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Satoyama, Plants & Nature

10月の西宮市で 

 西宮市は大阪、神戸にも近いとあって、今なお開発が盛んな市域です。ここ5年のうちでも、ササバモの生育していた溝のような古い水路は暗渠化により絶滅し、ヒメミズワラビが生育していた平野部の水田は住宅地となり絶滅。イガタツナミやニオイタチツボスミレが花を咲かせていた山麓の水田も住宅街となりました。ヒルムシロの自生地は平野部から丘陵部にかけて数ヶ所あったのですが、道路拡張や暗渠化によって、今では1ヶ所でしか見ることができません。
 平野部の水田は休耕されると、その次の年には宅地となり、あるいは駐車場となっていつも残念な気持ちになります。現在、平野部には水田がまだわずかに残っていますが、全て無くなってしまうのも時間の問題でしょう。当ブログでは、このような平野部の消えゆく自然もできるかぎり取り上げていきたいと思います。
 秋はカヤツリグサ科やイネ科のシーズンで私にとって見るべきものが多いうえに、花のシーズンでもあります。えらく欲張ったために、今回は長い記事となってしまいました。
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コヒロハハナヤスリ
Fig.1 コヒロハハナヤスリ (西宮市 2015.10/3)
この日は2時間ほどの空き時間に、久しぶりに近くの社寺を訪ねてみました。
かつてコヒロハハナヤスリが群生していた泉の傍は、環境が変わって個体数は減っていましたがまだ健在でした。胞子葉の先が何者かによって食害を受けていました。
関連ページ 湿生植物・コヒロハハナヤスリ

イガガヤツリの群生
Fig.2 イガガヤツリ (西宮市 2015.10/3)
まさかこのような場所で出会えるとは思ってもみませんでした。
西宮市では古い記録が武庫川河口でありましたが、今では環境改変のため絶滅したものと思っていました。ここでは池の水が滲み出すような場所で群生していました。
画像の出来が悪かったので翌日出直しましたが、肝心の群生箇所は草抜きがなされて前日とは様相が変わっていました。どうりで、今まで見なかった訳です。
関連ページ 湿生植物・イガガヤツリ

イガガヤツリの花序
Fig.3 イガガヤツリの花序 (西宮市 2015.10/3)
クリのイガのように見えることから、イガガヤツリと名づけられました。

ハイヌメリグサ
Fig.4 ハイヌメリグサ (西宮市 2015.10/3)
イガガヤツリとともに水田雑草が見られました。
このハイヌメリグサも、ふつうは水田で見かけるイネ科の草本です。
他にテンツキ、アゼガヤツリ、カワラスガナ、コケオトギリ、タネツケバナ、ウリクサなども見られ、社寺境内としては異色の一角でした。
関連ページ 湿生植物・ハイヌメリグサ

コミカンソウ
Fig.5 コミカンソウ (西宮市 2015.10/3)
これも畦や畑地に出てくる在来の雑草です。
表面に短い突起がある果実を稔らせていました。

オオハナワラビ
Fig.6 オオハナワラビ (西宮市 2015.10/3)
この場所の社寺林にはオオハナワラビがこの1個体のみ生育しています。
まだ充分に生育しておらず、胞子葉は上がっていません。
オオハナワラビは西宮市内では3ヶ所で生育を確認しています。
関連ページ 関西の花/シダ・オオハナワラビ

オニヤブソテツ
Fig.7 オニヤブソテツ (西宮市 2015.10/3)
社寺林の一角に群生が見られます。
海岸部に多いヤブソテツの仲間ですが、市内では住宅街の石垣に着いているのも見かけます。

オニヤブソテツのソーラス
Fig.8 オニヤブソテツのソーラス (西宮市 2015.10/3)
葉面の光沢が強く、包膜の中心が褐色となる、判りやすい特徴を持っています。

イシミカワ
Fig.9 イシミカワ (西宮市 2015.10/3)
林縁の用水路脇からシュロに這い登って実を付けていました。
このような場所よりも原野的な環境でよく見かける種です。
関連ページ 湿生植物・イシミカワ

チャガヤツリ
Fig.10 チャガヤツリ (西宮市 2015.10/3)
さすがに社寺境内、土壌をいじらない為か、こんなものまで見つかりました。
西宮市内では稀なもので、以前有馬川の河川敷で出合って以来、8年ぶりとなります。
チャガヤツリだと思っても、大半がコチャガヤツリです。
連ページ 湿生植物・チャガヤツリ

コチャガヤツリ
Fig.11 コチャガヤツリ (西宮市 2015.10/5)
この日は買い物帰りに武庫川下流の河川敷に立ち寄りました。
低水敷の砂地で早速コチャガヤツリに出会いました。

