07«1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»09

Satoyama, Plants & Nature

夏の溜池・湿地・水田 2 

画像:減反部の水田雑草、アゼトウガラシ、ホシクサ、シソクサ、スズメハコベ、ウキゴケ、
   暫定オグラノフサモ、ヒメミズワラビ、ヒツジグサ、ミクリsp.、サワトウガラシ、
   イボクサ、イヌノハナヒゲ、コイヌノハナヒゲ、コシンジュガヤ、ケシンジュガヤ、
   マネキシンジュガヤ、ミカヅキグサ、ミミカキグサ、ホザキノミミカキグサ、サギソウ、
   ヒナノカンザシ、コマツカサススキ、サワシロギク、ミズギボウシ、スブタ、
   ヒルムシロ、ホソバミズヒキモ、ヒメホタルイ、タチモ、イトイヌノヒゲ、アギナシ
*画像クリックで、別ウィンドで拡大表示されます。
減反地の水田雑草
Fig.1 水田減反部の水田雑草 (兵庫県丹波市 2013.8/20)
減農薬、無農薬の水田中に、作付けしない減反部があると様々な水田雑草が生育します。
画像は氾濫原由来の水田の減反部で、キカシグサ、アゼトウガラシ、トキンソウを優占種とし、様々な一年生水田雑草が生育していました。

アゼトウガラシ
Fig.2 アゼトウガラシ (兵庫県丹波市 2013.8/20)
もっとも多く生育していた種。キクモがまったく生育していないのが不思議でした。
関連ページ 湿生植物・アゼトウガラシ

ホシクサ
Fig.3 ホシクサ (兵庫県丹波市 2013.8/20)
兵庫県南部では稀な水田雑草ですが、内陸部では比較的普通に見られます。
丹波地方など内陸では、圃場整備された水田でも、県南よりも水分条件がよいからと考えられます。
関連ページ 湿生植物・ホシクサ

シソクサ
Fig.4 シソクサ (兵庫県丹波市 2013.8/20)
ホシクサ同様、丹波地方では比較的よく見かける水田雑草で、ここでは多産していました。
まだ時期的に早かったようで、開花していたのはこの個体のみでした。
関連ページ 湿生植物・シソクサ

スズメハコベ
Fig.5 スズメハコベ(スズメノハコベ) (兵庫県丹波市 2013.8/20)
本種は兵庫県南部ではまったく見られない種で、内陸~北部にかけて生育しています。
ホシクサやシソクサよりも良好な水分条件を必要とするのでしょうか?
ここではかなりの個体数が確認できました。
関連ページ 湿生植物・スズメノハコベ

水草に覆われた溜池
Fig.6 水草に覆われた溜池 (京都府中丹地方 2013.8/20)
京都の中丹地方にフサモ属1種からなる純群落で覆われた谷池がありました。
花序は上がっておらず、草体の硬さや分枝の少なさ、節間の長さなどからフサモかオグラノフサモと考えられました。周辺の地質は林道の露頭を見ると珪質分を含んだ頁岩のようで、水質はアルカリ寄りに傾くと思われます。このような水質の溜池に生育するのはオグラノフサモでしょう。フサモとオグラノフサモの雑種を起源とするハリマノフサモの可能性もあるでしょうか。いずれにせよ晩秋~冬にかけて殖芽を確認する必要があるでしょう。

暫定オグラノフサモ
Fig.7 暫定オグラノフサモ (京都府中丹地方 2013.8/20)
画像のように全面に繁茂しています。
関連ページ 沈水植物・オグラノフサモ

暫定オグラノフサモ陸生形
Fig.8 干上がった溜池畔に生育する陸生形 (京都府中丹地方 2013.8/20)
陸生状態でよく適応している様子もオグラノフサモを思わせます。

ウキゴケ、オグラノ、ヒメミズワラビ
Fig.9 干上がった溜池畔上部 (京都府中丹地方 2013.8/20)
陸生形の群生上部は被植の少ない裸地となり、陸生形のほかウキゴケ、ヒメミズワラビ、ハリイ、ミズユキノシタ、コケオトギリがまばらに生育していました。成育種から、肥沃な土壌であることがわかります。
関連ページ 湿生~浮遊植物・ウキゴケ複合種  湿生植物・ヒメミズワラビ
湿生植物・ハリイ  湿生植物・ミズユキノシタ  湿生植物・コケオトギリ

