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Satoyama, Plants & Nature

西宮の里山で 

 9月の前半はタイミング悪く、時間のある時にはなぜか雨にたたられて、あまりフィールドに出れませんでした。そんな中、わずかな空き時間に身近な西宮市内の里山や低山を歩きました。
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水田雑草群落
Fig.1 山麓の水田の水田雑草群落 (西宮市 2015.8/23)
これまで見落としていた場所の水田を覗いてみると、水田雑草の楽園になっていました。

アブノメ群落
Fig.2 アブノメ (西宮市 2015.9/4)
西宮市では2006年に休耕田で見て以来の9年ぶりの再発見です。
絶滅したかもと思っていましたが、ここではまさに雑草のごとく群生していました。
関連ページ 湿生植物・アブノメ

ホシクサ
Fig.3 ホシクサ (西宮市 2015.9/4)
ホシクサはこれまで西宮市内では未記録でした。
以前、2つ隣の水田までは調べていましたが、こんな中途な水田にあるとは思いもしませんでした。
やはり一つ一つ丹念に調べていかないと見落としがあるようですね。
関連ページ 湿生植物・ホシクサ


ホシクサ群落
Fig.4 ホシクサの群落 (西宮市 2015.9/4)
沢山生えていて、見るだけでお腹一杯になります。

ミズマツバ
Fig.5 ミズマツバ (西宮市 2015.9/4)
ミズマツバもよく育ったものが沢山生育していました。
西宮市内では5ヶ所目の自生地になります。
関連ページ 湿生植物・ミズマツバ

ヒメミソハギなど
Fig.6 ヒメミソハギなど (西宮市 2015.9/4)
他にキカシグサ、サワトウガラシ、アゼナ、タケトアゼナ、トキンソウ、ミゾカクシ、セリ、コナギ、ウリカワ、オモダカなどの常連組ももちろん生育しています。
関連ページ 湿生植物・ヒメミソハギ


ミヤマウズラ
Fig.7 ミヤマウズラ (西宮市 2015.9/4)
キノコ目当てに森に入ると、ミヤマウズラが点々と開花していました。
このあたりでは普通に見られますが、初めて細部をじっくりと観察しました。

マンネンタケ
Fig.8 マンネンタケ (西宮市 2015.9/4)
大きなマンネンタケが1本単独で生えていました。
コバノミツバツツジが生長する過程で取り込まれてしまったようです。

ナラタケモドキ
Fig.9 ナラタケモドキ (西宮市 2015.9/4)
この時期の雑木林ではどこに行っても生えています。
美味しいキノコですが、消化に悪いようで多食は禁物。
2株だけ持ち帰って味噌汁の具にしました。

ベニヤマタケ
Fig.10 ベニヤマタケ (西宮市 2015.9/4)
小さなキノコですが、鮮やかな赤色がまるで森の中の宝石のようです。

テングタケ属
Fig.11 テングタケ属 (西宮市 2015.9/4)
ガンタケ?あるいはテングタケダマシあたりでしょうか。
前日の雨で傘の色が薄くなり、傘の上のつぼのかけらもかなり落ちています。

ヤマドリタケモドキ
Fig.12 ヤマドリタケモドキ (西宮市 2015.9/4)
お目当てのキノコ。非常に美味しいキノコでイグチの仲間です。
これは翌日自家製アンチョビとともにパスタの具材としました。
この日は短い探索でしたが、ホシクサ、アブノメ、そしてこのキノコと収穫の多い日でした。

シロバナツリガネニンジン
Fig.13 シロバナツリガネニンジン (西宮市 2015.9/8)
ツリガネニンジンとしていますが、サイヨウシャジンのほうかもしれません。
かろうじて残っているキキョウを見に行ったところ、すぐ近くの土手に生育していました。
タムラソウが残っている溜池土堤は草刈りされており、今年は花が見れませんでした。
関連ページ 関西の花・ツリガネニンジン

ハデフラスコモ
Fig.14 溜池のハデフラスコモ (西宮市 2015.9/8)
来るたびに卵胞子をつけていないか見るのですが、相変わらず卵胞子は見られませんでした。
この日はこの後雨脚が強くなり、この1ヶ所を見ただけで終わりとなりました。