チャガヤツリ、カチャガヤツリ比較
Fig.12 チャガヤツリとコチャガヤツリの小穂 (西宮市 2015.10/5)
チャガヤツリの鱗片は長さ2~2.3mm、これに対してコチャガヤツリの鱗片は長さが1.5~1.8mmとなります。そのためか、熟した小穂ではコチャガヤツリは鱗片同士の間に隙間ができ、これが大まかな区別の目安になります。
注 : チャガヤツリ、コチャガヤツリ、オオチャガヤツリの間には和名の混乱が見られます。ここでは『神奈川県植物誌 2001』の記述に準拠しましたが、和名の命名史を紐解いて、鱗片が2~2.3mmの大きなタイプを「オオチャガヤツリ(当ブログではチャガヤツリと表記)」、鱗片が1.5~1.8mmのものを「チャガヤツリ(当ブログではコチャガヤツリと表記)」とし、カヤツリグサ×チャガヤツリを「オニチャガヤツリ(『神植誌2001』ではオオチャガヤツリ)」とする見解があり、その検証過程が以下のページで閲覧することができます。
「コチャガヤツリとチャガヤツリCyperus amuricus Maxim. との、混乱の予感」
 和名は分類学上それほど重要でないため放置されていますが、再検証した結果を新たに誰かがモノグラフとともに、影響力のある場で発表する必要があるように思います。和名など研究上たいしたことはないと思われても、混乱した状態が続く限り在野の観察者や愛好家からの情報を得る機会は少なくなるでしょう。ちなみに現在、カヤツリグサ科の標準となっている『日本カヤツリグサ科植物図譜』では、『神奈川県植物誌 2001』と同様な和名が当てられています。これが普及して標準となるのでしょうか。


ハタガヤ
Fig.13 ハタガヤ (西宮市 2015.10/5)
競争者のいない砂地で、きれいに放射状に有花茎を広げていました。
関連ページ 関西の花・ハタガヤ

クグガヤツリ
Fig.14 クグガヤツリ (西宮市 2015.10/5)
武庫川では高水敷の遊歩道脇から、水際まで広い範囲で生育しています。
関連ページ 湿生植物・クグガヤツリ

河川敷の小湿地
Fig.15 低水敷の湿地 (西宮市 2015.10/5)
所々に水と泥が溜まった氾濫によって一時的に湿地となっている場所があり、このような所では水田雑草を中心とした湿生植物が見られます。

アオガヤツリ
Fig.16 アオガヤツリ (西宮市 2015.10/5)
アオガヤツリは河川敷、干上がった溜池、水田の畦などに比較的よく見られるカヤツリグサです。
ヒメアオガヤツリやシロガヤツリ、オオシロガヤツリなどに似ていますが、小穂が2列で扁平なことと、痩果が倒卵形であることで区別できます。
関連ページ 湿生植物・アオガヤツリ

カヤツリグサ科sp.
Fig.17 カヤツリグサsp. (西宮市 2015.10/5)
この日はかつて武庫川で採集されたカンエンガヤツリを探しにきたのですが、カンエンガヤツリは見つかりませんでしたが、代わりに見たことのないカヤツリグサ科草本が見つかりました。

カヤツリグサ科sp.の詳細
Fig.18 カヤツリグサsp.の細部 (西宮市 2015.10/5)
見た目的にクグガヤツリやアゼガヤツリに少し似ていますが、葉の質感は異なり、痩果の形状は全く異なっています。基部は塊茎を脇から分けて新鞘を出しているのが特徴的です。鱗片は横から写したものです。外来種でしょうが、まだ調べ切れていません。何かご存知の方がお見えでしたらお知らせください。

ゴキヅル
Fig.19 ゴキヅル (西宮市 2015.10/5)
低水敷の高茎草本の生えている場所では、所々でゴキヅルが覆っています。
ナガエツルノゲイトウをも覆い尽くすほどの勢いで、沢山の花と果実を付けていました。
関連ページ 湿生植物・ゴキヅル

ミズヒマワリ
Fig.20 ミズヒマワリ (西宮市 2015.10/5)
大河川下流のご多聞に漏れず、ワンド状になった場所では特定外来生物に指定されているミズヒマワリが定着しています。ここでは一昨年までヤガミスゲが生えていたのですが、姿が見えず心配です。
他の草本に埋もれてしまっているだけかもしれませんが、来年の初夏に確認する必要があります。
関連ページ 湿生植物・ミズヒマワリ

訪花したアサギマダラ
Fig.21 訪花したアサギマダラ (西宮市 2015.10/5)
ミズヒマワリはチョウ類に人気のある花で、この日も十数匹のアサギマダラが訪花していました。

イヌハギ
Fig.22 イヌハギ (西宮市 2015.10/5)
河川敷や堤防、溜池土堤などに見られる半ば木本状となるマメ科植物で、すでに花期は終わり閉鎖花が果実を形成中でした。低水敷から高水敷へと移行する斜面に数個体が生育していました。
関連ページ 関西の花・イヌハギ

カワラヨモギ
Fig.23 カワラヨモギ (西宮市 2015.10/5)
これもイヌハギと同じような場所に生育しています。
マツヨイグサ類、オオブタクサ、セイバンモロコシなど、外来種の多い中でこのような在来の野草を見るとほっとします。
関連ページ 関西の花・カワラヨモギ

アブノメ
Fig.24 アブノメ (西宮市 2015.10/5)
夕方のわずかな時間に、自宅からクルマで5分ほどの体験学習水田の様子を見に行きました。
アブノメは前回久しぶりに再発見したとメモしましたが、ここでも無農薬農法により復活したようです。周辺の水田を探すと他に3枚の水田でも見つかりました。こんな足元にまあったとは!
関連ページ 湿生植物・アブノメ

アイナエ
Fig.25 アイナエ (西宮市 2015.10/5)
長らく市内で探していたアイナエが見つかりました。
しかしながら生えている場所が墓地で、同所的に必ず見られるアリノトウグサは無く、ウリクサ、ハタガヤ、小型のカヤツリグサ、コスミレ、アリアケスミレ、マツバウンラン、コニシキソウ、カタバミ、コミカンソウ、ウラジロチチコグサなどが見られ、どうも用土とともに入ってきたものと考えられます。
関連ページ 湿生植物・アイナエ

