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Satoyama, Plants & Nature

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シダ学びの旅 - 南紀へ - 

 シダ類の勉強のため、和歌山県の熊野地方に行って来ました。車中2泊の予定でしたが、初日は家の野暮用で半日がつぶれ、前夜発+車中1泊とほぼ同様な日程になりました。主要な目的はシチトウハナワラビ(ナンキハナワラビ)を見ることと、シロヤマシダを認識することでしたが、まだまだ混乱が多く目的を達成できたとは言えません。
しかし、兵庫県では見ることのできないシダ類も数多く観察でき、非常に意義深い旅となりました。シダ類以外でも面白いものが沢山あるので、これから年に数度は熊野行脚が続きそうです。
いろいろと見るには現地の方にご案内頂くのがよいのですが、現地の感覚を掴むためにわずかな予備知識を収集したのみで、敢えて飛び込みで探索してきました。生育環境ごと自生地と種を捉えるのは、この方法が一番です。
*画像クリックで、別ウィンドで表示されます。
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大きな画像(1024×768)を見る時は、リンク先の画像を別のウインドかタブで表示してください。


果実をつけたフウトウカズラ
Fig.1 フウトウカズラ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
暖地系の藤本植物で、コショウに近縁の種。
谷の入口の林道脇の岩場につるを伸ばしたものが結実していました。
このあたりではどこにでも見られますが、兵庫県では淡路島で見られるのみです。

マツザカシダとオオバノイノモトソウ
Fig.2 マツザカシダとオオバノイノモトソウ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
林道の路傍にマツザカシダ(左)とオオバノイノモトソウ(右)が教科書的に並んで生えていました。
マツザカシダは側羽片が1~2対(稀に3対)で、葉身は濃緑色で葉縁が強く波打ち、明るい色のオオバノイノモトソウと区別できます。
マツザカシダもフウトウカズラと同様に兵庫県では淡路島で見られるのみです。

植林地の林床に繁茂するイズセンリョウ
Fig.3 植林地の林床に繁茂するイズセンリョウ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
イズセンリョウはシカの忌避植物であり、近畿地方南部では近年林床で大きな群落を形成しつつあります。近畿中部以北の山間の林床ではイズセンリョウに変わってチャノキや植栽されたミツマタがシカ忌避植生として群落を形成しています。
南紀ではイズセンリョウ周辺では兵庫県と同様なマツカゼソウやオオバノイノモトソウ、葉質の硬いスゲ属草本が見られました。

ミヤマトベラ
Fig.4 ミヤマトベラ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
近畿地方では稀少種であるミヤマトベラも、シカの忌避植物であるため果実をつけたまま遊歩道脇で残っていました。クリンソウと同じような位置にありますが、本来的に自生地の少ない種なので見かける機会はあまりありません。

岩場のシダ類
Fig.5 岩場のシダ類 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
湿った崖がコウヤコケシノブに覆われ、画像に見えるヌリトラノオやシシランのほか、キジノオシダ、オオキジノオ、タニイヌワラビ、クルマシダ、ミヤマノコギリシダ、ナガバノイタチシダ、イノデモドキなどが生育していました。

イヌチャセンシダ
Fig.6 イヌチャセンシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
谷沿いの林道をクルマで走っていると、林道脇の岩が緑に染まっていたので降りてみると、イヌチャセンシダに覆われていました。
イヌチャセンシダの葉は岩に沿って広がり、チャセンシダのように岩場から葉が立ち上がりません。
関連ページ 関西の花/シダ・イヌチャセンシダ

クルマシダ
Fig.7 クルマシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
兵庫県では自生地が極限される種ですが、和歌山県ではシカの食害を受けにくい場所で沢山見られました。薄暗い照葉樹林下の急な沢沿いでは群生している場所にも度々出くわしました。
関連ページ 関西の花/シダ・クルマシダ

ナガバノイタチシダ
Fig.8 ナガバノイタチシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
本種もシカの食害に遭いやすいようで、多くは急斜面で見られ、大きな個体はシカに食べられにくい岩場に見られました。
関連ページ 関西の花/シダ・ナガバノイタチシダ

ノコギリシダ
Fig.9 ノコギリシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
倒木の多い植林地の林床で散在していました。
葉が硬いためか、キジノオシダやオオバノイノモトソウとともに食害をあまり受けずに生育していました。

