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Satoyama, Plants & Nature

冬に見るシダ1 近場で見るシダ 

冬場は見るべき草本もほとんど無くなってしまう。
落葉広葉樹もすっかり葉を落としてしまうが、そうなると雑木林も視界が開け、常緑性のシダが目立つようになる。
今回は自宅に近い順で付近に見られるシダをとりあげてみた。
最初は住宅街から、次第に低山へと向かう。
クルマで15分の範囲内です。

ホシダ
Fig.1 ホシダ 自宅直下の階段の脇に生えている。そばにはオクマワラビも。

イヌケホシダ
fig.2 イヌケホシダ 市街地を中心に分布を北に広げつつある。 溝で見かける。

ヤブソテツ
fig.3 ヤブソテツ 庭につづく斜面に生えている。 石垣などに多い。 隣はベニシダ。

カニクサ
fig.4 カニクサ 夏緑性だが、住宅地では冬場も葉が残る。 これも石垣に多い。

タマシダ
Fig.5 タマシダ このあたりに見られるものは園芸品の逸出。

ホウライシダ
Fig.6 ホウライシダ これも逸出だろう。 石垣や溝に多い。

モエジマシダ
Fig.7 モエジマシダ これも栽培逸出。 あまり見かけないが北上中らしい。

ベニシダ
Fig.8 ベニシダ ちょっとした林があれば必ず生えているシダ。

トラノオシダ
Fig.9 トラノオシダ 乾いた斜面や石垣に多い。

コシダ
Fig.10 コシダ 林の縁、低山の尾根など乾いた場所に群生する。

ウラジロ
Fig.11 ウラジロ コシダより少し湿った場所で群生。 これの藪漕ぎはたまらない。

ホラシノブ
Fig.12 ホラシノブ この時期になると赤紫色を帯びて美しい。

タチシノブ
Fig.13 タチシノブ 羽片が細裂した美しいシダ。

トキワトラノオ
Fig.14 トキワトラノオ 遊歩道の石垣に生えている。

ヒトツバ
Fig.15 ヒトツバ 雑木林の岩場周辺に生えている。

トウゴクシダ01
Fig.16 トウゴクシダ 雑木林でベニシダと一緒に生えている。

トウゴクシダ02
Fig.17 これもトウゴクシダになるのかな?

サイコクベニシダ
Fig.18 サイゴクベニシダ 林縁の乾いた土崖に時々生えている。

キジノオシダ
Fig.19 キジノオシダ 照葉樹林の細流脇に出現する。

ヤマイタチシダ
Fig.20 ヤマイタチシダ 林縁の湿った斜面や土崖、渓流畔などに必ず現れる。

オニカナワラビ
Fig.21 オニカナワラビ 低山の北東向きの樹林下に生えている。

イノデ
fig.22 イノデ 湿った林内や渓流畔に多い大型シダ。

オオバノイノモトソウ
Fig.23 オオバノイノモトソウ 低山の落葉広葉樹林に多い。

コバノヒノキシダ
Fig.24 コバノヒノキシダ トキワトラノオよりも湿った石垣などに着く。

コモチシダ
Fig.25 コモチシダ 湿った岩壁や土崖に生えている。

ヒカゲノカズラ
Fig.26 ヒカゲノカズラとシシガシラ 里地の乾いた粘土質の斜面で。

チャセンシダ
Fig.27 チャセンシダ 里地の石垣に生えている。

イヌカタヒバ
Fig.28 イヌカタヒバ 里地の石垣。 栽培逸出の帰化種。 冬に紅葉する。

オオベニシダ
Fig.29 オオベニシダ 里山の山裾の乾いた斜面に生えている。

マルバベニシダ
Fig.30 マルバベニシダ オオベニシダの隣に生えていた。

ジュウモンジシダ
Fig.31 ジュウモンジシダ 低山北向きの渓流畔にて。

この他、近場ではイノモトソウ、ハカタシダ、クマワラビ、イヌシダ、ウチワゴケ、コウヤコケシノブなどが見られます。
家からクルマで15分以内でもかなりのシダが見れるものですね。