ミヤマアカネ
Fig.26 ミヤマアカネ (西宮市 2015.10/5)
昼間は忙しく飛び回るミヤマアカネも夕暮れになって草につかまって休んでいます。
西宮市内ではよく見かける種で、自宅の庭でも飛んでいるのを見かけます。

アカハナワラビ
Fig.27 アカハナワラビ (西宮市 2015.10/13)
アカハナワラビは今のところ西宮市内ではこの1個体が見られるのみで、過去に記録もありません。
年々株が充実してきて、栄養葉も大きくなり、再来年あたりには胞子葉が見れるかもと期待しています。葉が紅変する前はフユノハナワラビに似ていますが、鋸歯が尖り、表面に淡色のカスリ模様があって緑白色に見える点で区別できます。
関連ページ 関西の花・アカハナワラビ

説明板
Fig.28 武庫川渓谷の説明板 (西宮市 2015.10/13)
アカハナワラビを確認した後、武庫川渓谷に向かいました。
入り口には植物の説明板とジオラマ風の生植物の展示ができていました。
兵庫県宝塚土木事務所が作ったものですが、なぜか西宮市側にあります。

生植物の展示
Fig.29 生植物の展示 (西宮市 2015.10/13)
看板に載っていた植物が植え込まれています。木が並んでいるのは廃線の枕木を模したものですね。
画像には写っていませんが、川の部分は青い砂が敷いてあって、思わず陶器の亀の置物を置きたくなってしまいます。

ケキンモウワラビ
Fig.30 ケキンモウワラビ (西宮市 2015.10/13)
ヒメウラジロもいいのですが、こちらのほうが好みだったので撮影。

チョウセンガリヤス
Fig.31 チョウセンガリヤス (西宮市 2015.10/13)
岩場や草地に生える小さなイネ科の草本で、この周辺の河岸の岩場に沢山見られます。
まだ花序が出始めたばかりでした。
関連ページ 関西の花・チョウセンガリヤス

オガルカヤ
Fig.32 オガルカヤ (西宮市 2015.10/13)
これも岩場や草地でないと生きていけないイネ科の草本です。
市内では武庫川渓谷と北部の棚田の土手などで見られます。
関連ページ 関西の花・オガルカヤ

メガルカヤ
Fig.33 メガルカヤ (西宮市 2015.10/13)
オガルカヤと較べると岩場よりも草地のほうを好むイネ科の草本です。
あまり多くはありませんが、甲山周辺の水田の土手でも生育しています。
関連ページ 関西の花・メガルカヤ

アゼガヤツリ
Fig.34 アゼガヤツリ (西宮市 2015.10/13)
岩場の窪みに砂と湧水が溜まっていて、そこではアゼガヤツリの小群落が見られました。
関連ページ 湿生植物・アゼガヤツリ

フサナキリスゲ
Fig.35 フサナキリスゲ (西宮市 2015.10/13)
大雨が降ると冠水してしまうような河岸の岩場の隙間に生えています。
ここでは水面から1m程の岩場に生育していて、最近のゲリラ豪雨で年に何度も激流に揉まれているはずです。広い葉は本種のものではなくイネ科のもので、この個体にはまともに伸びた葉が1枚もありませんでした。頻繁な冠水によって、武庫川渓谷ではアオヤギバナよりも少なくなっています。

アオヤギバナ
Fig.36 アオヤギバナ (西宮市 2015.10/13)
アキノキリンソウに似た、渓流の岩上に特化したキク科の草本です。
茎は叢生して、岩の隙間にしっかりと根を這っています。
先のフサナキリスゲよりも1m以上高い位置に生えていて、それほど危機的状況にはなっていません。

ヒメアブラススキ
Fig.37 ヒメアブラススキ (西宮市 2015.10/13)
草地環境の消失とともに減少しつつある種ですが、武庫川渓谷では群生している場所もあります。
本来の生育場所がこのような岩場の林縁部の草地だったのかもしれません。
関連ページ 関西の花・ヒメアブラススキ

アブラススキ
Fig.38 アブラススキ (西宮市 2015.10/13)
アブラススキが遊歩道沿いに沢山見られました。
これも農地の草地土手などでよく見かけますが、やや湿った場所を好むように思います。
関連ページ 関西の花・アブラススキ

ヨメナ
Fig.39 ヨメナ (西宮市 2015.10/13)
キク科の花が道端を飾るようになり、野菊のシーズンになりました。ヨメナはどこにでも見られる野菊ですが、川沿いのためなのか、葉が他の場所のものよりも細くなっています。
関連ページ 湿生植物・ヨメナ

イナカギク
Fig.40 イナカギク (西宮市 2015.10/13)
西宮市内ではよく似たケシロヨメナよりもイナカギクのほうが多く見られます。
ケシロヨメナとは葉柄がなく、葉の基部が茎を半ば抱くことにより区別できます。
関連ページ 関西の花・イナカギク

ヤクシソウ
Fig.41 ヤクシソウ (西宮市 2015.10/13)
秋が深まったことを感じさせる花です。
葉身が羽状となるものはハナヤクシソウといい、ここでは混生していました。
関連ページ 関西の花・ヤクシソウ

ハナヤクシソウの葉
Fig.42 ハナヤクシソウの葉 (西宮市 2015.10/13)