シチトウハナワラビ(ナンキハナワラビ)
Fig.10 シチトウハナワラビ(ナンキハナワラビ) (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
何ヵ所か廻った社寺林では見ることができず、山腹の雑木林で1個体のみ見ることができました。
野生動物による撹乱を受けて胞子葉の柄から上が枯死しており、栄養葉は脇に生えているコバノカナワラビに邪魔されて暴れていました。
葉面に光沢があり、裂片の切れ込みは浅く、裂片の幅は狭いのが目立った特徴です。
ここのものは大阪府で見たナンキハナワラビとされているものよりも裂片の幅が若干広かったです。

シチトウハナワラビ(ナンキハナワラビ)の標本
Fig.11 シチトウハナワラビ(ナンキハナワラビ)の標本 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
標本にすると葉面の光沢は失われて解らなくなりますが、裂片の幅や鋸歯の切れ込み具合がオオハナワラビと異なることが解ります。

オオハナワラビ変異個体
Fig.12 オオハナワラビ変異個体 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
栄養葉はオオハナワラビとモトマチハナワラビの中間的な形状で、裂片の幅は狭く、葉身は赤紫色気味に色付いています。葉面にはそれなりに光沢があって、鋸歯もモトマチ的の特徴が見られますが、黄褐色の色素が全く表出していません。典型的なモトマチハナワラビではないものは、とりあえずはオオハナワラビとしておくべきでしょう。
関連ページ 関西の花/シダ・オオハナワラビ   関西の花/シダ・モトマチハナワラビ

ハイホラゴケ
Fig.13 ハイホラゴケ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
兵庫県内ではハイホラゴケとヒメハイホラゴケが浸透交雑を繰り返したようなコハイホラゴケあるいはホクリクホラゴケのようなものばかりに出会いますが、ここでは典型的といえるハイホラゴケを見ることができ、様々な着生シダ類とともに渓流沿いの岩上に群生していました。

ハイホラゴケの全草標本
Fig.14 ハイホラゴケの全草標本 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
羽片の裂片は立体的に広がることはなく、羽片は平面的で互いに重なりあう部分はほとんどありません。

ハイホラゴケのソーラス
Fig.15 ハイホラゴケのソーラス (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
ソーラスはラッパ状ですが、口部は浅い2弁状となり、胞子嚢床は糸状に長く伸びています。

オオコケシノブ全草標本
Fig.16 オオコケシノブ全草標本 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
本種は兵庫県では一部の場所でしか見られずRDB Aランク種となっていますが、南紀では濡れた岩場でよく見かけました。兵庫県のものは葉身も小さく、ソーラスもほとんど見られませんが、こちらではソーラスを多数つけた立派なものが多く見られました。

オオコケシノブのソーラスと胞子嚢床
Fig.17 オオコケシノブのソーラスと胞子嚢床 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
ソーラスは2弁状で、胞子嚢床は塊状となります。

ヤクシマホウビシダ
Fig.18 ヤクシマホウビシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
最初はツルホラゴケかと思いましたが、ソーラスが全く異なりサンプルを持ち帰って調べたところヤクシマホウビシダと解りました。
オオコケシノブやホソバコケシノブ、コウヤコケシノブとともに、水のしたたる岩上に群生していました。

ヤクシマホウビシダのソーラス
Fig.19 ヤクシマホウビシダのソーラス (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
ヤクシマホウビシダの葉身は2層の細胞からなるため、透明感があり透けています。
ソーラスは中肋寄りにつき、羽片の後側のほうにより多くつきます。

イワヤナギシダ
Fig.20 イワヤナギシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
兵庫県では稀なイワヤナギシダも、こちらでは谷筋の岩上のいたるところで見られました。
ただ、ソーラスをつけた葉は思いのほか少なかったです。

イワヤナギシダの葉柄基部とソーラス
Fig.21 イワヤナギシダの葉柄基部とソーラス (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
サジランに酷似しますが、葉柄基部は緑色で、ソーラスはサジランに比べて中肋に対して狭い角度でつきます。

タカノハウラボシ
Fig.22 タカノハウラボシ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
渓流の苔むした巨岩上でタカノハウラボシが見られました。
画像のような充分に生長したものは間違いようがありませんが、周辺の小型個体もソーラスを形成しており、こちらはヒメタカノハウラボシ、ケイリュウウラボシ、裂片のないミツデウラボシと見紛います。