ハデフラスコモ拡大
Fig.15 ハデフラスコモ (西宮市 2015.9/8)
生殖器官をつける結実枝が分化し、終端細胞(右画像)の根元がくびれてソーセージ状になるのが特徴。

ハタガヤ
Fig.16 ハタガヤ (西宮市 2015.9/11)
この日は午後遅くから自宅にほど近い甲山から五ヶ池方面を歩きました。
ハタガヤは西宮市では香枦園浜に群生していますが、神呪寺の境内にも群生が見られます。
関連ページ 関西の花・ハタガヤ


キクバナイグチ
Fig.17 キクバナイグチ (西宮市 2015.9/11)
この日も雑木林では沢山のキノコが見られました。
キクバナイグチは見た目的にアレで、しかも触ると青変するので敬遠されがちですが、食菌でしかもなかなか美味。当然、持ち帰って煮付けにして食べました。

オニシロタケ
Fig.18 オニシロタケ (西宮市 2015.9/11)
どこの山でもよく見かける、多分テングタケ属なので毒キノコなのでしょうが、これくらいのものは可愛くてついカメラを向けてしまいます。
それにしても、関西にはシラカバがないのでベニテングタケが見れないのが残念。

キヒダタケ
Fig.19 キヒダタケ (西宮市 2015.9/11)
遊歩道の切り通しの壁面には、小さなキヒダタケが沢山でていました。
イグチの仲間であるにも関わらず、傘の裏は管孔ではなくヒダがあります。
他にテングタケ、ガンタケ、ベニウスタケ、ヒメコウジタケ、アカヤマドリ、ドクベニタケ、ツチカブリ、ノウタケなど、沢山のキノコが見られました。

甲山湿原
Fig.20 甲山湿原 (西宮市 2015.9/11)
甲山湿原も覗いてみました。西宮市の天然記念物、生物特別保護地域となっていて、周囲を柵で囲まれていますが双眼鏡などで観察できます。
画像はコンデジの望遠で撮影したもので不明瞭な画像で何が何だか解りづらいかもしれません。
手前の湿原周縁部にはヌマガヤ、カモノハシが見えており、核心部の明るい緑色の部分はケシンジュガヤ、緑色部分はコイヌノハナヒゲ群落からなっています。

サワシロギク
Fig.21 サワシロギク (西宮市 2015.9/11)
湿原周辺の遊歩道脇の小湿地にヌマガヤやアブラガヤ、イヌノハナヒゲなどとともに生育しています。
花崗岩や溶解凝結岩が基岩として大部分を占める西宮市では貧栄養地が多く、これらの種はどれもふつうに見られます。
関連ページ 湿生植物・サワシロギク


ガガイモ
Fig.22 ガガイモ (西宮市 2015.9/11)
仁川の広河原では氾濫原でガガイモが開花全盛を迎えていました。
氾濫原ではツル性植物があちこちで覇を競っています。

ママコノシリヌグイ
Fig.23 ママコノシリヌグイ (西宮市 2015.9/11)
これも氾濫原を大きな規模で覆っています。
こういった環境では近縁のイシミカワもよく出てきますが、ここでは見られませんでした。
関連ページ 湿生植物・ママコノシリヌグイ

センニンソウ
Fig.24 センニンソウ (西宮市 2015.9/11)
ここでのツル性植物の3傑は上記2種とこのセンニンソウでした。
花をぶち撒いたように広がっていました。

バッドランドの小湿地
Fig.25 バッドランドの小湿地 (西宮市 2015.9/11)
このあたりの低山は花崗岩が風化されて、肥沃な表土のない、貧栄養なバッドランドが見られます。
周囲はハゲ山状で、起伏がゆるやかな窪みには非常に肌理の細やかなシルト状の砂が溜まって貧栄養な小湿地ができ、多くの場所ではイヌノハナヒゲ、コイヌノハナヒゲが優占しています。

イガクサ
Fig.26 イガクサ (西宮市 2015.9/11)
イガクサは西宮市内では自生地が少なく、今のところ2ヶ所でしか見ていません。
この場所は6年前に生育を確認しましたが、まだ健在でした。
関連ページ 湿生植物・イガクサ