結実したフユザンショウ
Fig.43 結実したフユザンショウ (西宮市 2015.10/13)
フユザンショウは西宮市内では武庫川渓谷で多く見られます。
サンショウに較べると香りが薄く、香辛料として使われることはないようです。
樹にはクロアゲハの幼虫が付いていました。

オオキヨズミシダ
Fig.44 オオキヨズミシダ (西宮市 2015.10/13)
本種も武庫川渓谷に多く見られるもので、やや湿った林床に見られます。
どちらかというと好石灰性で、このあたりの熔結凝灰岩には多少の石灰分が含まれているようです。
関連ページ 関西の花/シダ・オオキヨズミシダ

平野部の休耕田
Fig.45 平野部の休耕田 (西宮市 2015.10/13)
この日は2時間という中途半端な空き時間だったので、市内平野部の水田を巡りました。
今年も耕作放棄された水田が数枚ありました。
このような場所は翌年には住宅が建つか、駐車場となってしまいます。

紅葉したヒメミソハギ
Fig.46 紅葉したヒメミソハギ (西宮市 2015.10/13)
ヒメミソハギはレッドリストに入れている地方も多いのですが、西宮市内では比較的よく見かける水田雑草です。最近は外来種のホソバヒメミソハギに押されがちですが、まだまだ健在です。
関連ページ 湿生植物・ヒメミソハギ

オオシロガヤツリ
Fig.47 オオシロガヤツリ (西宮市 2015.10/13)
西宮市内では平野部の2ヶ所の限られた水田にのみ見られます。
出現個体数は年によってまちまちで、全く見られない年もあります。
もう1ヶ所のほうは、今年は全く出現しませんでした。
左の紅葉しかかっているものは外来種のホソバヒメミソハギです。
関連ページ 湿生植物・オオシロガヤツリ

オオシロガヤツリの花序
Fig.48 オオシロガヤツリの花序 (西宮市 2015.10/13)
近似種のアオガヤツリ、ヒメアオガヤツリ、シロガヤツリとは、小穂が扁平ではなく円柱状となる点で区別できます。

アメリカアワゴケ
Fig.49 アメリカアワゴケ (西宮市 2015.10/13)
ここ数年で平野部の水田や畑地に急激に広がった外来種で、今では平野部に広く見られます。
植物体は在来種のアワゴケよりもかなり小型で、群生しているとまさにコケのように見えます。
関連ページ 湿生植物・アメリカアワゴケ

ウキアゼナ
Fig.50 ウキアゼナ (西宮市 2015.10/13)
アクアリウムからの逸出により広がった外来種で、開花期が長く繁殖力旺盛です。
これも平野部の水田ではふつうに見られるようになりました。
関連ページ 湿生植物・ウキアゼナ

ウリカワ
Fig.51 ウリカワ (西宮市 2015.10/13)
ウリカワとオモダカは市内平野部では稀な水田雑草で、オモダカがあった水田は昨年宅地化され無くなりました。ウリカワは1ヶ所の水田にのみ生き残っています。
両種ともに北部の水田ではふつうに見られます。
関連ページ 湿生植物・ウリカワ

コイヌガラシ
Fig.52 コイヌガラシ (西宮市 2015.10/13)
淡路島や播磨地方では溜池畔でよく見かけますが、西宮市内では初見で過去に記録もありませんでした。イネの耕作後は冬の葉物野菜を裏作する水田に生育していました。市内の水田では稲刈り後から裏作耕起前のわずかな間にしか見つけられないのかもしれません。
関連ページ 湿生植物・コイヌガラシ

エビモ
Fig.53 エビモ (西宮市 2015.10/13)
西宮市内では水路内を徹底的に底浚いして掃除している場所が多く、小河川を除いては水草があまり見られません。エビモは普通種ですが、市内の水路で見つけると嬉しくなります。
関連ページ 沈水植物・エビモ

ホザキノフサモ
Fig.54 ホザキノフサモ (西宮市 2015.10/13)
いつもは水量が一杯で中に入れなかった水路が減水していたので、長靴で降りて調べると本種が見つかりました。古い時代から武庫川からの水を導水している水路で、ホザキノフサモは武庫川本流ではすでに見られなくなった水草です。西宮市内では初見で、過去に記録もありませんでした。
関連ページ 沈水植物・ホザキノフサモ

ヤブミョウガ
Fig.55 ヤブミョウガ (西宮市 2015.10/13)
ヤブミョウガは平野部では社寺林内に生き残っています。
ここもそのような社寺林で、他にノシラン、ヤブラン、オオバジャノヒゲなどが残存していました。

アキノキリンソウ
Fig.56 アキノキリンソウ (西宮市 2015.10/18)
この日はシダの観察会があり県内新産を含めて珍しいシダを沢山見て、頭が飽和状態となるほどでした。帰途、まだ夕暮れまで時間があったので、見慣れた市内北部の里山に立ち寄って頭をクールダウン。アキノキリンソウは先に見たアオヤギバナに較べると株立ちしないので、素朴な花に見えます。
関連ページ 関西の花・アキノキリンソウ

コウヤボウキ
Fig.57 コウヤボウキ (西宮市 2015.10/18)
コウヤボウキも林縁のあちこちで開花し始めています。
西宮市内のものは白味の強い花をつけるものが多いです。
関連ページ 関西の花・コウヤボウキ