タカノハウラボシの根茎と鱗片
Fig.23 タカノハウラボシの根茎と鱗片 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
1目盛=0.5mm。根茎は径約3mm、鱗片は褐色~淡褐色で長さ5~6mmで線形~線状披針形、全縁。
ヒメタカノハウラボシでは根茎の径1.5~2mmで、鱗片の長さ2~2.5mm。ミツデウラボシでは根茎の径2~4mm、鱗片の長さ3~4mm。
また、ミツデウラボシやケイリュウウラボシには胞子表面に突起がありますが、タカノハウラボシやヒメタカノハウラボシの胞子表面は平滑となります。

タカサゴキジノオ
Fig.24 タカサゴキジノオ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
キジノオシダとヤマソテツの中間的な印象を与える常緑性のシダ。
頂羽片はありませんが、ヤマソテツよりも葉質は厚く、生育環境が重なることはないので区別は容易です。さすがにこの時期には胞子葉は見られませんでした。

アミシダ
Fig.25 アミシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
ヒメシダ科の中でも独特の形態を持ち、一度見れば忘れることはないシダです。
岩壁の湿度の高い下部にそれなりの数が散在していました。

アミシダの胞子葉裏面
Fig.26 アミシダの胞子葉裏面 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
ソーラスは遊離脈のない網状脈に沿ってつきます。

ホングウシダ
Fig.27 ホングウシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
渓流沿いの岩壁の下部に群生していました。
同じ岩場にはヌリトラノオやシモツケヌリトラノオも見られなかなか紛らわしいですが、生育環境ははっきりと異なっていて、かなり水際近くまで生育していました。

ホングウシダのソーラス
Fig.28 ホングウシダのソーラス (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
渓流畔にはより小型のサイゴクホングウシダも出現しますが、ソーラスが羽片の切れ込みで寸断されることにより、ホングウシダと同定できます。

ホングウシダの群落
Fig.29 ホングウシダの群落 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
渓流沿いの岩壁下部の向陽~半日陰部分に優占していました。
ホングウシダの群落のすぐ上にはヌカイタチシダモドキ、ヌカイタチシダ、キジノオシダが混生しており、その陰にヌリトラノオや小型のエダウチホングウシダが生育していました。
岩壁上部の比較的乾いた場所ではシモツケヌリトラノオが見られ、途中の日陰でやや空中湿度の高い部分にはアミシダやキミズらしきもの(キミズモドキ?)が見られました。

ヒノキシダ
Fig.30 ヒノキシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
空中湿度の高い巨岩が累積する渓流沿いにヒノキシダの群落が発達していました。
付近にはイワヤナギシダも群生していますが、イワヤナギシダよりも渓流に近い岩上を覆って純群落を形成しています。兵庫県では見ることの出来ない美しいシダで、しばし見とれてしまいました。

ヒノキシダ群落
Fig.31 ヒノキシダ群落 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
ヒノキシダは中軸の先端が長く伸びて、先にクローンを形成して栄養繁殖するため、このような純群落をつくるようです。

ミズスギ
Fig.32 ミズスギ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
林道を上がると谷から離れて尾根を縫うように敷設されていましたが、乾いたように見える林道脇に胞子嚢穂をつけたミズスギが多数見られました。
兵庫県で見るものとは生育環境が異なっていますが、雨が多いためにこのような場所でも生育できるのでしょう。南紀滞在中には夜間から早朝にかっけては必ず降雨がありました。
関連ページ 湿生植物・ミズスギ

ヒュウガシダ
Fig.33 ヒュウガシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
シカの食害は顕著で、奥山に行くほど地表の植生は単調となり、シロヤマシダ様のシダ類は全く見られませんでしたが、山麓の国道沿いの林下にそれらしいものがポツポツと見られました。
シロヤマシダよりも最下羽片の柄が長く見えるこの個体は、コウモウクジャクとシロヤマシダの中間的な形質を持つヒュウガシダのようです。

採集した葉身 ヒュウガシダ
Fig.34 採集した葉身 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
画像と同じ場所で採集した葉。葉身は長3角状卵形、最下羽片の柄は長い。

採集品の葉柄基部鱗片とソーラス
Fig.35 採集品の葉柄基部鱗片とソーラス (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
恐らくソーラスでは近似種とは区別できないのでしょう。
葉柄基部の鱗片はコウモウクジャクほど残存していませんでした。
近似種との区別は1度訪れたくらいでは習得できず、何度も通う必要があると実感します。

開花したオニシバリ
Fig.36 開花したオニシバリ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
周辺の林床ではシカの忌避植物であるオニシバリが開花中でした。
花は黄緑色のもののほか、画像のような緑色が強く花披が紫色を帯びているものも見られました。

