冬に見る地衣類
2013/02/13 Wed. 20:20 [edit]

Fig.1 石垣のヒメレンゲゴケ
コケ(蘚苔類)を観察していると、どうしても地衣類のほうにも眼がいってしまいます。
というわけで、今回はこの冬見かけた地衣類です。
地衣類は内部に藻類を取り込んで共生する菌糸体で、2つの異なったものが1つの植物体をつくり、それが非常に多種におよんでいるということは非常に興味深いところだと思います。
ヒメレンゲゴケ、ウメノキゴケ、イワカラタチゴケ、センシゴケ、ヘラガタカブトゴケ、ヤマトキゴケ、ウラミゴケモドキ、ウスツメゴケ、タニガワキゴケ、ヒメジョウゴゴケの仲間、ササクレマタゴケ、ヤグラゴケ、トゲシバリ、ハナゴケ、コアカミゴケ(コナアカミゴケ)、ウロコアカミゴケ、ヤリノホゴケ、コフキカラタチゴケ、アカサルオガセ、キウメノキゴケ、マツゲゴケ、カラクサゴケ、ニセキンブチゴケ
*画像は全てクリックすると拡大できます。

Fig.2 ウメノキゴケ
最もメジャーな地衣類。里山の石垣についていました。

Fig.3 イワカラタチゴケ
ウメノキゴケと同じ石垣に着生していました。
関連ページ 「関西の花・地衣類 イワカラタチゴケ」

Fig.4 屋根を覆う地衣類
こういう光景は都市近郊では見られなくなりましたね。

Fig.5 センシゴケ
神社の石段に付いていました。孔があるのが特徴。

Fig.6 ヘラガタカブトゴケ
寺院の石垣で。色鮮やかな地衣類です。

Fig.7 ヘラガタカブトゴケの一部拡大
葉縁や網目脈上にヘラ形の小裂片を付けるのが特徴。

Fig.8 ヤマトキゴケ
神社の灯篭の台にびっしりと付いていました。

Fig.9 ウラミゴケモドキ
ウチワゴケ(シダ)に覆われた巨岩側面についていました。
葉縁には先の尖った突起が並ぶのが特徴。

Fig.10 ウスツメゴケ
ヒメシノブゴケ(蘚類)に覆われた渓谷の岩上に付いていました。
関連ページ 「関西の花・地衣類 ウスツメゴケ」

Fig.11 タニガワキゴケ
増水すれば水没しそうな渓流の岩上に付着していました。

Fig.12 ヒメジョウゴゴケの仲間
この仲間は数種ありますが、試薬を使わないと区別できません。

Fig.13 ササクレマタゴケ
山際の石段の隅にかたまって生えていました。

Fig.14 不明種
ヒメジョウゴゴケに近い仲間だと思いますが、種は不明です。
造形的にとても面白いです。

Fig.15 ヤグラゴケ
あるいはヒメヤグラゴケかもしれません。まるで電波塔のようです。
貧栄養な尾根に生えていました。

Fig.16 ヤグラゴケの拡大

Fig.17 トゲシバリ
貧栄養な尾根に沢山生えています。

Fig.18 ハナゴケ
トゲシバリと同じような場所に生育しています。

Fig.19 コアカミゴケ(コナアカミゴケ)
朽ちかけた倒木上に生育していました。

Fig.20 ウロコアカミゴケ
渓流に架けられた古い木橋に付いていました。

Fig.21 立ち枯れたクリの樹に付着する地衣類
湿度の高い場所では樹木に沢山の地衣類が見られます。

Fig.22 ヤリノホゴケ
樹によく付いている地衣類です。
蘚類にも同じ名を持つものがあり、紛らわしい。

Fig.23 コフキカラタチゴケ
かなり腐った樹についていました。石垣にもよく付いています。
関連ページ 「関西の花・地衣類 コフキカラタチゴケ」

Fig.24 アカサルオガセ
沢沿いの樹幹によく付いています。
関連ページ 「関西の花・地衣類 アカサルオガセ」

Fig.25 サクラの古木についた地衣類
左のやや黄色を帯びたものはキウメノキゴケ、右はマツゲゴケ。
マツゲゴケの群れの中には、カヤラン(ランの仲間)が着生しています。

Fig.26 カラクサゴケ
ヤマザクラの枯れた枝の部分に付いていました。

Fig.27 ニセキンブチゴケ
立ち枯れたクリの樹に付いていました。
| h o m e |