キクバヤマボクチ
Fig.58 キクバヤマボクチ (西宮市 2015.10/18)
里山の林縁でよく見かける草本で、花は渋い色調ながらなかなか魅力的です。
近縁のハバヤマボクチ、ヤマボクチは市内では見たことがありません。
関連ページ 関西の花・キクバヤマボクチ

サルトリイバラ
Fig.59 結実したサルトリイバラ (西宮市 2015.10/18)
サルトリイバラの結実したばかりの果実は薄っすらと白い粉を吹いて、実に美しいものです。

リンドウ
Fig.60 リンドウ (西宮市 2015.10/18)
長く伸びて地表に倒伏したリンドウが開花し始めていました。
関連ページ 関西の花・リンドウ

センブリの花
Fig.61 センブリ (西宮市 2015.10/18)
リンドウが開花しているなら、センブリも開花してるはずとあたりを探すと、開花中のものがちらほらと見つかりました。よく見ると、手前の花の上にとても小さなイモムシが2匹上がって、蜜腺溝の脇に生えた毛をかじっているようです。
関連ページ 関西の花・センブリ

フユノハナワラビ?
Fig.62 フユノハナワラビ? (西宮市 2015.10/18)
フユノハナワラビだけは確証を持てないので「?」をつけざるを得ません。
ここのものは胞子嚢が弾けはじめているようで、触ると胞子が少し飛散しました。
関連ページ 関西の花/シダ・フユノハナワラビ?

ムツオレグサ
Fig.63 ムツオレグサ (西宮市 2015.10/18)
ムツオレグサはふつう春~初夏に開花結実しますが、秋に花序を上げているのもよく見かけます。
充分に生育している個体では秋にも出穂するのでしょう。
関連ページ 湿生植物・ムツオレグサ

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category: 西宮の自然

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9月のフィールドで 水辺の植物など 

 9月の中~後半の水辺周辺で観察した草本のメモです。
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ダム湖の水辺
Fig.1 山間のダム湖の水際 (兵庫県丹波地方 2015.9/14)
休耕田があった場所に小規模なダムが造られ、その湖岸に湿生植物が繁茂していました。
なにかありそうな雰囲気なので、周辺を探査しました。

ヘラオモダカ
Fig.2 ヘラオモダカ (兵庫県丹波地方 2015.9/14)
水際にはヤノネグサやイグサに混じってヘラオモダカが数多く見られました。
周辺には他にヒロハイヌノヒゲ、ニッポンイヌノヒゲ、アイバソウなどが見られました。
関連ページ 湿生植物・ヘラオモダカ

ミズオオバコ
Fig.3 ミズオオバコ (兵庫県丹波地方 2015.9/14)
休耕田に眠っていた埋土種子が発芽したものと考えられます。
休耕田では見られなかったもので、増えてくれると嬉しいのですが。
関連ページ 沈水植物・ミズオオバコ

ヒロハトリゲモ群落
Fig.4 群生するヒロハトリゲモ(サガミトリゲモ) (兵庫県丹波地方 2015.9/14)
これも休耕田だった頃には見られなかったもので、埋土種子が発芽して広がったものでしょう。
この地方ではかなり稀なものです。周囲の浮葉植物はホソバミズヒキモです。
関連ページ 沈水植物・ヒロハトリゲモ
関連ページ 浮葉植物・ホソバミズヒキモ

ヒロハトリゲモ:葉鞘と種子
Fig.5 ヒロハトリゲモの葉鞘と種子 (兵庫県丹波地方 2015.9/14)
葉鞘は突出せず、種子表面には明瞭な格子模様があるのが本種の特徴です。
過日報告したトリゲモは葯室数を確認せねばならず、それに較べると同定は楽なものです。

ニッポンイヌノヒゲ
Fig.6 ニッポンイヌノヒゲ (兵庫県丹波地方 2015.9/14)
ダムの上流にある溜池に行くと、岸辺で群生しているニッポンイヌノヒゲが開花していました。
関連ページ 湿生植物・ニッポンイヌノヒゲ

ニッポンイヌノヒゲの頭花
Fig.7 ニッポンイヌノヒゲの頭花 (兵庫県丹波地方 2015.9/14)
よく似たイヌノヒゲとは花弁の先端に白色棍棒状毛がないことにより区別できます。

キクモ、ヒメホタルイ
Fig.8 沈水形のキクモとヒメホタルイ (兵庫県丹波地方 2015.9/14)
浅瀬ではヒメホタルイの群落が広がり、キクモ、サワトウガラシ、アゼナが沈水状態で生育しています。
関連ページ 湿生植物・キクモ
関連ページ 湿生植物・ヒメホタルイ

ミズニラ群落
Fig.9 水中のミズニラ群落 (兵庫県丹波地方 2015.9/14)
この溜池は土砂の大量流入による流れ込み部の整地と、下流のダム建設のため長期水抜きされて、ここで生育していたミクリsp.は消滅してしまいましたが、ミズニラはその影響をあまり受けず、規模こそ小さくなったものの健在でした。
関連ページ 沈水植物・ミズニラ

フラスコモsp.
Fig.10 フラスコモsp. (兵庫県丹波地方 2015.9/14)
池の深い場所ではホソバミズヒキモとともにフラスコモsp.が群生しています。

フラスコモsp.の拡大
Fig.11 フラスコモsp.の拡大 (兵庫県丹波地方 2015.9/14)
輪生枝の分枝の仕方や最終枝の形態からトゲフラスコモに近いものと解りましたが、雌器(右)内の卵胞子は熟しておらず、現在水槽内で卵胞子が熟すのを待っています。