イトハナビテンツキ
Fig.27 イトハナビテンツキ (西宮市 2015.9/11)
イトハナビテンツキは播磨地方など兵庫県西部ではごく普通に見られます。しかし西宮市内では稀で、これまで1ヶ所で確認しただけでしたが、これで2ヶ所目の自生地を確認できました。
現在、西宮市内でウシクサ、ヒゲシバ、アイナエを探しているのですが、なかなか見つかりません。
関連ページ 湿生植物・イトハナビテンツキ

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category: 西宮の自然

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8月下旬の溜池・湿地など 

 前回に続いて、8月下旬のメモを大急ぎで。この時期は時節柄、湿生・水生植物がほとんどとなりました。
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カガシラ
Fig.1 カガシラ (兵庫県播磨地方 2015.8/23)
観察会の帰途、昨年堤体改修が行われた溜池の稀少種の様子を見に行ってきました。
流れ込み部分に群生しているカガシラは足の踏み場もないくらいに群生しており、健在でした。
関連ページ 湿生植物・カガシラ

ヒナノカンザシ
Fig.2 ヒナノカンザシ (兵庫県播磨地方 2015.8/23)
同じ池に生育していたヒナノカンザシも若干個体数は減ったものの健在でした。
関連ページ 湿生植物・ヒナノカンザシ

ミズスギ
Fig.3 ミズスギ (兵庫県播磨地方 2015.8/23)
トウカイコモウセンゴケとミズスギが群生していた墓地の土手に行ってみましたが、護岸されて消滅していました。どこかに残っていないかと周辺を探すと、墓地の上部の法面の草地で両種ともに少数ながら見つかりました。
関連ページ 湿生植物・ミズスギ

マネキシンジュガヤ
Fig.4 マネキシンジュガヤ (兵庫県播磨地方 2015.8/23)
法面の上はイノシシの撹乱の多い裸地があり、一部は湿地となってイヌノハナヒゲ、イトイヌノハナヒゲ、ヒメカリマタガヤなどとともにマネキシンジュガヤが多数生育していました。
関連ページ 湿生植物・マネキシンジュガヤ

水田雑草群
Fig.5 稀少な水田雑草群 (兵庫県摂津地方 2015.8/27)
この日は丹波地方に気になっている草本類を見に出掛けました。
その行きがけに覗いた水田では、スブタ、ヤナギスブタ、ミズオオバコ、イトトリゲモが見られました。ここは湧水でも流入しているのか、まだ開花しているものは見られませんでした。
関連ページ 沈水植物・スブタ
関連ページ 沈水植物・ヤナギスブタ
関連ページ 沈水植物・ミズオオバコ
関連ページ 沈水植物・イトトリゲモ

コンダアブラガヤ
Fig.6 コンダアブラガヤ(仮称) (兵庫県丹波地方 2015.8/27)
コマツカサススキとアイバソウの混生地に見られる推定種間雑種です。
画像の下方には片親であるコマツカサススキが見られます。
関連ページ 湿生植物・コマツカサススキ
関連ページ 湿生植物・アイバソウ

花粉の比較
Fig.7 コンダアブラガヤとアイバソウの花粉 (兵庫県丹波地方 2015.8/27)
左がコンダアブラガヤ、右がアイバソウの花粉です。
コンダアブラガヤの花粉は中身が空だったり、凹んだりしており、葯をカバーグラス上から強く押しても葯壁に引っ付いていて、ほとんど外側に出てきません。花粉はほとんど不稔だと考えられます。

ヒツジグサとイヌタヌキモ
Fig.8 ヒツジグサとイヌタヌキモ (兵庫県丹波地方 2015.8/27)
昨年に続いて、今年も水草類の開花期に降雨日が多く、水草の花は不作です。
この池のものはイヌタヌキモですが、近隣の池に生育する葉上にクローンをつくるタヌキモsp.は開花が見られませんでした。
関連ページ 浮葉植物・ヒツジグサ
関連ページ 浮遊植物・イヌタヌキモ

キガンピ
Fig.9 キガンピ (兵庫県丹波地方 2015.8/27)
溜池の縁で満開を迎えていました。ガンピやコガンピよりも湿った場所に生育する湿生の小低木です。
関連ページ 湿生植物・キガンピ