植生豊富な谷池
Fig.10 植生豊富な谷池 (京都府中丹地方 2013.8/20)
こちらの谷池は透明感のある褐色で、腐植栄養質な溜池に見えます。

ヒツジグサ群落
Fig.11 ヒツジグサ (京都府中丹地方 2013.8/20)
Fig.10の谷池ではヒツジグサの群落がよく発達しており、浮葉植物では他にジュンサイ、ヒシ、ホソバミズヒキモが見られますが、腐植栄養質な溜池によく現れるフトヒルムシロは見られませんでした。堤体の水際近くではヌマトラノオに混じってムカゴニンジンが点在していました。
関連ページ 浮葉植物・ヒツジグサ

ミクリsp.
Fig.12 浮葉植物下の沈水植物 (京都府中丹地方 2013.8/20)
ヒツジグサやジュンサイなどの浮葉の下にはミクリsp.の沈水形、イボクサの沈水形、ヒツジグサの沈水形などが密生し、ここでもオグラノフサモらしきものが混じっていました。

浅水域の植生
Fig.13 浅水域の植生 (京都府中丹地方 2013.8/20)
水深50cmより浅い場所ではホソバミズヒキモを除いて浮葉植物は見られず、イボクサ、サワトウガラシ、ハリイの沈水形が生育していました。さらに浅い場所ではホッスモが密生し、干上がった池畔では干物のようになって地面に張り付いていました。
関連ページ 湿生植物・イボクサ

溜池土堤の湿生植物
Fig.14 小さな溜池土堤にみられる湿生植物 (兵庫県三田市 2013.8/23)
兵庫県の三田市や播磨地方などでは流紋岩質の基岩上や小規模地すべり地に貧栄養な湿地が点在し、そこに土堤を築いて溜池としたと見られる場所が各所に見られます。この場所もそのような例で、緩やかに広がる斜面に多数の小さな溜池がつくられています。このような溜池の土堤では様々な湿生植物が生育しています。
この画像の範囲内にはイヌノハナヒゲ、コシンジュガヤ、ケシンジュガヤ、マネキシンジュガヤ、ノグサが生育していました。

イヌノハナヒゲ
Fig.15 イヌノハナヒゲ (兵庫県三田市 2013.8/23)
溜池土堤の水際にコイヌノハナヒゲ、ヤチカワズスゲ、ゴウソ、アブラガヤ、コマツカサススキ、ヌマガヤなどとともに池を縁取るように生育しています。この付近の湿原の主要構成種のうちのひとつです。
関連ページ 湿生植物・イヌノハナヒゲ

コイヌノハナヒゲ
Fig.16 コイヌノハナヒゲ (兵庫県三田市 2013.8/23)
土堤と小湿地の境界に群生していました。イヌノハナヒゲよりも茎は細く、繊細な草体です。
関連ページ 湿生植物・コイヌノハナヒゲ

コシンジュガヤ
Fig.17 コシンジュガヤ (兵庫県三田市 2013.8/23)
コシンジュガヤは湿地のほか、湿った草地にも生え、用水路脇や棚田の畦や土手にも生育していることがあります。ホソバリンドウやヤマラッキョウなどとよく似た生育環境を好むようです。葉鞘に広い翼がつくことにより、ケシンジュガヤ、マネキシンジュガヤ、ミカワシンジュガヤなどの近縁種と区別できます。
関連ページ 湿生植物・コシンジュガヤ

ケシンジュガヤ
Fig.18 ケシンジュガヤ (兵庫県三田市 2013.8/23)
コシンジュガヤよりも小型な1年生の湿生植物で、半裸地気味の湿地や草刈りの行き届いた多湿の草地に生育しています。貧栄養または鉱物質の湿地では高茎草本が生育しにくく、被植の少ない場所が生じるため、そのようなところで群生する傾向があります。画像のものは草刈りの行き届いたFig.14の土堤上に変種のマネキシンジュガヤと混生しています。
関連ページ 湿生植物・ケシンジュガヤ

マネキシンジュガヤ
Fig.19 マネキシンジュガヤ (兵庫県三田市 2013.8/23)
ケシンジュガヤの変種で、無毛のものや毛のほとんどないものを指しますが、両種の混生地ではどちらにするか判断に迷う中間的な個体もみられ、変異は連続的なように思います。
関連ページ 湿生植物・マネキシンジュガヤ

ミカヅキグサ
Fig.20 ミカヅキグサ群落 (兵庫県三田市 2013.8/23)
溜池畔の一画に広がる貧栄養湿地に見られました。ミカヅキグサ群落中にはイトイヌノハナヒゲ、イヌノヒゲ類、ミミカキグサ類、モウセンゴケ、トウカイコモウセンゴケ、サギソウ、ショウジョウバカマなどが生育していました。
関連ページ 湿生植物・ミカヅキグサ