ミゾソバの花
Fig.12 ミゾソバの花 (兵庫県丹波地方 2015.9/14)
岸辺で鮮やかに開花しているのに惹かれてコンデジの顕微鏡モードで撮影。
アザミウマが花粉を求めて訪花していました。
関連ページ 湿生植物・ミゾソバ

水抜きされた溜池
Fig.13 水抜きされた溜池 (兵庫県丹波地方 2015.9/22)
丹波地方では水抜きされる溜池は少ないのですが、この溜池は数年前から水抜きされるようになりました。時期的には早いかもしれませんが、降りて調べてみました。

溜池底のカヤツリグサ科草本
Fig.14 水抜きされた溜池のカヤツリグサ科草本 (兵庫県丹波地方 2015.9/22)
期待通り数種のカヤツリグサ科草本が見られ、メアゼテンツキが最も多く群生していました。
関連ページ 湿生植物・メアゼテンツキ

ヒメアオガヤツリ
Fig.15 ヒメアオガヤツリ (兵庫県丹波地方 2015.9/22)
痩果はまだ多少未熟でしたが、稜には翼がなく、ヒメアオガヤツリと同定しました。
丹波地方ではアオガヤツリとともに溜池に点在しています。
よく似たシロガヤツリは丹波地方ではまだ確認していません。
関連ページ 湿生植物・ヒメアオガヤツリ

アオテンツキ
Fig.16 アオテンツキ (兵庫県丹波地方 2015.9/22)
丹波地方では初めて見るもので、これまでも記録はなく、兵庫県では最も北に生育する集団です。
関連ページ 湿生植物・アオテンツキ

ミズタネツケバナ?
Fig.17 ミズタネツケバナ? (兵庫県丹波地方 2015.9/22)
印象としてはミズタネツケバナのように見えるのですが、アキノタネツケバナというものかもしれません。課題とせねばと思っているのですが、まだ手をつけていません。
関連ページ 湿生植物・ミズタネツケバナ
関連ページ 湿生植物・アキノタネツケバナ?

ツリフネソウ
Fig.18 ツリフネソウ (兵庫県丹波地方 2015.9/22)
山間の休耕田ではツリフネソウが覆いつくした大群生が見られました。
これも数年経てば遷移してセイタカアワダチソウやクズに覆われて消滅するのでしょう。
関連ページ 湿生植物・ツリフネソウ

サワギキョウとサワヒヨドリ
Fig.19 サワギキョウとサワヒヨドリ (兵庫県丹波地方 2015.9/22)
湧水の流入により湿地化した休耕田では、秋の野草の花畑となっていました。
足元ではタチカモメヅルが地味な花を開き、アギナシは結実していました。
関連ページ 湿生植物・サワギキョウ
関連ページ 湿生植物・サワヒヨドリ

耕起された管理休耕田
Fig.20 耕起された湛水休耕田 (京都府中丹地方 2015.9/28)
この日は中丹地方の河川に沿って点在する氾濫原水田を見て廻りました。
耕起されている管理休耕田ではいろいろな水田雑草が生育して賑やかです。
ここではヒメミズワラビとアブノメが特に目立っていました。
関連ページ 湿生植物・ヒメミズワラビ
関連ページ 湿生植物・アブノメ

シソクサ
Fig.21 シソクサ (京都府中丹地方 2015.9/28)
休耕田も1枚1枚個性というものがあって、種組成が異なっています。
この休耕田ではFig.20とは違って、ヒメミズワラビとシソクサが大群生していました。
関連ページ 湿生植物・シソクサ

刈り取り後の水田
Fig.22 刈り取り後の水田 (京都府中丹地方 2015.9/28)
刈り取り後の見通しの良くなった水田は水田雑草のつかの間の観察適地となります。
画像ではスズメハコベ、サワトウガラシ、キクモ、イヌミゾハコベが見えますが、他にアブノメ、マルバノサワトウガラシも点々と生育していました。
関連ページ 湿生植物・スズメハコベ
関連ページ 湿生植物・サワトウガラシ
関連ページ 湿生植物・イヌミゾハコベ

ウシクサ
Fig.23 ウシクサ (京都府中丹地方 2015.9/28)
氾濫原から谷へと続く境界に溜池があり、その土堤上にウシクサが群生していました。
探すとなかなか見つからないけど、ふとした機会に出会うような草です。
関連ページ 湿生植物・ウシクサ

category: 湿地・溜池

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9月のフィールドで 花・シダなど 

 9月上旬は雨にたたられ、西宮市内以外では1日だけほんの少し遠出ができたくらいでした。
 9月のまとめは花やシダ類と、溜池・湿地・水田のものとの2つに分けて掲載することにします。
*画像クリックで、別ウィンドで表示されます。
FC2ブログの仕様が変わったのか、リンク先で大きな画像が表示されなくなってしまいました。
大きな画像(1024×768)を見る時は、リンク先の画像を別のウインドかタブで表示してください。


ヤマジノホトトギス
Fig.1 ヤマジノホトトギス (兵庫県丹波地方 2015.9/10)
すでに8月半ばには但馬の高原で開花していましたが、丹波地方ではそれよりも3週ほど遅れて開花全盛となりました。この地域の山麓ではごくふつうに見られます。