サギソウ群落
Fig.10 サギソウ群落 (兵庫県丹波地方 2015.8/27)
今年は各所でサギソウの花が多く、当たり年のようです。
関連ページ 湿生植物・サギソウ

ママコナ
Fig.11 ママコナ (兵庫県丹波地方 2015.8/27)
林縁ではあちこちでママコナの紅色の花が目立ちます。
半寄生植物とされており、周辺のネザサにでも寄生しているのでしょう。
関連ページ 関西の花・ママコナ

トリゲモ
Fig.12 トリゲモ (京都府中丹地方 2015.8/28)
3年がかりでようやくトリゲモと判りました。mst-kyさんも別の溜池で見つけておられ、京都には2ヶ所の自生地があることになります。
お隣の京都に2ヶ所もあるのなら、兵庫県にあってもおかしくはありません。
丹波地方から播磨東部にかけての溜池のトリゲモ類を、改めて精査してみたいと思います。

トリゲモの雄花
Fig.13 トリゲモの雄花 (京都府中丹地方 2015.8/28)
雄花は苞鞘に包まれ、葯は1室です。近縁のオオトリゲモは葯が4室となります。

休耕田の湿生草本
Fig.14 休耕田の草本 (京都府中丹地方 2015.8/28)
現在観察継続中の氾濫原の水田地帯にも立ち寄ってみました。
休耕田はオニガヤツリ、タコノアシ、ミソハギなどで賑やかでした。
関連ページ 湿生植物・オニガヤツリ
関連ページ 湿生植物・タコノアシ
関連ページ 湿生植物・ミソハギ

スズメハコベ群落
Fig.15 スズメハコベ群落 (京都府中丹地方 2015.8/28)
最近の降雨によって湛水状態となった水田から一斉にスズメハコベが発芽生育し、絨毯状の群落をつくっていました。この休耕田は春にノニガナやコタネツケバナが見られた場所で、現在は他にアブノメ、ヒメミソハギが見られます。
関連ページ 湿生植物・スズメハコベ・スズメノハコベ

ハッカ
Fig.16 ハッカ (京都府中丹地方 2015.8/28)
休耕田や用水路脇に点在していました。
兵庫県の丹波地方に見られる、茎が細く紫色を帯びるものと同タイプのハッカです。
兵庫県南部ではあまり毛深くなく、茎が太く緑色のハッカが見られます。
関連ページ 湿生植物・ハッカ

ヒシモドキ
Fig.17 ヒシモドキ、ヒシ、オニバス (兵庫県播磨地方 2015.8/30)
ヒシモドキ自生地に花後の果実の様子を見に出掛けました。
今回はウェーダーを履いて、水中からじっくりと観察しました。
この池では画像の3種の浮葉植物が見られますが、ヒシがもっとも水深の深い場所に生育し、続いてオニバス、ヒシモドキの順に生育していました。
オニバスは池底に軟泥の多い場所に見られます。ヒシモドキは開花期終わりに近づいていました。
関連ページ 浮葉植物・ヒシ
関連ページ 浮葉植物・オニバス

ヒシモドキの果実
Fig.18 ヒシモドキの果実 (兵庫県播磨地方 2015.8/30)
開放花と閉鎖花の果実です。開放花の果実には翼が発達しているのがわかります。
開放花の果実はまだ未発達で、熟すにつれて刺状突起が閉鎖花の果実同様に伸びていきます。

オオトリゲモ
Fig.19 オオトリゲモ (兵庫県播磨地方 2015.8/30)
ヒシモドキやオニバスが生育する周囲にはオオトリゲモの群落がよく発達しています。
オオトリゲモに混じってフラスコモsp.とシャジクモも見られました。
関連ページ 沈水植物・オオトリゲモ

オニバス閉鎖花
Fig.20 オニバスの閉鎖花 (兵庫県播磨地方 2015.8/30)
オニバスとヒシモドキの花の競演を期待しましたが、残念ながらオニバスは閉鎖花のみが見られました。