ミミカキグサの仲間
Fig.21 ミミカキグサとホザキノミミカキグサ (兵庫県三田市 2013.8/23)
黄色の花はミミカキグサ、淡紫色の花がホザキノミミカキグサ。
ミカヅキグサの株元に無数の個体が生育していました。
関連ページ 湿生植物・ミミカキグサ  湿生植物・ホザキノミミカキグサ

ミカヅキグサ群落中のサギソウ
Fig.22 ミカヅキグサ群落中に咲くサギソウ (兵庫県三田市 2013.8/23)
後方は野生動物による撹乱が激しく、その先はヌタ場となっています。このような撹乱が悪影響をもたらすとは一概には言えず、湿地の規模にもよりますが、小型の草本や一年草にとっては生育に都合のよい場所が撹乱によって提供されているとも考えられます。

サギソウの花
Fig.23 サギソウの花 (兵庫県三田市 2013.8/23)
花は夜間に最も香りが強くなり、受粉はスズメガの仲間によって行われるとのこと。
関連ページ 湿生植物・サギソウ

ヒナノカンザシ
Fig.24 ヒナノカンザシの花 (兵庫県三田市 2013.8/23)
湿地周縁部で粘土質土壌のやや乾いた場所で、トウカイコモウセンゴケとともにわずかながらヒナノカンザシが生育していました。花は長さ1~2mmと大変小さなものです。
関連ページ 湿生植物・ヒナノカンザシ

コマツマサススキ
Fig.25 コマツカサススキ (兵庫県三田市 2013.8/23)
兵庫県南部では溜池畔や湿地でよく見かける種です。マツカサススキが肥沃な湿地を好むのに対して、コマツカサススキは貧栄養寄りの湿地を好みます。
関連ページ 湿生植物・コマツカサススキ

サワシロギク
Fig.26 サワシロギク (兵庫県三田市 2013.8/23)
湿地周辺や溜池土堤直下の水路脇などによく見られる草本です。
ここでは土堤直下の水路脇に沢山の花をつけた個体が生育していました。
関連ページ 湿生植物・サワシロギク

ミズギボウシ
Fig.27 ミズギボウシ (兵庫県三田市 2013.8/23)
溜池直下の水田の土手下部にミズギボウシが開花していました。
同時期に開花するコバギボウシに似ていますが、葉は披針形で、花茎につく花数は少なく、午前中に開花して午後になるとしぼみはじめます。ミズギボウシは貧栄養な湿地に生育することもありますが、コバギボウシは少し肥沃な場所を好み、貧栄養な湿地に生育しているのは見かけたことがありません。
関連ページ 湿生植物・ミズギボウシ

スブタ
Fig.28 スブタ (兵庫県三田市 2013.8/23)
周辺の棚田ではヒロハトリゲモやミズオオバコとともにスブタが見られましたが、まだ開花していませんでした。
関連ページ 沈水植物・スブタ

ヒルムシロ
Fig.29 ヒルムシロ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
夕立を避けて篠山市南部の溜池に移動すると、すでに夕立が去った後の溜池にヒルムシロが開花していました。夕立の勢いが強かったためか開花中の花穂は半ば倒れこんでいました。
関連ページ 浮葉植物・ヒルムシロ

ヒルムシロとホソバミズヒキモの浮葉
Fig.30 ヒルムシロ(右)とホソバミズヒキモ(左手前)の浮葉 (兵庫県篠山市 2013.8/23)
水底はフラスコモsp.とタチモによって覆われ、ヒメホタルイとミズニラが生育。
関連ページ 浮葉植物・ホソバミズヒキモ

ヒメホタルイ
Fig.31 ヒメホタルイ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
溜池畔の水の引いた場所ではヒメホタルイの小穂が結実していました。
関連ページ 湿生植物・ヒメホタルイ

ミミカキグサ
Fig.32 沈水葉を出したミミカキグサ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
溜池の浅瀬の泥地に生育するミミカキグサは根茎から細く長い沈水葉を出し、長いものでは3cmにも達します。ミミカキグサの仲間ではムラサキミミカキグサも同様な場所で細長い沈水葉を出しますが、ホザキノミミカキグサでは同様な例に出会ったことがありません。
関連ページ 湿生植物・ミミカキグサ  湿生植物・ムラサキミミカキグサ

サワトウガラシが開花
Fig.33 開花したサワトウガラシ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
この3日前に行った京都府の溜池ではまだ開花していませんでしたが、ここでは開花個体があちこちに点在していました。この花が開花すると、水田雑草が次々に開花しはじめて面白くなってきます。
関連ページ 湿生植物・サワトウガラシ

