を投入して弱火にして数分煮だして取り出し、適量の酒・醤油を入れひと煮立ちさせる。
器の中に鍋の汁を入れ、醤油またはポン酢、出汁醤油を加えて好みの濃さにしておく。
沸騰したら合鴨肉とともにすぐに食べれる分量の焼いたネギを入れて、30秒後にたっぷりのクレソンを入れ、その30秒後くらいにクレソンとともに合鴨肉を器のつけ汁につけて頂く。
2~3切れ食べて、必要であればニンニク・パウダー、胡椒、七味、一味、粉山椒などのスパイスを足します。
野生のクレソンは野生のセリに比べてアッサリしているので、セリはクレソンを全て食べ終えてから合鴨肉とともに投入する。
2月の野生セリは合鴨肉と同時に投入し、鴨肉とともに器に取る。
この時期の野生セリはスーパーに出回る水耕栽培とはまるで別種のような鮮烈な香りと味わいがあり、春の到来を印象付けてくれます。
鍋料理が一通り終了したら、茹でた生ソバまたは冷凍のソバを投入してソバが美味しく頂ける。
今回はナメコと大根おろしを投入して、ナメコおろしソバとしました。
宴の後の鍋にはソバ粉によって濁った煮汁が残りますが、この中には旨味と栄養のカオスがあるので、捨てずに料理に利用する。

・ポイント
野生クレソンよりも野生セリのほうが香りやクセが濃厚なので、クレソンが終わってからセリを投入する。
鴨肉は30分を越えない煮物では時間経過に比例して硬くなって旨味も減退するので、1分くらいで引き上げて食べる。
出汁に冷凍または乾燥したキノコを低温煮出しによって活用することにより、汁の旨味が倍増する。
豚や牛のしゃぶしゃぶ用の薄切り肉でも美味しくいただけますが、その場合はアクが出やすいのでこまめに取り除く。
豚や牛のしゃぶしゃぶの場合はネギは必要ではない。

●セリの薬味的な利用

セリとハマグリのつみれ汁
Fig.5 ハマグリとセリのつみれ汁
春が旬のハマグリと野生のセリを使った贅沢な汁物です。
ハマグリは3月3日の翌日にセールで安くなるので、ウチではこの日だけ利用しています。

【調理法】
つみれはイワシ、アジなどの青物の魚を包丁で細かく叩くかフードプロセッサーにかけて、摺り下ろしたショウガ、刻んだネギ、卵、片栗粉、同量の酒と醤油を練りまぜておきます。
鍋に水を張って昆布と冷凍キノコを低温で煮だし、20~30分後に火を強め、沸騰直前に昆布を上げて、沸騰したら弱火にして鰹節を投入にして出汁をとる。
出汁が出たら鰹節を鍋から引き上げ、ハマグリを投入して貝が開いたら一旦取り出しておく。
この間、冷凍キノコは取り出さずそのまま煮てOK。
スプーンを使いながらつみれを丸めて鍋に投入し、アクが出たらすくい取る。
つみれが煮えたら鍋の汁の味見をして、味が薄ければ天日塩か醤油を足す。
取り上げておいたハマグリと、よく洗ったセリを入れて、ひと煮立ちしたらできあがり。
昆布・冷凍キノコ・鰹節・ハマグリから出た出汁の4重奏の汁が絶品。

・ポイント
ハマグリは3月3日の雛祭りの翌日がセールで激安!
摺り下し生姜はチューブ入りのものではなく、添加物のない生姜を摺り下し、つみれにたっぷり練りこむ。
つみれの味を濃くした時は汁は薄めの味付けで。つみれをアッサリ味とする場合はその逆に汁の味を濃いめにする。
味見用の小さなつみれを2,3個作っておくと味のバランスを決めやすい。
ハマグリにはあまり火を通さない。

フキノトウ

フキノトウ
Fig.6 フキノトウ (京都府福知山市 2016.3/6)
爽やかな香りと苦味が堪らない早春の山菜の王者です。
これを食べないことには、春が来たことを実感できないほどで、毎年いろいろな調理法で利用しています。