セリバオウレン
Fig.37 セリバオウレン (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
翌日に向かった山域の麓ではセリバオウレンがちらほらと開花し始めていました。
兵庫県よりも開花が2~3週間程早いようです。
関連ページ 関西の花・セリバオウレン

アツミカンアオイ
Fig.38 アツミカンアオイ (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
道中には林縁や樹冠の切れた場所でアツミカンアオイが点々と見られました。
葉身は厚い革質で光沢があり、脈が窪むのが特徴で、分布域は三重・奈良・和歌山の紀伊半島南部に偏在しています。
近畿地方の日本海側に見られるものもアツミカンアオイとされていますが、これほどの厚味と光沢はなく、サンインカンアオイと仮称されるようにおそらくは別種でしょうが、まだ正式に記載されていません。

アツミカンアオイの花
Fig.39 アツミカンアオイの花 (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
花の色は変異に富み、紫褐色のもから淡黄色~汚緑色のものまで見られ、葉を掻き分けて花色を確かめるのは楽しいものです。

ナチクジャク
Fig.40 ナチクジャク (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
訪れた山域ではマルバベニシダが多い場所でしたが、ナチクジャクとマルバベニシダとの中間的なイヌナチクジャクも見られました。
ナチクジャクはマルバベニシダやイヌナチクジャクよりも小型の個体ばかりでした。
関連ページ 関西の花/シダ・ナチクジャク

ヌカイタチシダ
Fig.41 ヌカイタチシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
兵庫県では非常に稀なシダですが、南紀では前日の岩場でも見かけ、比較的よく見られるシダのようです。ここではウラジロやコシダに被圧されない、遊歩道脇の地表に生えており、周辺の湿った岩上にも点々と生育していました。

ヌカイタチシダのソーラス
Fig.42 ヌカイタチシダのソーラス (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
ソーラスは最下羽片の中軸寄りから羽片の先や葉先に向かって同心円状に広がってつき、小さく、包膜がありません。

ヌカイタチシダモドキ
Fig.43 ヌカイタチシダモドキ (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
ヌカイタチシダモドキも南紀では比較的見られるもののようで、2日連続で見ることができました。
ヌカイタチシダよりもヌカイタチシダマガイに酷似していると感じます。
ヌカイタチシダマガイとの区別点として葉面の光沢の有無があげられますが、実際にはかなり微妙なもので、最初はヌカイタチシダマガイと思っていましたが、帰宅後に標本の鱗片を確認してヌカイタチシダモドキだと解りました。
Mさんによると、南紀ではヌカイタチシダマガイは稀なもののようです。

ヌカイタチシダモドキの下方の羽片と葉柄基部鱗片
Fig.44 ヌカイタチシダモドキの下方の羽片と葉柄基部鱗片 (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
羽軸は中軸とほぼ直交し、羽片は無柄、先に向かって鎌状に曲がり、先端は急尾状に細まります。小羽片も羽片の中軸にほぼ直交してつきます。
鱗片は暗褐色~黒色、線形~線状披針形でヌカイタチシダマガイよりも幅が狭く、鱗片基部は軸に圧着しません。
兵庫県ではヌカイタチシダマガイ、アツギノヌカイタチシダマガが丹波層群の分布域を中心とした内陸部に点々と見られますが、両種は南紀では稀なものとなっており、このような分布の濃淡の原因がどこにあるのか、非常に興味深いところです。

エダウチホングウシダ
Fig.45 エダウチホングウシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
エダウチホングウシダも2日連続で観察できましたが、ここでは下方の羽片が羽状になった充実した個体が林縁のウラジロやコシダの葉陰で沢山見られました。

エダウチホングウシダの若い個体
Fig.45 エダウチホングウシダの若い個体 (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
若い小型の個体では最下羽片は羽状にならず、丸みを帯びた横長の羽片となります。
このような小型個体でも葉縁裏面にはソーラスが形成されています。

コウモウクジャク
Fig.46 コウモウクジャク (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
細流脇の倒木が折れ重なった場所に、倒木にしなだれるように大きな葉身を持たれ掛けながら生育しているシダがありました。
最下羽片の柄は長くタンゴワラビのようにも見えますが、タンゴワラビよりも葉質は柔らかく、葉柄基部には多くの鱗片が残っています。鱗片や脈の状態からコウモウクジャクではないかと見ましたが、自信はありません。