ギンリョウソウモドキ
Fig.2 ギンリョウソウモドキ(アキノギンリョウソウ) (兵庫県丹波地方 2015.9/10)
林縁から林床にかけて、この時期にはあちこちでギンリョウソウモドキが見られます。
兵庫県内では広い範囲で比較的ふつうに見られます。

アカハナワラビ
Fig.3 アカハナワラビ (兵庫県丹波地方 2015.9/10)
アカハナワラビが胞子葉を開きつつありました。
この頃の葉はまだ紅変しておらず、淡色のカスリ模様が入ることから緑白色に見えます。
関連ページ 関西の花/シダ・アカハナワラビ

チチアワタケ
Fig.4 チチアワタケ (兵庫県丹波地方 2015.9/10)
むかしは食用とされていて、実際に食べたこともあり、それなりに美味しいものなのですが、最近では地域によっては有毒のものもあるとされています。手を出さないのが無難でしょう。
傘の裏には管孔があり、黄白色の乳汁を分泌します。また柄の表面には細粒があります。

ヒメホウキタケ
Fig.5 ヒメホウキタケ (兵庫県丹波地方 2015.9/10)
アカマツの枯れ木によく出てくる小さなホウキタケです。

ヒメムカゴシダ自生地調査
Fig.6 ヒメムカゴシダ自生地調査 (兵庫県某所 2015.9/14)
ヒメムカゴシダ自生地保護のための前調査に参加しました。
近縁のオオフジシダと自生環境がやや異なり、岩上よりも林床の腐植土上に多く生育しています。
シカの食害を避けるため、分布密度の濃い2ヶ所に柵をつくることになりました。
スケールで囲っている部分に柵が張られます。

ヒメムカゴシダ
Fig.7 ヒメムカゴシダ (兵庫県某所 2015.9/14)
オオフジシダに似ますが、より大型となり、中軸と羽軸の交点にムカゴをつくるのが特徴です。
兵庫県ではこの斜面と、一つ下の谷筋にのみ生育しています。

ヒメムカゴシダのムカゴ
Fig.8 ヒメムカゴシダのムカゴ (兵庫県某所 2015.9/14)
こんなふうにムカゴをつけるシダは関西では本種しかなく、不思議な光景にも見えます。
ムカゴは付けていますが、未成熟な葉が多く、葉裏にソーラスはほとんど見られませんでした。

アケボノソウ
Fig.9 アケボノソウ (兵庫県某所 2015.9/14)
調査は早い時間に終わり解散となったので、丹波地方のハナワラビ類定点観察地を見に行くことに。
山を下る途中の沢筋ではシカの不嗜好植物のアケボノソウが満開でした。
関連ページ 湿生植物・アケボノソウ

オオヒメワラビ
Fig.10 オオヒメワラビ (兵庫県某所 2015.9/14)
アケボノソウが生える沢に接した排水路の壁面に生育して、シカの食害から免れているようです。
ソーラスが未発達でしたが、葉柄には線形で褐色の鱗片があり、羽軸は無毛なのでオオヒメワラビだと思います。
関連ページ 関西の花/シダ・オオヒメワラビ

モトマチハナワラビ
Fig.11 モトマチハナワラビ (兵庫県丹波地方 2015.9/14)
ここでは植林地の林床に成熟したモトマチハナワラビが20個体前後生育し、他にオオハナワラビとアカハナワラビが混生しています。
濃い緑色の葉は前年葉、明るい緑色の葉は今年の秋に胞子葉とともに出た栄養葉です。
中には一昨年の秋に出た、さらに古い3枚の栄養葉を持つものも見られます。
関連ページ 関西の花/シダ・モトマチハナワラビ

ホソバオオハナワラビ(仮称)
Fig.12 ホソバオオハナワラビ(仮称) (兵庫県丹波地方 2015.9/14)
ハナワラビ類混生地であるため、このような栄養葉を持つものも出現します。
モトマチハナワラビとオオハナワラビの中間的なもののように見えます。

クサアジサイ
Fig.13 クサアジサイ (兵庫県丹波地方 2015.9/14)
林床ではあちこちでクサアジサイが開花していました。
紅色を強く帯びた美しい集団でした。

ナンバンハコベ
Fig.14 ナンバンハコベ (兵庫県丹波地方 2015.9/14)
既に開花が終わって沢山果実をつくっていましたが、日陰部分ではまだ開花中の花がありました。
何度見ても不思議な形をした花だと思います。

ヒトツバハギ
Fig.15 ヒトツバハギ (兵庫県丹波地方 2015.9/14)
日当たり良い林道脇の草地斜面でヒトツバハギが雌花を開花中でした。
広く薄く分布している低木で、丹波地方でも点々と生育しているのを見かけます。
近くには雄株が見当たりませんが、結実するのでしょうか?