走りのフキノトウ
Fig.7 走りのフキノトウ (兵庫県篠山市 2016.2/25)
日当たりよい斜面に出ていた走りのフキノトウです。
走りのフキノトウは茹でてそのまま食べるか、天ぷらでシンプルに頂きます。

●茹でフキノトウ

茹でフキノトウ
Fig.8 茹でフキノトウ
早春初の開花していないフキノトウは、先ずは茹でて頂きます。

【調理法】
鍋にたっぷりの湯を沸かし、3%程度の塩を入れてフキノトウを30秒ほどサッと茹でる。
茹でたらザルに取り、すぐに冷水につけて冷ます。
堅くしぼって水気を切り、EXバージンオリーブオイル、グレープシードオイル、エゴマ油、太白胡麻油など良質で美味しいオイルをかけて、天日塩や岩塩をふって頂く。
春の香りが口いっぱいに広がるシンプルな食べ方。

・ポイント
採りたてで新鮮なものほど美味。
長時間煮ると独特の風味が台無しになるので、サッと茹でる。
できるだけ美味しいオイルと塩で頂く。

●フキノトウのパスタ

フキノトウとサルシッチャのクリームパスタ
Fig.9 フキノトウと自家製サルシッチャのクリームパスタ
フキノトウはオイル、バター、チーズ、豚肉などとの相性がよく、イタリアンな味付けによくあいます。
コゴミ、ワラビ、ウド、コシアブラなどとともにオリーブオイル、ニンニク、鷹の爪、アンチョビで炒めたペペロンチーノが定番ですが、今回は自家製サルシッチャ(イタリアンソーセージ)とともに濃厚なクリームパスタにしました。

【調理法】
サルシッチャ(*)は小さく丸めておく。
フキノトウは包丁で縦に2分し、塩を入れた湯で30~60秒程サッと茹でて冷水に放ち、水気を切る。
ニンニク1片をみじん切りにし、フライパンか鍋に入れ、オリーブオイルとともに弱火で香りが充分に立つまで炒める。
香りが立ったらみじん切りにしたタマネギを中弱火で、アメ色になるまでじっくりと炒め、別の鍋でパスタを茹で始める。
タマネギを炒めたフライパン(鍋)に丸めたサルシッチャを投入し、表面に焼き色が付くまで中弱火で炒める。
小麦粉大匙2(2~3人分)を加え、具材によく馴染ませながら炒める。
小麦粉が馴染んだら豆乳または牛乳を序々に加えて弱火にしてフュメ・ド・ポワソンかコンソメを適量溶かし込み1~2分程度少しトロみが出るまで煮る。
味見して塩気が足りなければ天日塩か岩塩を適宜加えて、茹で置いたフキノトウと摺り下ろしたパルミジャーノ・レッジャーノまたはペコリーノを加えて茹でたパスタと絡める。
食べる直前に粗引きコショウやパルミジャーノ・レッジャーノ、みじん切りのパセリやディルなど好みのハーブを振って頂く。
画像のものはクリームソースを冷凍ストックしておいたキクイモのポタージュで代用しました。

・ポイント
行程最初の炒めたタマネギみじん切りは、ヒマな時に大量に作っておいて小袋に分けて冷凍ストックしておくと非常に便利で、様々な料理の時短ができます。
テフロン加工のフライパンではタマネギがアメ色には色付きませんが、水分が飛んでペースト状になればOKです。