コウモウクジャクの鱗片、最下羽片、ソーラス
Fig.47 コウモウクジャクの鱗片、最下羽片、ソーラス (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
タンゴワラビやシロヤマシダには見られないような黒味を帯びた鱗片が葉柄に残っており、辺縁には突起が見られました。
最下羽片には長い柄があり、小羽片はタンゴワラビよりもスマートで明瞭な短柄があります。
ソーラスは小さく中間生で、側脈はほとんど分岐していません。

ナチシダ
Fig.48 ナチシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
ナチシダはシカの忌避植物で近畿地方では増えつつあるシダで、兵庫県ではRDB種にランクされていますが、これまで見られなかった場所でも見つかっている種です。
南紀でもいたるところで見られましたが、夏緑性シダなので奥山では枯れた残骸が目立ちました。温暖な海岸寄りの社寺林ではまだ冬枯れしていない個体も見られました。
芽立ちのフィドルヘッドは兵庫県で殖えつつあるオニヒカゲワラビと同様に山菜として利用できるので、南紀では積極的に利用してもよいもののように思います。
関連ページ 関西の花/シダ・ナチシダ

リュウビンタイ
Fig.49 リュウビンタイ (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
兵庫県では見られない大型の常緑シダで、奥山よりも海岸に近い常緑樹林下や社寺林の数ヶ所で見かけました。画像のものは社寺の裏山の日陰の多湿地で、大小30個体前後が部分的に群生していたものです。
このような大型のシダが群生している様子は地元では見られない光景で、細部を観察する前にしばし圧倒されてしまいます。

オオタニワタリとタマシダ
Fig.50 オオタニワタリとタマシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
社寺林を仕切る石垣にオオタニワタリとタマシダが群生していました。
境内の一画にはオオタニワタリが植栽されていると見られる場所があり、このオオタニワタリはそこから胞子が飛んで逸出して育ったものとも考えられます。
旺盛に繁殖しているタマシダは海岸沿いの石垣や斜面に繁茂しているのが見られ、自然分布と考えられるものです。

カゴノキに着生したオオタニワタリ
Fig.51 カゴノキに着生したオオタニワタリ (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
境内の大木にはオオタニワタリの幼株が着生しているものが多く見られ、特にカゴノキには比較的大きな個体が着生していました。

マツバラン
Fig.52 マツバラン (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
兵庫県では稀ですが、紀伊半島の海岸に面した場所では乾いた岩場や石垣で比較的よく見かけます。
江戸時代から続く園芸植物であるため、自生か栽培による胞子散布拡散の逸出か判断することは難しいものです。
西宮市内にも社寺内に見られますが、自生のものと断定するのは難しいものです。

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春から初夏のシダ 

春から初夏にかけてはシダのフィドルヘッドと鮮やかな新葉があちこちで楽しめます。
平地では新葉も伸びきってしまいましたが、但馬の高地ではまだまだ楽しめます。
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サカゲイノデのフィドルヘッド
Fig.1 サカゲイノデのフィドルヘッド (兵庫県北播地方 2017.4/25)
大きな淡褐色の鱗片に覆われ、地色は淡緑色。
関連ページ 関西の花/シダ・サカゲイノデ

ミヤマクマワラビのフィドルヘッド
Fig.2 ミヤマクマワラビのフィドルヘッド (兵庫県北播地方 2017.4/25)
光沢のある黒色の鱗片に覆われ、地色は淡緑色。

ツヤナシイノデのフィドルヘッド
Fig.3 ツヤナシイノデのフィドルヘッド (神戸市 2017.4/25)
サカゲイノデとよく似た淡褐色の鱗片に覆われ、地色は淡緑色。
関連ページ 関西の花/シダ・ツヤナシイノデ

オウレンシダのフィドルヘッドと新葉
Fig.4 オウレンシダのフィドルヘッドと新葉 (神戸市 2017.4/29)
フィドルヘッド、新葉ともに小さくて可愛いものです。
関連ページ 関西の花/シダ・オウレンシダ

ツルデンダの新葉
Fig.5 ツルデンダの新葉 (神戸市 2017.4/29)
常緑性なので昨年の葉は残り、フィドルヘッドは水平に開いていきます。
関連ページ 関西の花/シダ・ツルデンダ

カタイノデ群生地
Fig.6 カタイノデ群生地 (神戸市 2017.5/1)
Uさんが最近発見されたカタイノデの群生地を案内して頂きました。
広い神戸市域内でも最も規模の大きい群生地で、画像の場所ではアイアスカイノデと混生しており、両種の自然雑種アイカタイノデも見られました。