イヌショウマ群落
Fig.16 イヌショウマ (兵庫県丹波地方 2015.9/22)
放棄されたクリ園の林床で群生しています。
なかなか結構な眺めですが、花の蜜を求めてキイロスズメバチが飛び交っていて、ちょっとスリリングです。

イヌショウマの花序
Fig.17 イヌショウマの花序 (兵庫県丹波地方 2015.9/22)
大きな個体では中軸から沢山の枝を分けて花をつけ、重みのあまり倒伏気味になっているものも。

訪花したメスグロヒョウモン
Fig.18 訪花したメスグロヒョウモン (兵庫県丹波地方 2015.9/22)
酷暑の盛夏の間に夏眠していたヒョウモンチョウ類も再び活動を始めたようです。
雌雄ともに数多くの個体が吸蜜に訪れていました。

ナガバノヤノネグサ
Fig.19 ナガバノヤノネグサ (兵庫県丹波地方 2015.9/22)
林床にはイヌショウマとともにナガバノヤノネグサが数多く見られました。
イヌタデ属の中では花序の花数も少なく、最も目立たない種でしょう。
他に周辺ではコモチイラクサ、ヤマトキホコリ、ヤマミズなどのイラクサ科草本が目立ちました。
関連ページ 関西の花・ナガバノヤノネグサ

ホソミオツネントンボ
Fig.20 ホソミオツネントンボ (兵庫県丹波地方 2015.9/22)
林内ではイトトンボの仲間が飛び回っていたので、止まったところを観察するとオツネントンボの仲間でした。これは前翅と後翅の縁紋が重なっているのでホソミオツネントンボのほうです。
成虫で越冬し、春になると鮮やかな水色に体色が変化します。
一方、オツネントンボのほうは越冬しても体色は変化せず、褐色のままです。

ツチアケビの果実
Fig.21 ツチアケビの果実 (兵庫県阪神地方 2015.9/29)
これまでマトモに撮影してこなかったヒキオコシの撮影に里山を訪ねました。
途中の林内では赤い果実をぶら下げたツチアケビが点々と見られました。
最近になってツチアケビは鳥によって種子散布されていることが明らかになりました。
リンク:光合成をやめたラン科植物ツチアケビにおける鳥による種子散布
関連ページ 関西の花・ツチアケビ

セトウチホトトギス
Fig.22 セトウチホトトギス (兵庫県阪神地方 2015.9/29)
このあたりではヤマジノホトトギスに代わって、セトウチホトトギスが生育しています。
開花期はヤマジノホトトギスよりも2週間ほど遅く、9月下旬が最盛期です。

ヤマジノホトトギスとセトウチホトトギスの花
Fig.23 ヤマジノホトトギスとセトウチホトトギスの花 (兵庫県丹波地方・阪神地方)
左がヤマジノ~、右がセトウチ~で、花披片下部が黄色となり、花柱や花糸に紫班があるのがセトウチ~です。花のある時期は区別は容易ですが、それ以外の時期ではなかなか区別の難しいものです。
一般にセトウチホトトギスのほうが毛深く、葉面に光沢があるものが多いように思います。
兵庫県内のこの仲間では、他にタマガワホトトギスが但馬地方の高所に、ヤマホトトギスがわずかに淡路島に生育しています。

ヒキオコシ
Fig.24 ヒキオコシ (兵庫県阪神地方 2015.9/29)
草体が大きくて全体が捉え辛く、なかなかカメラの向かない草本です。
大抵は全体を収めきれず、花序部を撮影してお茶を濁してしまい、今回もまたそうなってしまいました。適度に草刈りされるような場所のほうが、まとまりのよい画像が撮れるのかもしれません。

ヒキオコシの花
Fig.25 ヒキオコシの花 (兵庫県阪神地方 2015.9/29)
遠景では花の様子が分からないので、花のアップの画像がどうしても必要になります。

シロバナヒキオコシ
Fig.26 シロバナヒキオコシ (兵庫県阪神地方 2015.9/29)
通常のヒキオコシに混じって紫班を欠き白色の白花品が数個体生育していました。
群落の中では比較的出現率が高そうです。
ところで、ヒキオコシの品種としてシロバナヒキオコシ(f. albidus)とシロヒキオコシ(f. albiflorus)とがありますが、同じものなのでしょうか?

シロバナアキノタムラソウ
Fig.27 シロバナアキノタムラソウ (兵庫県阪神地方 2015.9/29)
すぐ近くではアキノタムラソウの白花品も見られました。これもよく見かけます。
シロバナ繋がりで掲載しておきます。
関連ページ 関西の花・アキノタムラソウ

ツルニンジン
Fig.28 ツルニンジン (兵庫県阪神地方 2015.9/29)
林縁のススキの茂った斜面ではツルニンジンが開花中でした。
だいたい下向きに咲くので、下から花を捉えた画像が欲しくなります。

ツルニンジンの花
Fig.29 ツルニンジンの花 (兵庫県阪神地方 2015.9/29)
葯は花粉を放出して、一部の葯は落下し、柱頭が開いて雌性期になっていました。

コシオガマ
Fig.30 コシオガマ (兵庫県阪神地方 2015.9/29)
棚田の斜面ではコシオガマのお花畑が満開になっていました。
周囲には大株のナキリスゲが点在していて、ここではこれらに半寄生しているようです。
寄生されたほうのナキリスゲは大株ですが草丈は低く、ちょっと気の毒になります。

果実期のカセンソウ
Fig.31 果実期のカセンソウ (兵庫県阪神地方 2015.9/29)
花の終わった果実形成期のカセンソウが棚田の土手で夕暮れの秋風に揺れていました。

チチタケ
Fig.32 チチタケ (兵庫県阪神地方 2015.9/29)
キノコ類の少ない里山でしたが、季節外れのチチタケがまとまって発生していました。
いいダシの出るキノコで、持ち帰ってナスとともに油で炒める定番料理にしました。
食感はボソボソしていていま一つですが、甘味と旨味タップリの極上のダシが出ます。
柄は中実で堅くしまっており、傘の表面はビロード状、傷をつけると白い乳汁が噴出し、傷つけた箇所は後に褐色となります。

category: 9月の花

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