タチモ
Fig.34 雌花をつけたタチモ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
溜池の流れ込みちかくの浅瀬ではタチモが気中茎をあげて葉腋に雌花をつけていました。
タチモは雌雄異株ですが、雄株を見かけることは少なく、野外で出会う大半のものが雌株です。
画像の周辺に生育しているコナギはシカの食害に遭っています。
関連ページ 抽水~沈水植物・タチモ

イトイヌノヒゲ
Fig.35 イトイヌノヒゲ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
イトイヌノヒゲの開花が始まっていました。イヌノヒゲの仲間のうちでは最も早く開花します。
関連ページ 湿生植物・イトイヌノヒゲ

アギナシ
Fig.36 アギナシ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
数年前、シカの激しい撹乱によって姿を消していたアギナシが、花茎をあげて開花していました。
周辺にイグサやイヌシカクイの大株が定着したことによって撹乱をまぬがれ、開花まで成長できたようです。篠山市にはアギナシの自生地が少なく、貴重な集団です。
関連ページ 湿生~抽水植物・アギナシ
スポンサーサイト

category: 湿地・溜池

thread: 博物学・自然・生き物 - janre: 学問・文化・芸術

cm 2   tb 1   page top

夏の溜池・湿地・水田 1 

この夏に訪ねた溜池や湿地、水田や休耕田などで見かけた植物です。
画像が多いので、2回に分けました。
画像:コガマ、トラノハナヒゲ、海浜性フトイ、ガガブタ、ホザキノフサモ、マツモ、
   タイワンウチワヤンマ、ヒメナミキ、ヒシ、ヒメビシ果実、カンガレイ群落、
   カンガレイで編まれたカヤネズミの巣、ハタベカンガレイ群落、イチョウウキゴケ、
   ミズユキノシタ、休耕田の水田雑草、干上がり始めた溜池、ミズニラ、ヤリハリイ、
   ヤナギヌカボ、ホソバミズヒキモ、オグラコウホネ、ホッスモ、ヒロハトリゲモ、
   暫定オオトリゲモ、ミズオオバコ、ヒメミズワラビ、イトモ、淡水カイメン
*画像クリックで、別ウィンドで拡大表示されます。

Fig.1 コガマ (兵庫県たつの市 2013.8/1)
海浜性の小型のフトイの調査時に水路内に生育していたものです。
西日本では比較的少なく、兵庫県ではRDBのBランクになっています。
開花期は近縁のヒメガマやガマよりも1ヶ月ほど遅い。
関連ページ 湿生~抽水植物・

トラノハナヒゲ
Fig.2 トラノハナヒゲ (兵庫県姫路市 2013.8/1)
道路脇のノグサ、イシモチソウ、アリノトウグサなどが生育する半裸地に生育していました。
主に海岸に近い半裸地や湿った草地に生育しますが、兵庫県内では比較的自生地は少ないです。
兵庫県RDB Bランク種。
関連ページ 湿生植物・トラノハナヒゲ

フトイsp.
Fig.3 フトイsp. (兵庫県姫路市 2013.8/1)
フトイ類の中でも海浜性湿地に生育する小型なタイプ。
琉球諸島の海浜部に生育するイヌフトイと同種のものではないかと考えましたが、西表島産イヌフトイとは痩果の形状が微妙に異なっており、今のところはイヌフトイと断定することはできない状況です。海浜性小型フトイを含む今回のフトイ類調査については、次々回に概要を掲載する予定。
関連ページ 湿生~抽水植物・フトイ

ガガブタ群落
Fig.4 水路のガガブタ群落 (兵庫県赤穂市 2013.8/8)
岡山県の海浜性フトイの調査帰途、河口へと続く水路内に長い距離にわたって群生していました。
溜池ではよく見かける種ですが、水路内で生育しているのを見るのははじめてです。
関連ページ 浮葉植物・ガガブタ

水路内の水生植物
Fig.5 水路内の水生植物群落 (兵庫県赤穂市 2013.8/8)
Fig.4の下流部に見られた光景です。
水面上はガガブタが優占し、ヒシが混生しています。
水中ではホザキノフサモが多く、コカナダモ、マツモが混生していました。
大変魚影の濃い水路で、アブラボテやカネヒラが確認できました。
関連ページ 沈水植物・ホザキノフサモ  浮遊植物・マツモ

タイワンウチワヤンマ
Fig.6 タイワンウチワヤンマ (兵庫県赤穂市 2013.8/8)
水路脇のススキを足場にテリトリーを張っていました。
近づくギンヤンマやコシアキトンボを執拗に追っていました。