新葉を展開したカタイノデ
Fig.7 新葉を展開したカタイノデ (神戸市 2017.5/1)
新葉のうちは光沢のある鮮緑色で、カタイノデ独特の濃い緑色にはなっていません。

カタイノデの葉柄基部鱗片
Fig.8 カタイノデの葉柄基部鱗片 (神戸市 2017.5/1)
黒褐色で光沢があり、紙質のやや硬い鱗片が付いています。

新葉を展開したアイカタイノデ
Fig.9 新葉を展開したアイカタイノデ (神戸市 2017.5/1)
大型となり、葉身の色や葉先の形状はカタイノデに似ていますが、葉柄は長く立ち上がり気味になります。地表に倒伏している昨年の葉のソーラスは固く縮こまり弾けていませんでした。

アイカタイノデの葉柄基部鱗片
Fig.10 アイカタイノデの葉柄基部鱗片 (神戸市 2017.5/1)
アイアスカイノデに似て細長く、鱗片は捻れ気味になります。

新葉を展開したミツイシイノデ
Fig.11 新葉を展開したミツイシイノデ (神戸市 2017.5/1)
ミツイシイノデはカタイノデとサイゴクイノデの自然雑種。先のアイカタイノデがある谷筋とは別の谷で。アイカタイノデ同様に大型となり、カタイノデよりも光沢も色も薄くなります。昨年の葉のソーラスは弾けていません。

ミツイシイノデの葉柄基部鱗片
Fig.12 ミツイシイノデの葉柄基部鱗片 (神戸市 2017.5/1)
基部にはカタイノデに近い鱗片が密生しますが、淡褐色の細くて小さい鱗片が混じり、上に向かうにつれ大きな鱗片の色も黒褐色から栗褐色に変わります。

ナツノハナワラビ
Fig.13 ナツノハナワラビ (神戸市 2017.5/1)
社寺境内で1個体のみ見られ、胞子葉を上げ始めていました。
同じ社寺境内にはオオハナワラビ、ホソバオオハナワラビ(仮称)、コヒロハハナヤスリなどのシダ類や、ムロウマムシグサ、神戸市内では自生地の少ないセリバオウレンが生育しています。
関連ページ 関西の花/シダ・ナツノハナワラビ

ハナワラビsp.
Fig.14 ハナワラビsp. (神戸市 2017.5/1)
オオハナワラビとモトマチハナワラビの自然雑種と見られるもので、裂片の鋸歯はモトマチハナワラビの特徴が出ています。冬期に色付いた葉が色褪せかけていますが、やや光沢があり、名残りの黄褐色はモトマチハナワラビの特徴と一致します。
関連ページ 関西の花/シダ・オオハナワラビ
関連ページ 関西の花/シダ・モトマチハナワラビ

ホソバイヌワラビの新葉
Fig.15 ホソバイヌワラビの新葉 (神戸市 2017.5/1)
近縁のトガリバイヌワラビ系の新葉よりも鮮やかで色濃い新葉を展開します。
関連ページ 関西の花/シダ・ホソバイヌワラビ

ハコネシダの新葉
Fig.16 ハコネシダの新葉 (神戸市 2017.5/1)
多少赤味を帯びた淡黄緑色の葉を展開し、黒紫色の中軸とのコントラストが美しい。
関連ページ 関西の花/シダ・ハコネシダ

モトマチハナワラビ
Fig.17 モトマチハナワラビ (兵庫県北播地方 2017.5/6)
北播ではこれまでモトマチハナワラビは見つかっていませんでしたが、古い社寺林内の林床に生育していました。大型のものが20個体ほど生育していましたが、幼個体はなく、前葉体形成に必要な共生菌類は現在は存在していないのかもしれません。
関連ページ 関西の花/シダ・モトマチハナワラビ

オニヒカゲワラビのフィドルヘッド
Fig.18 オニヒカゲワラビのフィドルヘッド (兵庫県北播地方 2017.5/6)
地色は緑色で黒褐色~暗褐色の鱗片がまばらに付いています。
シカの忌避植物ですが、アクやクセのない美味しい山菜として利用できます。
関連ページ 関西の花/シダ・オニヒカゲワラビ

オニヒカゲワラビを利用したパスタ
Fig.19 オニヒカゲワラビを利用したパスタ (兵庫県北播地方 2017.5/6)
調査途中の昼食に携帯コンロでワンポット・パスタの要領で作ったペペロンチーノ。
具材はオニヒカゲワラビ、タラノメ、ブラックオリーブ、アミエビです。