サルシッチャ
*サルシッチャ(イタリアンソーセージ)
ミックスピザの上によく乗っているコロコロとした小さな丸いミンチ状のものがサルシッチャです。
作り方はハーブ類を揃えればハンバーグよりも簡単。
肉は豚肉を利用し、2ヶ所の異なった部位の肉を用意すれば味わいが深まります。
ハンバーグ同様、肉の脂が溶けると味が落ちるので半解凍状態で調理します。
豚肉は食感をよくするために半分をフードプロセッサーにかけてミンチにし、半分は包丁で粗みじん切りに。
これをボールに入れ天日塩(豚肉250gに対して小匙1が目安)、アルコールを飛ばした赤ワイン(豚肉250gに対して30~50cc)、セージ、タイム、オレガノ、ローズマリー、バジル、オールスパイス、ナツメグ、フェンネルシード、ディルシード、ブラッククミンシード、黒胡椒、カイエンヌペッパーなどの好みのハーブ類を擂り鉢で粉末状にしたものを加え、ゴムベラなどでしっかり練る。
挽肉の量が1kg以下と少ない場合、手で練ると体温で挽肉の温度が上昇してしまうので、ヘラで混ぜるのがお勧めです。
ハーブ類の配合はお好みで。最初はセージ主体にして、少しずつ他のハーブを加えて好みの味にしていくといいでしょう。
タイムを入れすぎると薬臭くなったり、ナツメグを入れすぎるとハンバーグのような味になってしまいます。
全体を混ぜるおうに意識しつつ、よく捏ねてネバリがでてきたらOK。
ラップを広げておいてボールから移し、空気を抜くようにヘラで叩き、できるだけ空気を追い出すようにラップでしっかり包む。
あるいはタッパーに押さえつけるように詰めて、表面を平らに均して空気に触れないようにラップで覆ってもよい。
冷蔵庫で最低1時間寝かせる。5日程寝かせると肉がピンク色を帯びて熟成され、さらに旨味が増します。
これをストックしておくと市販のソーセージは必要なくなり、味が付いているので様々な料理に利用できます。
市販のソーセージのように食べたい時は、棒状に形成してラップに包んで沸騰直前の湯(80度前後が理想的)で茹でるか、蒸し器で蒸した後に、フライパンで炒めて表面にこんがりと焼き目をつける。
本格的にやりたいのであれば、豚腸を水や牛乳で戻して腸詰めにし、好みの長さでひねって1日干してから冷蔵庫で熟成させる。
冷蔵庫で10日~2週間ほど保存でき、大量に作ったときは用途を見越して小分けして冷凍保存し、2ヶ月以内に食べきるようにします。

●フキノトウのクリームチーズ和え

フキノトウのクリームチーズ和え
Fig.10 フキノトウのクリームチーズ和え
クラッカーやパンにディップのように塗って頂くか、軽く湯煎してゆるめて新タマネギ、茹でた春キャベツやアスパラに付けて頂きます。
画像のものは刻んだディルを混ぜています。

【調理法】
粗みじんに切ったフキノトウを、塩ひとつまみ入れた湯でサッと茹でてザルに上げ、熱いうちにクリームチーズと和える。
好みにより塩、粗引きコショウ、ヨーグルト、レモン汁、刻んだハーブ、メープルシロップ、ディジョンマスタードなどを混ぜ、粗熱が取れてクリームチーズが少し固まったら完成。

・ポイント
茹でたフキノトウを熱いうちにクリームチーズに混ぜ込むことによって、クリームチーズを乳化させて混ぜ合わせ易いようにし、その状態で他の調味料も混ぜる。
少し食べてから味に変化をつけたい時は、器ごと湯煎して調味料を混ぜる。
塩気を強めれば、冷蔵庫で10日は保存できる。

●フキノトウのグラタン

フキノトウ・アサリ・ネギのグラタン
Fig.11 フキノトウ・アサリ・岩津ネギのグラタン
残り物と冷凍庫のストックを利用して、早春の素材を生かしてみました。
スープ類はいつも余分に作って冷凍ストックしておくと便利です。