ヒメナミキ
Fig.7 ヒメナミキ (兵庫県西播磨 2013.8/8)
ふつう湿地や溜池畔に生育しますが、ここでは塩性湿地の上部に生育していました。
同所的にキツネノボタンも生育していたので、地下に湧水があるのでしょう。
関連ページ 湿生植物・ヒメナミキ

開花中のヒシ
Fig.8 開花中のヒシ (兵庫県加東市 2013.8/7)
オオフトイが生育する小さな溜池でヒシが開花していました。
関連ページ 浮葉植物・ヒシ

ヒメビシの果実
Fig.9 ヒメビシの果実 (兵庫県播磨地方 2013.8/7)
ヒメビシは開花結実がヒシよりも早く、ヒシが開花全盛期の頃には花期は終わり結実しています。
果実はヒシやコオニビシよりもかなり小さく、4個の刺状突起があります。
秋になると、再び新葉を出して開花します。
関連ページ 浮葉植物・ヒメヒシ

カンガレイ群落
Fig.10 カンガレイ群落 (兵庫県三木市 2013.8/7)
中栄養な溜池のガマの群落と岸辺の間にカンガレイの群落が発達していました。
関連ページ 抽水植物・カンガレイ

カヤネズミの巣
Fig.11 カンガレイ群落中のカヤネズミの巣 (兵庫県三木市 2013.8/7)
抽水状態のカンガレイだったので、鳥の巣だろうとTwitterに画像をアップしたところ、カヤネズミの巣と教えていただきました。鳥の巣であれば、他の草を持ち込んで巣を作るとのこと。
カンガレイでカヤネズミが営巣する例ははじめて見ました。

ハタベカンガレイ
Fig.12 ハタベカンガレイ群落 (兵庫県篠山市 2013.8/14)
湧水によって涵養される小さな溜池に群生しているものです。
カンガレイと違って、湧水の影響のある貧栄養または腐植栄養質な溜池に現れます。
茎は柔らかくて倒伏しやすく、倒れこんだ茎はクローンを芽生します。
関連ページ 抽水植物・ハタベカンガレイ

イチョウウキゴケとミズユキノシタ
Fig.13 イチョウウキゴケとミズユキノシタ (兵庫県篠山市 2013.8/14)
ヒシが水面を覆い、水際にアシ、マコモが茂るやや富栄養な溜池の水際で見られました。
どちらの種も兵庫県内では普通に見られます。
関連ページ 浮遊植物・イチョウウキゴケ  湿生植物・ミズユキノシタ

休耕田の水田雑草
Fig.14 休耕田の水田雑草 (京都府南丹市 2013.8/14)
溜池直下の休耕田でコナギやタマガヤツリ、アゼナなどに混じってミゾハコベ(イヌミゾハコベ)、アブノメ、ミズマツバなどが生育していました。
関連ページ 湿生植物・ミゾハコベ  湿生植物・アブノメ  湿生植物・ミズマツバ

干上がり始めた溜池
Fig.15 干上がり始めた溜池 (京都府丹波地方 2013.8/14)
今年は長く晴天が続いたためか、すでに干上がり始めている溜池も各所で見られます。
このような溜池は水陸両性の植物を観察するのには絶好の場所となります。
緑の絨毯のように広がっているのはハリイ、ヒメホタルイ、マツバイ、サワトウガラシなどの水陸両性植物の混生したものです。

ミズニラ
Fig.16 ミズニラ (京都府丹波地方 2013.8/14)
水中に生育していたものが、干上がって陸上に出たものでしょう。
葉の長さが40cm近くあり、非常に生育状態がよい個体です。
ここには大小含めて多数のミズニラが生育していました。
周囲の線形の細い草本は沈水形のハリイです。
関連ページ 湿生~沈水植物・ミズニラ

ヤリハリイ
Fig.17 ヤリハリイ (京都府丹波地方 2013.8/14)
ハリイの不稔タイプのもので、小穂はハリイよりも長く、よくクローンを芽生します。
ここでは多数のハリイに混じって数個体生育していました。
内陸部の溜池でやや稀に見かけることがあります。
関連ページ 湿生植物・ヤリハリイ

成長途上のヤナギヌカボ
Fig.18 成長途上のヤナギヌカボ (京都府丹波地方 2013.8/14)
ヤナギヌカボが丹波地方のような内陸部に生育しているとは思ってもみませんでした。
兵庫県側の丹波地方ではサイコクヌカボばかりだったので、しばらくの間なんの疑いもなくサイコクヌカボだと思い込んでいました。思い込みは恐ろしい・・・
関連ページ 湿生植物・ヤナギヌカボ