クロイトトンボ
Fig.21 クロイトトンボ (兵庫県播磨地方 2015.8/30)
浮葉植物の上では無数のクロイトトンボが飛翔していました。

ヒメミズカマキリ
Fig.22 ヒメミズカマキリ (兵庫県播磨地方 2015.8/30)
水中にはヒメミズカマキリも見られ、かなり自然度が高いことが判ります。

ゴマクサ群落
Fig.23 ゴマクサ (兵庫県播磨地方 2015.8/30)
ゴマクサの群生地に移動しました。非常に個体数が多く密生しているのですが、1日に開花するのは1~2花なのであまり群生しているようには見えません。
関連ページ 湿生植物・ゴマクサ

ゴマクサの花
Fig.24 ゴマクサの花 (兵庫県播磨地方 2015.8/30)
なかなか花冠裂片が平開しているものには出会えません。

ミズトンボ
Fig.25 ミズトンボ (兵庫県播磨地方 2015.8/30)
ここは昨年までは1000個体を越えるような密生した群生地でしたが、除草剤が撒かれて、開花個体は数十本ほどでした。ミズトンボは殖えにくい生活史を持っているため、残念でなりません。
関連ページ 湿生植物・ミズトンボ

イトテンツキ
Fig.26 イトテンツキ (兵庫県播磨地方 2015.8/30)
ハゲ山の道端に生育しているイトテンツキの様子を見に行ってきました。
個体数も多く健在です。アイナエとともに箱庭的な小さな光景を作り出していました。
関連ページ 湿生植物・イトテンツキ

マツムシソウ
Fig.27 マツムシソウ (兵庫県阪神地方 2015.8/31)
観察会でのマツムシソウの様子です。今年は開花株が少ししかありませんでした。

マツムシソウの花
Fig.28 マツムシソの花 (兵庫県阪神地方 2015.8/31)
年によって開花個体の増減があっても、よく保護管理されているこの場所であれば心配ありません。

category: 湿地・溜池

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8月中旬の花など 

 多忙にかまけ、8月分がなかなか更新できないまま、とうとう9月になってしまいました。8月中旬以降のものを2回に分けて駆け足で掲載します。
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シデシャジン
Fig.1 シデシャジン (兵庫県丹波地方 2015.8/12)
林縁でネザサとせめぎ合いをしている集団ですが、今年も健在でした。
大きな個体はすでに開花がほぼ終わっていましたが、小型の個体はまだ開花していました。
関連ページ 関西の花・シデシャジン

ナルコビエ
Fig.2 ナルコビエ (兵庫県丹波地方 2015.8/12)
最近あまり見かけなくなったナルコビエもまだ健在でした。
1個体ですが広がって大株になっています。
関連ページ 関西の花・ナルコビエ

オモダカ群落
Fig.3 オモダカ (兵庫県丹波地方 2015.8/12)
水田の休耕部に生育しており、丹波地方ではこのような狭葉品が多く見られます。
関連ページ 湿生植物・オモダカ

ミズオオバコとオモダカ
Fig.4 ミズオオバコと狭葉品オモダカ (兵庫県丹波地方 2015.8/12)
丹波地方では水田に生育するミズオオバコもかなり大型となり径40cmを越えるものもあります。
関連ページ 沈水植物・ミズオオバコ

オオハナワラビの展葉
Fig.5 展葉しはじめたオオハナワラビ (兵庫県丹波地方 2015.8/12)
兵庫県ではモトマチハナワラビに続いて展葉します。
関連ページ 関西の花・オオハナワラビ

ミヤマカラスアゲハ
Fig.6 吸水するミヤマカラスアゲハ (兵庫県丹波地方 2015.8/12)
谷沿いの林道を歩いていくと水の染み出ている場所で沢山のミヤマカラスアゲハの♂が吸水していました。カラスアゲハよりも銀青緑色の部分が多く、非常にきれいです。

タツノヒゲ
Fig.7 タツノヒゲ (兵庫県丹波地方 2015.8/12)
以前から探していた繊細なイネ科植物で、ようやく出会えたのですが、手前の溝状に割れた場所からキイロスズメバチが頻繁に出入りしており、近づくことができませんでした。
割れ目の中に巣があるようです。どうりでシカにも食われずに残っているわけです。

シカによる食害
Fig.8 シカの食害の様子 (兵庫県丹波地方 2015.8/12)
ちなみに、この谷のシカの食害の様子です。
ネザサは食い尽くされ、周囲にはダンドボロギク、マツカゼソウ、イワヒメワラビ、コバノイシカグマ、クリンソウくらいしか残っていません。