【調理法】
フキノトウは包丁で縦に2分し、塩ひとつまみ入れた湯でサッと茹でて冷水に放ち、水気をよく切って、一部は粗みじんに切る。
アサリはひたひたの塩水で2~3時間ほど砂出しし、フライパンに白ワインを入れて蒸し、貝が開いたら殻から身を外し、煮汁はとっておく。
卵黄1と味噌大匙1(2~3人分目安)と冷めたアサリの煮汁をよく混ぜておく。
オーブンまたはトースターを200度程度で余熱しておく。
ネギは白い部分を4cm程に切り揃え、少量のバターで裏表2面に焼き色がつくまで炒める。
アメ色に炒めたタマネギのみじん切りに小麦粉を振り入れてよく炒め、豆乳か牛乳を入れてホワイトソースを作る。
卵黄、味噌、アサリ煮汁を混ぜたものをホワイトソースに溶かし込み、味見して塩気が足りなければ味噌を追加する。
グラタン皿にバターを塗り、フキノトウとネギを交互に並べて、周囲にアサリの身をちらし、ホワイトソースを流し入れる。
上から刻んだフキノトウを散らし、好みで溶けるチーズや摺り下ろしたパルミジャーノ・レッジャーノを降りかけてオーブンに入れ、表面に焼きが付いたら出来上がり。
画像のものはホワイトソースの代わりに、前日の残りのジャガイモとネギのスープをフードプロセッサーにかけたものと、冷凍ストックのキクイモのポタージュを使っています。
岩津ネギはFig.4の鴨鍋で余ったものを使いました。

・ポイント
アサリは殻が開いたらすぐに取り出す。
素材全てにあらかじめ火が通っているので、表面に焼き色が付いたらOKです。
アサリの代わりにカキやホタテでも美味しい。
ホワイトソースは小麦粉や牛乳を使わずに冷凍ストックしたポタージュで代用するとヘルシー、便利&時短。

●フキ味噌

フキ味噌 八丁味噌仕立て
Fig.12 フキ味噌、八丁味噌仕立て

【調理法】
フキノトウは細かく刻む。
フライパンに米油、菜種油、オリーブオイル、ココナッツオイルなど、加熱しても劣化しない油を敷いて、刻んだフキノトウを炒める。
油がまわったら酒、味醂を同量(フキノトウ10個に対し大匙1/2~1が目安)入れて、水気がある程度飛んだら八丁味噌を加えて混ぜ、フキノトウと馴染んだら火を止める。

・ポイント
八丁味噌は長く火を通すと苦味が出るので、サッと火を通す程度にしておく。
フキノトウの苦味を抑えたいのであれば、茹でてから刻んで炒める。
ゴマ油は長時間加熱すると劣化するので、風味付けしたい時は最後の行程で八丁味噌とともに加える。
冷凍保存可能。

トウ立ちしたフキノトウ
Fig.13 薹立ちしたフキノトウ (京都府福知山市 2016.3/6)
薹立ちしたフキノトウはほとんど見向きされませんが、花序部分を取り除けば料理に利用できます。
フキ味噌のかさ増しにも最適です。

●フキノトウの茎の肉巻き

フキノトウとナズナの牛肉ロール、バルサミコソース
Fig.14 フキノトウの茎とナズナの牛肉ロール、バルサミコソース
フキノトウは薹立ちして、高さ30~50cmに伸びたものの茎の部分を使います。
この時期のナズナはツボミを付けた柔らかい花茎を使います。
キク科の可食草本の苦味と爽やかな香りは酸味の効いたバルサミコ酢を使ったソースともよくあいます。

【調理法】
フキノトウの茎は長さ10cm程度に切り、2分間塩茹でし、途中でナズナも加えてサッと茹で、冷水に取る。
フキノトウの茎が太い場合は縦に切る。
しゃぶしゃぶ用牛肉などの薄切り肉を広げ、塩コショウして、少量のナツメグを振り掛ける。
肉の端にフキノトウの茎とナズナを並べ、それを軸にして肉をクルクルと巻き、外側に片栗粉を振って、余分な粉ははたいておく。
フライパンに油を敷いて巻き終わりの部分を下にし、中火で焼き色がつくまで炒め、後は時々転がしながら他の面も炒める。
巻いた肉の中心部がレア状態となるのが、肉汁が多くて美味しい。
全体に焼き色がついたらフライパンから取り出し、アルミホイルに包んで寝かせておく。
フライパンの肉汁は捨てず、卸したタマネギ大匙2、バルサミコ酢大匙1、赤ワイン大匙1/2、醤油大匙1、メープルシロップまたは蜂蜜大匙1/2、刻んだプルーン1個分をフライパンに入れて弱火にかけ、少しトロ味がついたら火を止める。
寝かせていた肉ロールを一口サイズに切って皿に並べ、上からバルサミコソースを掛けて完成。