ホソバミズヒキモ
Fig.19 ホソバミズヒキモ (京都府丹波地方 2013.8/14)
Fig.15の溜池水中にホッスモとともに群生していました。
ホソバミズヒキモとともにイトモも少し混生しており、なかなか悩ましい草体のものも現れます。
このあたりの近似種・雑種は来年の課題です。
関連ページ 浮葉植物・ホソバミズヒキモ

オグラコウホネ
Fig.20 オグラコウホネ (京都府丹波地方 2013.8/14)
浮葉が少なくさびしげに見えていますが、水底はオグラコウホネの沈水葉でびっしりと覆われていました。兵庫県の摂津地方で見られるものより、浮葉は少なく、またサイズも少し小さいように感じます。
関連ページ 浮葉植物・オグラコウホネ

用水枡内に生育する沈水形
Fig.21 用水枡内に生育する沈水形 (京都府丹波地方 2013.8/14)
溜池の下に広がる水田の用水路の枡内に沈水形のオグラコウホネが生育していました。

ホッスモ
Fig.22 ホッスモ (京都府丹波地方 2013.8/14)
トリゲモの仲間では溜池や休耕田、用水路などに最もよく現れる種です。
葉鞘の口部に突起があることにより近似種と容易に区別できます。
関連ページ 沈水植物・ホッスモ

暫定オオトリゲモ
Fig.23 暫定オオトリゲモ (京都府中丹地方 2013.8/19)
雄花の蕾が見つからず暫定的にオオトリゲモとしましたが、京都府ではオオトリゲモも稀とのこと。ふつうオオトリゲモは比較的栄養状態のよい水質を好みますが、画像のものは湧水が入るような用水路に生育していて、そのあたりが少し引っかかるところ。もう一度調べに行く必要があります。
ちなみに、オオトリゲモとトリゲモの区別点は以下のようになります。
・オオトリゲモ・・・葯は4室ある。  ・トリゲモ・・・葯は1室。
関連ページ 沈水植物・オオトリゲモ

ヒロハトリゲモとミズオオバコ
Fig.24 ヒロハトリゲモとミズオオバコ (兵庫県三田市 2013.8/14)
水田内の水路に生育しています。ヒロハトリゲモは種子表面にルーペでも分かる、大きな四角~六角形の明瞭な格子模様があります。
葉鞘口部が切形のトリゲモ類の種子表面は以下の通りです。
・ヒロハトリゲモ・・・大きな四角~六角形の明瞭な格子模様
・トリゲモとオオトリゲモ・・・細かい横長の格子模様
・イトトリゲモ・・・縦長でやや不明瞭

関連ページ 沈水植物・ヒロハトリゲモ

ミズオオバコ
Fig.25 休耕田に群生するミズオオバコ (兵庫県三田市 2013.8/14)
棚田の間の1面だけが休耕中で、ミズオオバコの群生が見られました。
関連ページ 沈水植物・ミズオオバコ

ヒメミズワラビ
Fig.26 ヒメミズワラビ (京都府綾部市 2013.8/19)
農道脇の浅い水路状の湿地でムツオレグサ、チョウジタデ、ヒデリコ、テンツキなどとともに多数生育していました。丹波地方では兵庫側でも京都側でも比較的ふつうに見られるようです。
関連ページ 湿生植物・ヒメミズワラビ

イトモ
Fig.27 イトモ (京都府中丹地方 2013.8/19)
山間の澄んだ溜池に生育していました。
兵庫県側の丹波地方では比較的よく見かけるものですが、今期京都側では3ヶ所で見かけましたが、京都側は実際のところどうなんでしょうか?
関連ページ 沈水植物・イトモ

淡水カイメンの仲間
Fig.28 淡水カイメンの仲間 (京都府中丹地方 2013.8/19)
イトモの生育する溜池の枯れ枝や倒木に沢山付いていました。
水のきれいな溜池では比較的よく見かけるものです。