ヒロハヤブソテツ
Fig.9 ヒロハヤブソテツ (兵庫県丹波地方 2015.8/12)
同じ谷ですが、足場の悪い岩場に着いているため、まだ食害を受けていません。

イケマの花
Fig.10 イケマの花に集まったアリ (兵庫県丹波地方 2015.8/12)
この手のガガイモ科の花にはアリがよく集まっていますが、受粉には役立っているのでしょうか?
他にはルリマルノミハムシが見られた程度で、大きな昆虫類は見られませんでした。

イカリモンガ
Fig.11 イカリモンガ (兵庫県丹波地方 2015.8/12)
昼間によく飛んでいるのを見かける蛾です。イケマの葉上で休んでいました。
食草はイノデ類とのことで、シダ類を食草とする数少ない鱗翅類です。

ヒキヨモギ
Fig.12 ヒキヨモギ (兵庫県播磨地方 2015.8/13)
観察会の下見に行ったところ、溜池の土堤に沢山のヒキヨモギが生育していました。
周辺にはカナビキソウ、ママコナ、オオヒキヨモギといった半寄生植物も見られました。
貧栄養地には、このような半寄生植物や食虫植物が多いのも特徴でしょう。
関連ページ 関西の花・ヒキヨモギ

ヒキヨモギの花
Fig.13 ヒキヨモギの花 (兵庫県播磨地方 2015.8/13)
オオヒキヨモギに較べて明るい黄色で、屋外ではより目立ちます。
生育場所もより明るく日当たり良い草地を好みます。

コガンピ
Fig.14 コガンピ (兵庫県播磨地方 2015.8/13)
別の溜池土堤ではコガンピが群生し、開花全盛となっていました。
この堤体ではキキョウやマネキシンジュガヤなどが見られました。
関連ページ 関西の花・コガンピ

メハジキ
Fig.15 メハジキ (兵庫県播磨地方 2015.8/13)
オオオナモミやワルナスビ、セイタカアワダチソウ、カナムグラなどが生える荒地状の旧畑作地に点在しています。時々撹乱のあるような荒地でよく見かける草本です。
関連ページ 関西の花・メハジキ

ケショウアザミ白桃品
Fig.16 ケショウアザミ (兵庫県播磨地方 2015.8/13)
ユウスゲやアイナエなどが見られる溜池土堤で、淡く桃色を帯びたケショウアザミが生育していました。シロバナケショウアザミは時々見かけますが、このようなものは初めて見ました。
関連ページ 関西の花・ノアザミ/ケショウアザミ

ミヤマノキシノブ
Fig.17 ミヤマノキシノブ (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
定点調査地の湿地のカヤツリグサ科草本の調査のため、但馬地方に出掛けました。
ブナの大木や倒木、立ち枯れなどにはミヤマノキシノブがよく見られます。

ヤシャビシャクの果実
Fig.18 ヤシャビシャクの未熟な果実 (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
大きな倒木に着いていたもので、間近で見ることができてラッキーでした。
果実は紅葉の頃に熟すとのことです。

ヒメキマダラヒカゲ
Fig.19 ヒメキマダラヒカゲ (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
キマダラヒカゲの仲間で、西日本では高標高地に現れる種です。
コンデジで撮影しましたが、画質がもう一つです。

ゴイシシジミ
Fig.20 ゴイシシジミ (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
久しぶりに見ました。白黒の装いと、足先の黒点がキュートなシジミチョウです。
幼虫は昆虫食で、タケツノアブラムシ(ワタアブラムシ)を餌とします。
局所的に棲息し、数を減らしつつある種ですが、棲息地では複数の個体が見られることが多く、ここでも3頭ほど見られました。

コエゾゼミ
Fig.21 コエゾゼミ (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
周囲の木々で沢山鳴いていましたが、すぐ近くの葉上で鳴いている個体がいたので、杖で葉を叩くと地表に落ちてきました。
拍手すると落ちてくると言われていますが、驚かすと飛ばずに落ちてくるのでしょうか?
画像は落下したものを近くの樹に止まらせて撮った、いわゆるヤラセ画像です。