・ポイント
豚肉でも出来ますが、その場合生焼け部分がないようにシッカリ炒めるか、途中フタをして蒸し焼きにする。
アザミの根を下茹でして一緒に巻くと更に美味しい。
この時期のナズナの根は中心に硬い芯ができるためあまり利用しない。
一般的に花茎が立った植物は、根に芯ができたり、繊維が硬くなるため、根を利用するには花茎の伸びていないものを利用するのが、根菜類を料理に使うコツとなる。

ツクシ

群生するツクシ
Fig.15 休耕田で一斉に伸びたツクシ (京都府福知山市 2016.3/6)
ハカマの処理に手間が掛かるのであまり欲張らず、上から2~3節程度で折り取るようにします。
収量が多いときは茹でてアク抜きした状態で冷凍保存できます。

●ツクシの佃煮

ツクシのキンピラ風佃煮
Fig.16 ツクシのキンピラ風佃煮
最もポピュラーなツクシ料理です。

【調理法】
ツクシはハカマを取り去ってよく洗い、水に30分程漬けておき、その間に少なくとも1度は水換えする。
たっぷりのお湯を沸かし、ひとつまみの塩を入れてツクシを2分ほど煮てザルに上げて水気を切る。
フライパンに油を敷き、油が充分回るまでツクシを炒める。
油が回ったら酒・出汁醤油・味醂を10:10:4の割合で入れ、甘めが好みの場合は黒糖や甜菜糖などの糖類を適量加え、水気が無くなるまで炒め煮る。
火を止める間際に少量のゴマ油を鍋肌に回し掛け、掻き混ぜて火を止める。

・ポイント
キンピラ風にしたくない場合は最初に油で炒めない。
ゴマ油は長時間加熱すると劣化するので、火を止める間際に入れる。
水に着けていると水が緑色になるのは胞子が出ているため。この胞子は苦味とえぐ味があります。
適度な苦味やえぐ味は酒のつまみにあう、大人の味わいとなります。
苦味やえぐ味目当ての場合は、できるだけツクシの頭が開いていないものを採取し、水換えの頻度も少なくします。

●ツクシの卵とじ

ツクシの卵とじ
Fig.17 ツクシの卵とじ
佃煮とともにツクシの基本料理です。

【調理法】
ツクシを炒めるまでの行程はキンピラ風佃煮と同様で、酒・出汁醤油・味醂の割合を1:1:1の量で入れる。
だいたいMサイズの卵1個につき、各大匙1程度で、隠し味で黒酢を小匙1加える。
卵を割って溶いておき、フライパンの水気が少なくなったら卵を流し入れ、適度に掻き混ぜる。
卵が半熟状態になったら火を止めて皿に盛る。

・ポイント
この時期に手に入る釜揚げアミエビやサクラエビを混ぜても美味しい。

●混ぜご飯

早春の野草の混ぜご飯
Fig.18 早春の野草の混ぜご飯
春先に一度は食べたい、爽やかな香りが漂う混ぜご飯です。
画像のものはツクシ、セリ、フキノトウ、ナズナ、軟白ウド(栽培品)、緑茶葉などを混ぜ込んでいます。

【調理法】
ツクシは佃煮を作り、フキノトウは縦に2分してナズナとともにサッと下茹でし、冷水に取り水気を絞る。
緑茶を水で戻し、セリは5mm程に刻み、ウドは皮を剥いて薄く輪切りにして酢水に放ちアクを取る。
下茹でしたフキノトウ粗みじんに切り、少量の油を敷いたフライパンで炒める。
フキノトウに油が回ったらシラス干しを一握り程入れ、酒大匙2を入れてアルコールを飛ばす。
濃口醤油小匙1を入れてナズナ、ウドを入れて1分ほど炒め、味見をして塩、コショウする。
味が決まったら刻んだセリを入れて軽く炒めて皿に取っておく。
ボールかお櫃に炊いた白米を入れて、戻して水気を切った緑茶を混ぜる。
次にツクシの佃煮を混ぜた後、炒め合せたフキノトウなどを混ぜ合わせて、絞った布巾を被せて10分程蒸し、好みにより千切りにしたショウガか、ミョウガを加えて茶碗に盛る。
上から摺りゴマを掛けて完成。