category: 湿地・溜池

thread: 博物学・自然・生き物 - janre: 学問・文化・芸術

cm 0   tb 0   page top

8月の花 

夏場はブログもHPも滞り勝ち。とりあえず8月に見た花をまとめました。
この時期の湿生・水生植物は後日掲載します。
画像:ハマボウ、ハマナデシコ、ハマゴウ、ハマナタマメ、ハマサオトメカズラ、ハマゼリ、
   ヒトモトススキ、イソヤマテンツキ、キツネノカミソリ、フジカンゾウ、イワタバコ、
   サカゲイノデ、斑入りイワガネソウ、ダイミョウセセリ、ナガバノヤノネグサ、
   ミシマサイコ、ショウリョウバッタモドキ、コマツナギとタンキリマメ、トキワススキ、
   ハマサジ、オミナエシ、オオヨツスジハナカミキリ、オグルマ、ナンバンギセル、
   ノダケ、コガンピ、メガルカヤ、アキノタムラソウ、ネジバナ、ツルニガクサ、
   コバギボウシ、マツカゼソウ、ヤマホロシ
*画像クリックで、別ウィンドで拡大表示されます。
ハマボウ
Fig.1 ハマボウの花 (兵庫県姫路市 2013.8/1)
海浜性の小型のフトイを調査した際、多くの海浜植物の開花を見ることができました。
ハマボウは南方系の種で、入江や汽水域、塩性湿地などの海岸近くに生育し、兵庫県ではRDB Aランク種となっています。
兵庫県内では成ヶ島の群落がよく知られていますが、ここでは入江に数株生育していました。

ハマボウの樹
Fig.2 沢山の花をつけたハマボウ (兵庫県姫路市 2013.8/1)

ハマナデシコ
Fig.3 ハマナデシコ (兵庫県姫路市 2013.8/1)
兵庫県では日本海側では少なく、瀬戸内海側の海岸によく見られます。
花の色は白色に近いものから、鮮やかな紅色のものまで様々で、美しいため栽培されることも。

ハマゴウ
Fig.4 ハマゴウ (兵庫県姫路市 2013.8/1)
礫浜の潮間帯よりもかなり上部を、広く覆うように生育していた。海辺では馴染みの花。
関連ページ 関西の花・ハマゴウ

ハマナタマメ
Fig.5 ハマナタマメ (兵庫県姫路市 2013.8/1)
海岸の所々で開花していました。
種子には耐塩性があり、一時期は西宮市の海岸でも見られましたが数年で消滅してしまいました。

ハマナタマメの花
Fig.6 ハマナタマメの花 (兵庫県姫路市 2013.8/1)
花は大きく、重さで花柄が反転し、逆さまに開花しています。

ハマソオトメカズラ
Fig.7 ハマサオトメカズラ (兵庫県姫路市 2013.8/1)
ヘクソカズラの海岸型の変種で、葉面に光沢があるのが特徴です。

ヒトモトススキ
Fig.8 ヒトモトススキ (兵庫県姫路市 2013.8/1)
ふつう、海岸近くの湿地に生育しますが、ここでは海岸の林縁に大きな個体が生育していました。
関連ページ 湿生植物・ヒトモトススキ

イソヤマテンツキ
Fig.9 イソヤマテンツキ (兵庫県たつの市 2013.8/1)
河川汽水域のシバとナガミノオニシバが混じる草地に生育していました。
関連ページ 湿生植物・イソヤマテンツキ

ハマゼリ
Fig.10 ハマゼリ (兵庫県たつの市 2013.8/1)
イソヤマテンツキの隣では、ハマゼリも開花しはじめていました。
関連ページ 関西の花・ハマゼリ

キツネノカミソリ
Fig.11 キツネノカミソリ (岡山県真庭市 2013.8/3)
岡山に出掛けた折、僅かな時間ですが小さな谷に入ってみました。
林道脇ではあちこちでキツネノカミソリが開花していました。

フジカンゾウ
Fig.12 フジカンゾウ (岡山県真庭市 2013.8/3)
渓流畔ではフジカンゾウの開花が始まっていました。

イワタバコ
Fig.13 イワタバコ (岡山県真庭市 2013.8/3)
小さな滝の掛かる岩壁周辺ではイワタバコの花が見頃となっていました。

サカゲイノデ
Fig.14 サカゲイノデ (岡山県真庭市 2013.8/3)
シダ類の多い谷でしたが、ベニシダはほとんど見られず、イノデの仲間が多く見られました。
関連ページ 関西の花・サカゲイノデ

斑入りのイワガネソウ
Fig.15 斑入りイワガネソウ (岡山県真庭市 2013.8/3)
斑入りの中では比較的よく見つかるものです。
関連ページ 関西の花・イワガネソウ

ダイミョウセセリ
Fig.16 ダイミョウセセリ (岡山県真庭市 2013.8/3)
ダイミョウセセリの夏型が出ていました。
暑い盛りで昆虫類は少なく、他にクロコノマチョウ、モンキアゲハ、カラスアゲハがいた程度です。

ナガバノヤノネグサ
Fig.17 ナガバノヤノネグサ (岡山県真庭市 2013.8/3)
林道脇の湿った場所で開花しはじめていました。
タデ科の中では最も地味な花を咲かせます。
関連ページ 関西の花・ナガバノヤノネグサ