ミヤマベニシダのフィドルヘッド
Fig.20 ミヤマベニシダのフィドルヘッド (兵庫県但馬地方 2017.5/7)
緑色の地色に、茶褐色~濃褐色の鱗片と淡色の毛状鱗片を付けています。
関連ページ 関西の花/シダ・ミヤマベニシダ

タニイヌワラビの新葉
Fig.21 タニイヌワラビの新葉 (兵庫県但馬地方 2017.5/7)
新葉はイヌワラビの仲間のうちでも最も美しいものだと思います。
常緑性のシダですが、昨年の葉は地表に倒伏し、立ち上がり気味に出る新葉が目立ちます。
関連ページ 関西の花/シダ・タニイヌワラビ

残存していたイワヤシダ
Fig.22 残存していたイワヤシダ (兵庫県但馬地方 2017.5/7)
シカの食害が激しく、かつて記録のあった地域で、1枚の葉を持つ小型個体が3個体のみ残っていました。

緑色となったアカハナワラビ
Fig.23 緑色となったアカハナワラビ (兵庫県但馬地方 2017.5/13)
冬期に紅変していたアカハナワラビも、この時期になると緑色に戻ります。
これまで但馬地方での記録は無かったようですが、社寺境内のイロハカエデの樹下に小型の個体が20個体ほど生育していました。
関連ページ 関西の花/シダ・アカハナワラビ

倒木上のスギラン
Fig.24 倒木上のスギラン (兵庫県但馬地方 2017.5/13)
スギランは大木の高い位置に着生しているものですが、近年倒れたと思われる倒木上に残っていました。同じ樹にはミヤマノキシノブも見られました。
雪をかぶっていたためか、下方は弱っているようで黄変していましたが、上部は鮮やかな緑色で、採取してジップロックに入れて適湿を保ち胞子嚢が作られるのを待っています。
胞子嚢ができたら標本にして博物館に収蔵する予定です。現在、胞子嚢が少しずつ作られはじめています。

イヌガンソクのフィドルヘッド
Fig.25 イヌガンソクのフィドルヘッド (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
雪が融けて間もない林道脇の草地からフィドルヘッドを立ち上げていました。
栄養葉のフィドルヘッドで、卵状披針形の淡褐色の鱗片に覆われ、地色は淡緑色。
特徴的な胞子葉は栄養葉よりやや遅れて出てきます。
関連ページ 関西の花/シダ・イヌガンソク

オシダのフィドルヘッド
Fig.26 オシダのフィドルヘッド (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
基部近くは暗褐色、上部は淡褐色の細長い鱗片に密に覆われています。
関連ページ 関西の花/シダ・オシダ

シノブカグマのフィドルヘッド
Fig.27 シノブカグマのフィドルヘッド (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
基部近くは褐色で、上部は黒褐色の鱗片に覆われていて、少し暴れ気味に展開していきます。
関連ページ 関西の花/シダ・シノブカグマ

ヤマドリゼンマイのフィドルヘッド
Fig.28 ヤマドリゼンマイのフィドルヘッド (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
遅くまで雪が残るような場所では、雪解け加減によってシダの展葉の様々な段階が観察できます。
ここではよく管理された植林地の林床で、展葉の段階が観察できました。
ヤマドリゼンマイはゼンマイ属に共通する綿毛に包まれ、鱗片はありません。
綿毛はふつう褐色を帯びています。

新葉を展開するヤマドリゼンマイ
Fig.29 新葉を展開するヤマドリゼンマイ (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
林床の日当たりよい場所では雪解けが早いため、木漏れ日を浴びながら鮮やかな新葉を展開していました。葉柄、葉身ともに立ち上がります。

シラネワラビのフィドルヘッド
Fig.30 シラネワラビのフィドルヘッド (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
栗褐色と淡褐色の鱗片に覆われ、地色は緑色です。
関連ページ 関西の花/シダ・シラネワラビ

新葉を展開するシラネワラビ
Fig.31 新葉を展開するシラネワラビ (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
葉身は鮮やかな緑色で、次第に斜開していきます。

ヤマソテツのフィドルヘッド
Fig.32 ヤマソテツのフィドルヘッド (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
フィドルヘッドには早落性の褐色の短毛がまばらにつき、緑色。
食用になりますが、収穫量は望めないので、まだ利用したことがありません。
関連ページ 関西の花/シダ・ヤマソテツ

新葉を展開するウスゲミヤマシケシダ
Fig.33 新葉を展開するウスゲミヤマシケシダ (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
大型個体ですが展葉はこじんまりとして、可愛らしく、葉身は反り返りながら展開していました。
中軸には細毛が生え、白味を帯びています。。
関連ページ 関西の花/シダ・ウスゲミヤマシケシダ