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以下はオマケです。

ナキリスゲ
Fig.32 林縁ではまだナキリスゲが小穂をつけていました。

アオキ
Fig.33 結実したアオキ

ホソバオオアリドオシ
Fig.34 ホソバオオアリドオシ 照葉樹林の林縁にて。

ツワブキ
Fig.35 ツワブキが咲いています。

リコリスsp
Fig.36 リコリスの仲間が1本だけ、庭の斜面で咲いています。
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category: シダ

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ノジギク 兵庫県の県花 

nojigiku1201.jpg
Fig.1

兵庫県西部瀬戸内海沿岸では多くの場所でノジギクの最盛期を迎えている。
ノジギクは兵庫県版RDBではCランクとされ、大塩、的形、八家の群落はよく知られており、新聞やニュースで紹介されることも多い。
今回は的形周辺の海岸にノジギクを見に出掛けた。
ノジギクは兵庫県の内陸部で見られるリュウノウギクに良く似ている。
リュウノウギクは2n=18、兵庫県南部で見られるシマカンギクは2n=36、両種の雑種がさらに倍化したものがノジギクで2n=54とされているが、2n=53の異数体もあることが知られている。
参考:兵庫県産ノジギクの地域間変異に関する総合的研究

ノジギク2
Fig.2

ノジギク3
Fig.3

ノジギク4
Fig.4
ノジギクは海岸近くの日当たり良い傾斜地や海崖などに群生している。
海崖では狭い岩棚から懸崖状に生育しており、崖から花がこぼれ落ちているようにも見える。
同所的によく見られるのはオガルカヤ、ツルボ、テリハノイバラ、カラスノゴマ、シバなどで、湿った草地ではワレモコウ、ユウスゲ、ヤマラッキョウ、トダシバ、ノガリヤスなども現れる。

ノジギク5
Fig.5

ノジギクの葉
Fig.6
ノジギクは斜上して分枝した枝先に多数の花を散房状につける。
葉の基部はふつう心形、ときに切形で、ふつう5中裂、ときに3中裂し、鋸歯があり、表面は緑色で毛を散生し、裏面は丁字状の毛が密にあって灰白色、やや厚い。

ノジギクの花
Fig.7
花の中央、筒状花の集合した部分は濃い黄色でよく目立つ。

種間雑種
Fig.8
自生地では時に花がやや小さく黄色になっているものが見られる。
おそらくシマカンギクとの種間雑種ではないかと思う。
ノジギクの自生地ではこのような雑種化が問題とされている。

ノジギク、ヤマラッキョウ
Fig.9 ノジギクとヤマラッキョウ

ツルボの果実
Fig.10 ツルボの果実

ハマボッス果実
Fig.11 ハマボッスの果実

ツルナ
Fig.12 岩棚に生育するツルナ

テリハノイバラ果実
Fig.13 テリハノイバラの果実

ハマナデシコ越冬態
Fig.14 岩棚で見られたハマナデシコのロゼット

アマモ
Fig.15 浜辺に打ち寄せられたアマモ

ギンゴケ
fig.16 漁港で朔を上げていたギンゴケ

流紋岩
Fig.17 海崖の流紋岩質溶結凝灰岩に取り込まれた花崗岩



ノジギク9

ノジギク10


波紋

的形海岸

葦原

category: キク科

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淡路島のハマアザミ個体群動態調査 

ハマアザミ01
Fig.1 ハマアザミ

兵庫県植物誌研究会が毎年行っている淡路島生石海岸でのハマアザミ個体群追跡調査に参加した。
ハマアザミは兵庫県下では淡路島のみに生育しており、兵庫県版RDB Aランクとされている。
『改訂増補 淡路島の植物誌』によると、自生個体群は海崖にわずかに生育しているという。
生石海岸のものは道路拡張工事によって破壊されつつあった洲本市平安浦に生育していたものを移植したものだ。
当初移植されたのは10株ということだが、生育条件が適合したのか、昨年の調査では開花株が739、幼株1549生育しているのが確認されている。