ミシマサイコ
Fig.18 ミシマサイコ (兵庫県三木市 2013.8/7)
フトイの調査の途中、ミシマサイコの自生地に立ち寄ったところ開花し始めていました。
溜池土堤にスズサイコ、コガンピ、キキョウ、カワラボウフウなどとともに生育しています。

ショウリョウバッタモドキ
Fig.19 ショウリョウバッタモドキ (兵庫県三木市 2013.8/7)
ミシマサイコの生育する溜池土堤で見られました。
比較的自然度の高い草原環境に生育するバッタです。

タンキリマメとコマツナギ
Fig.20 コマツナギとタンキリマメ (兵庫県赤穂市 2013.8/8)
溜池土堤でコマツナギに絡みついたタンキリマメが開花していました。
関連ページ 関西の花・コマツナギ

トキワススキ
Fig.21 トキワススキ (兵庫県赤穂市 2013.8/8)
海岸近くの溜池の縁に列をなして延々と生育していました。
茅葺や炭俵、土壁の萱として利用された名残でしょうか?

ハマサジ
Fig.22 ハマサジの花 (岡山県備前市 2013.8/8)
小河川の河口部で非常に小さな花を開いていました。
他の小河川の河口部には状態のよいシバナの群落がありましたが、開花期ではなかったようです。
関連ページ 湿生植物・ハマサジ

オミナエシ
Fig.23 オミナエシ (兵庫県篠山市 2013.8/14)
山間棚田の農道脇でオミナエシが開花していました。
草原環境が比較的よく残っている兵庫県ではよく見られる花です。
関連ページ 湿生植物・オミナエシ

オオヨツスジハナカミキリ
Fig.24 オオヨツスジハナカミキリ (京都府亀岡市 2013.8/14)
溜池畔の草地で休止していました。
ヨツスジハナカミキリより大きく、西日本では黒味勝ちの個体が多いようです。

オグルマ
Fig.25 オグルマ (京都府綾部市 2013.8/19)
溜池に向かう途中、農道脇に点在していました。
今年はいろいろな場所でよくオグルマに出会います。

ナンバンギセル
Fig.26 ナンバンギセル (京都府綾部市 2013.8/19)
オミナエシやキキョウ、スズサイコ、ノダケなどの生育する溜池土堤に多数の個体が生育していました。

ノダケ
Fig.27 ノダケ (兵庫県三田市 2013.8/23)
溜池土堤で沢山のノダケの花茎が上がっていました。今年はキアゲハの食害が少ないようです。
関連ページ 湿生植物・ノダケ

コガンピ
Fig.28 コガンピ (兵庫県三田市 2013.8/23)
ノダケとともにコガンピも見られました。
関連ページ 関西の花・コガンピ

メガルカヤ
Fig.29 メガルカヤ (兵庫県三田市 2013.8/23)
棚田の土手で群生しています。近似種のオガルカヤはもう少し乾いた場所を好むようです。
関連ページ 関西の花・メガルカヤ

アキノタムラソウ
Fig.30 群生開花したアキノタムラソウ (兵庫県三田市 2013.8/23)
棚田の土手の一画に密生していました。
ふつうな草本ですが、見事な群生に惹かれて撮影しました。
関連ページ 関西の花・アキノタムラソウ

秋咲きのネジバナ
Fig.31 秋咲きのネジバナ (兵庫県三田市 2013.8/23)
ネジバナには初夏に開花するものと、秋に開花するものがあるとのこと。
秋咲きのネジバナは群れて開花することなく、少数がぽつぽつと開花するとのことです。
ここでは棚田の土手下部にコシンジュガヤ、ホソバリンドウ、トダシバ、アリノトウグサなどとともに1個体のみが開花していました。
関連ページ 関西の花・ネジバナ

ツルニガクサ
Fig.32 ツルニガクサ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
里山の神社の入り口でツルニガクサが群れ咲いていました。
近似種のニガクサとは花茎や萼に腺毛があること、葉縁が重鋸歯となることによって区別できます。

コバギボウシ
Fig.33 コバギボウシ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
林道脇にコバギボウシが開花していました。
関連ページ 湿生植物・コバギボウシ

マツカゼソウ
Fig.34 マツカゼソウ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
渓流畔でマツカゼソウが開花し始めていました。
シカの忌避植物で各地で増えつつあります。

ヤマホロシ
Fig.35 ヤマホロシ (兵庫県篠山市 2013.8/23)
林内ではヤマホロシの開花も始まっていました。
よく似たマルバノホロシは葉柄に翼がありますが、こちらにはありません。
兵庫県内ではマルバノホロシよりもやや少ないようです。

category: 8月の花

thread: 博物学・自然・生き物 - janre: 学問・文化・芸術

cm 0   tb 0   page top

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