・ポイント
冷めても美味しいが、翌日になるとアクが出て茶色くなりエグ味も少し出るので、できるだけ作ったその日に食べる。
味付けした煎り卵や、薄塩味のサケのほぐし身を混ぜても彩りもよく美味しい。

ヤブカンゾウ

ヤブカンゾウの萌芽
Fig.19 ヤブカンゾウの萌芽 (西宮市 2016.3/12)
ツクシと同様、里山に行けば沢山採取でき、利用価値の高い野草です。
旧い時代に移入されて定着したものですが、かつては野菜として利用されていたはずです。

●ヤブカンゾウのスープ

ヤブカンゾウの中華スープ
Fig.20 ヤブカンゾウの中華スープ
ヤブカンゾウの芽はスープ類や油を使っての炒め物によくあいます。
今回は中華スープを作ってみました。

【調理法】
ヤブカンゾウはよく洗い、下方の傷んだ葉を取り除く。
鍋で適当に刻んだベーコンとクローブ2個を炒める。
ベーコンから油が出たらヤブカンゾウの芽を入れて油が回るまで炒める。
ヤブカンゾウに油が回ったらスープストックを入れ、八角ひとかけらと、クコの実を入れて弱火にして10分程度煮る。
オイスターソースを小匙2入れて味見し、塩気が足りなければ天日塩を足す。
食べる直前に浮いている八角のかけらとクローブを取り除き、水溶きカタクリ粉を入れてスープにトロ味をつけ、溶き卵を高い位置から垂らし入れてゆっくり混ぜ、好みによりゴマ油を垂らす。
器に入れて、粗引きコショウを振って完成。

・ポイント
スープストックはスペアリブを下茹でした際の残りを使い、豚骨スープになっていますが、鶏がらスープの素を使うのもよい。
八角を沢山入れるとくどくなるので、あまり沢山入れない。
オイスターソースをナンプラーに換えて、フォーを茹で入れレモン汁・ラー油を入れて、たっぷりの刻んだパクチーとフライド・オニオンを散らせばベトナム風にも。

番外:軟白ウド(栽培品)

●軟白ウドの炒めもの

ウドとアスパラガス、ベーコンとサルシッチャ炒め
Fig.21 軟白ウドとアスパラガス、ベーコンとサルシッチャ炒め
野生のウドは4月下旬以降がシーズンですが、待ちきれずに店頭に並んだ軟白ウドを買い求めてしまいます。
ウドは捨てるところが無く、全部食べられるのが良いところ。

【調理法】
アスパラガスは下方の硬いところを折り捨てて、3~4cmの斜め切りにし、2分程下茹でしておく。
ウドは包丁でやや厚く皮を剥き、厚さ5mm程の斜め切りにする。
ベーコンは幅8mmほどに切り、サルシッチャはほぐしておく。
フライパンを中弱火に掛け、ベーコンとサルシッチャを炒めて油を引き出す。
油が出たらウドを入れて5分程炒め、下茹でしたアスパラガスを加えて、好みの硬さになるまで炒める。
最後に味見して、塩気が足りなければ天日塩を足し、粗引きコショウをかける。

・ポイント
油はベーコンとサルシッチャから出るものを利用する。
ベーコンとサルシッチャから豚肉とハーブの旨味、塩気が出てウドとアスパラに移るので、特別の味付けをする必要がない。
剥いた皮は捨てずに、キンピラや掻き揚げにして食べたり、細かく刻んでシラス干しや乾燥アミエビ・刻み昆布などと炒めれば、風味豊かなフリカケが作れる。


コオイムシ
Fig.22 コオイムシ (兵庫県三田市 2016.2/26)
セリを摘んだ水田の素彫り水路内にいました。
無農薬水田の証拠ですね。
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