ハマアザミ移植地
Fig.2 調査地の全景
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調査地は砂嘴状に突き出した岩礫地で、中央付近はハマゴウとテリハノイバラの群落が広がっている。
全景画像の左側の茶枯れたように見える部分がハマゴウとテリハノイバラの群落。
ハマアザミはハマゴウとテリハノイバラの群落中から漂着した流木の体積しているあたりまで生育している。

ハマゴウ群落中のハマアザミ
Fig.3 ハマゴウ群落中に生育するハマアザミ
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岩礫地のハマアザミ
Fig.4 岩礫地に点在するハマアザミ
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ハマアザミの繁み
Fig.5 こんもりとした繁みをつくるハマアザミ
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海岸では強い風が吹くためか、ハマアザミは丈高く伸びずに、根際で多数分枝してこんもりとした繁みをつくっており、大きなものでは1mを超える。

ハマアザミの葉
強い光沢のある葉
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葉は他のアザミよりも厚く丈夫で、表面には強い光沢がある。
鋸歯の先には硬いトゲがあり、触れると大変痛い。

ハマアザミの総苞
Fig.6 ハマアザミの総苞
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総苞片は上部が斜開し、先端は硬いトゲとなっている。

ハマアザミの花
Fig.7 ハマアザミの花
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調査風景
Fig.8 調査の様子
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生育している全個体の生育位置、大きさ、生育状態(開花・結実・幼個体)を記録していく。

流木の間のハマアザミ
Fig.9 流木や漂着物の間で力強く生育するハマアザミ

調査直前の11月29日、30の両日、淡路島にほど近い大阪・舞洲で震災がれきの焼却試験が行われた。
このがれきにはアスベストをはじめ砒素、六価クロムなどの重金属、さらには2000bq以下の放射性廃棄物が混じっている。
岩手、宮城両県で、当初広域処理が必要と見込まれていた量は401万トン。
しかし、その後処理が進み247万トンに激減し、広域処理の必要性が疑問視されていた。
にもかかわらず大阪市は1.8本/lという基準値超えが指摘されているアスベストの調査もせぬまま試験焼却を強行してしまった。
11月29日は大阪から淡路島に向かって風が吹き付け、淡路島はバグフィルターを通り抜けた様々な汚染物質により汚染されたはずだ。
がれき広域処理には膨大な予算が当てられ、そこに利権が発生する。
利権目当てで行われるがれき焼却が、放射能や有毒物質を撒き散らして、自らの国土を汚し、多くの有用な可能性を秘めた地域の資産・資源を損なっていることを、行政は早く気付くべきだ。
関西にはお子さんを連れて被災地から避難してきた人々も大勢いる。
来年2月からは2年間、昼夜ぶっ通しで36000トンもの瓦礫を焼却予定である。
そうなれば大阪湾沿岸部を中心として兵庫、京都、奈良、和歌山まで汚染が広がるだろう。
大阪で本焼却が始まれば、私たちは多かれ少なかれ「被爆」してしまうのだ。



テリハノイバラ
Fig.10 開花中のテリハノイバラ
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花はノイバラやよりも大きく、開花中であれば区別は容易。

紅葉したハマゴウ
Fig.11 紅葉したハマゴウ
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ハマウド
Fig.12 枯れた花茎の残ったハマウド 陸地寄りのやや肥沃な場所に生育。
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ハマナタマメの果実
Fig.13 ハマナタマメの果実
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クルマバアカネ果実期
Fig.14 果実をつけたクルマバアカネ 一昨年のもので、今年は見られなかった。
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浜辺のネコ
Fig.15 浜辺でお出迎え 「ニャ二しに来ただ~?」

category: 個体群調査

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