アキアカネ
Fig.22 アキアカネ (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
稜線上や山頂部には夥しい数の避暑中のアキアカネがいました。
まだ成熟していないので、それほど赤味が強くありません。

ミヤマイヌノハナヒゲ群落
Fig.23 ミヤマイヌノハナヒゲ (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
近畿地方では但馬の高所のみで見られる種で、外見上はコイヌノハナヒゲとほとんど区別できません。
種を特定するには、小穂をほぐして、鱗片と痩果の観察が不可欠です。

ミヤマイヌノハナヒゲ・痩果と刺針状花披片
Fig.24 ミヤマイヌノハナヒゲの痩果と刺針状花披片(右拡大) (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
刺針状花披片は痩果よりも長く、下向きの小刺があってざらつきます。
他に鱗片に短い芒がある点も区別する上でのキーとなります。

アカモノ果実
Fig.25 アカモノの果実 (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
前回は開花していましたが、今回はすでに結実が見られました。
ツマトリソウやマイヅルソウは結実が見られず、根茎で栄養繁殖しているようです。
ここでの課題はアブラガヤ類の解決でしたが、アブラガヤとアイバソウの両種が生育していました。

ミヤマタニタデ
Fig.26 ミヤマタニタデ (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
但馬地方の高所の登山道脇の湿った場所や沢沿いによく見られるアカバナ科の草本です。
タニタデやミズタマソウのように果実にはかぎ状の刺毛があります。

コイチヨウラン
Fig.27 コイチヨウラン (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
ミヤマタニタデを撮影している横で、同行のSさんが見つけたものです。
低木林の切れた斜面で十数個体が生育していました。小型のランで、引いた画像では特徴がハッキリしません。

コイチヨウランの花と葉
Fig.28 コイチヨウランの花と葉 (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
花は淡黄緑色で半開し、径8mmほど。唇弁は黄色で縁近くはやや朱を帯びていました。
葉は2cmほどの小さなもので1枚だけあって、葉脈はやや紫色を帯び、イチヨウランのような厚味はありません。

イブキヌカボ
Fig.29 イブキヌカボ (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
沢にかかる滝の落ち口の斜面に生育しているもので、画像の角度がちょっと変な感じになってしまいました。最初はタツノヒゲかと思いましたが、小穂の枝の分枝の角度が狭く、詳細を調べたところイブキヌカボと判りました。

ミヤマワラビ
Fig.30 ミヤマワラビ (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
林道沿いの小さな沢が流れ落ちる岩場に、わずかに生育している集団が健在でした。
兵庫県では高所に稀に見られるシダです。
関連ページ 関西の花・ミヤマワラビ

林道脇の草本
Fig.31 林道脇の草本 (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
高原の湿地へと移動中、林道脇のちょっとした岩場で夏の山の草本が開花していて賑やかでした。
多数のフシグロセンノウに混じって、カワミドリ、ソバナ、タニタデ、フジカンゾウなどが開花していました。

カリガネソウ
Fig.32 カリガネソウ (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
カリガネソウもこの時期の花で、開花全盛でした。

オオミズアオ
Fig.33 オオミズアオ (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
湿地の入り口近くで新鮮な個体が静止していました。
オオミズアオによく似たものにオナガミズアオがありますが、近頃はほとんど見かけません。

ミズオトギリ
Fig.34 ミズオトギリ (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
湿地に到着したのは夕方頃だったので、ちょうど開花しているミズオトギリが見れました。
まだ開花し始めのものが多かったです。
関連ページ 湿生植物・ミズオトギリ

ヒメカンガレイ
Fig.35 ヒメカンガレイ (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
ヒメカンガレイはようやく小花が開花しはじめている時期で、まだ結実はみられませんでした。
やはり、今年も有花茎が4稜っぽいものや、非常に細いものが見られました。
関連ページ 湿生植物・ヒメカンガレイ

エゾシロネ
Fig.36 エゾシロネ (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
ずっと開花期を逃していましたが、やっと花を見ることができました。

エゾシロネの花と果実
Fig.37 エゾシロネの花と果実 (兵庫県但馬地方 2015.8/16)
花はヒメシロネに較べると小さくて目立たず、萼は短いため、4個集まった分果の先が平らに見えます。

category: 8月の花

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