ギフベニシダの新葉
Fig.34 ギフベニシダの新葉 (兵庫県東播地方 2017.5/26)
草刈りされた溜池土堤の下部でギフベニシダの新葉が展開していました。
ベニシダのように紅色を帯びず、葉身上部がベニシダより長めで、この時期でも区別可能です。
関連ページ 関西の花/シダ・ギフベニシダ

新葉を広げたミヤマクマワラビ
Fig.35 新葉を広げたミヤマクマワラビ (兵庫県北播地方 2017.5/26)
展葉したばかりのミヤマクマワラビは黒い鱗片に覆われた中軸と、羽片の瑞々しい緑色のコントラストが美しい。

新葉を広げたミヤマベニシダ
Fig.36 新葉を広げたミヤマベニシダ (兵庫県北播地方 2017.5/27)
下草の少ない植林地の林床で新葉を展開したミヤマベニシダの集団が目だっていました。
関連ページ 関西の花/シダ・ミヤマベニシダ

新葉を広げたオシダ
Fig.37 新葉を広げたオシダ (兵庫県北播地方 2017.5/27)
夏を過ぎれば暑苦しい印象のオシダも、この時期は非常に美しいものです。
関連ページ 関西の花/シダ・オシダ

群生するツルデンダ
Fig.38 群生するツルデンダ (兵庫県北播地方 2017.5/26)
谷筋を遡行していくと岩壁に夥しい数のツルデンダが群生していました。
冷涼な場所であるためか、まだ新葉を展開していませんでした。
関連ページ 関西の花/シダ・ツルデンダ

コケシノブ
Fig.39 コケシノブ (兵庫県北播地方 2017.5/27)
ツルデンダの群生する岩場の下部ではコケシノブが群生していました。
関連ページ 関西の花/シダ・コケシノブ

ヒメノキシノブ
Fig.40 ヒメノキシノブ (兵庫県北播地方 2017.5/27)
谷筋の大木の樹幹にはヒメノキシノブやオシャグジデンダがあちこちで見られました。
関連ページ 関西の花/シダ・ヒメノキシノブ

ホソバイヌワラビとトガリバイヌワラビの中間的な個体
Fig.41 ホソバイヌワラビとトガリバイヌワラビの中間的な個体 (兵庫県北播地方 2017.5/27)
内陸部の比較的涼しげな場所でよく見られるタイプで、新葉は黄緑色。
トガリバイヌワラビよりも多いという印象があります。
関連ページ 関西の花/シダ・ホソバイヌワラビ

新葉を広げたウスヒメワラビ
Fig.42 新葉を広げたウスヒメワラビ (兵庫県北播地方 2017.5/27)
ウスヒメワラビはシカに真っ先に食害を受けるため、大きな成葉を展開している個体を見かける機会が少なくなっています。ここでは岩場の食害を受けにくい場所で、繊細な新葉を広げていました。
関連ページ 関西の花/シダ・ウスヒメワラビ

新葉を広げたオウレンシダ
Fig.43 新葉を広げたオウレンシダ (京都府丹後地方 2017.6/10)
シカの食害の激しい地域ですが、イワヒメワラビやコバノイシカグマとともに沢筋に生育していました。シカの忌避植物だとは聞いていませんが、シカがあまり好まないものなのかも知れません。
関連ページ 関西の花/シダ・オウレンシダ

category: シダ

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11月に見たシダなど 

 11月に見たシダ類を備忘録としてまとめました。着生シダの調査、シダの会の観察会など、降雨にたたられるたことも多かったため、デジタル一眼を出すことができない上に遠距離の被写体が多く、鮮明な画像は少ないですが未見の種をいくつか見ることができました。
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ヒメサジラン
Fig.1 ヒメサジラン (兵庫県丹波地方 2016.11/1)
この日はとある谷筋に着生シダの調査で数名の有志とともに入りました。
谷筋の入口近くの苔むした岩上では小さなヒメサジランが点々と見られました。
関連ページ 関西の花/シダ・ヒメサジラン

ヌカイタチシダマガイ
Fig.2 ヌカイタチシダマガイ (兵庫県丹波地方 2016.11/1)
チャートの岩上に着生しており、この谷筋ではかなり密度濃く生育していました。
そろそろ兵庫県でのRDBのランクが落ちそうな感じです。
関連ページ 関西の花/シダ・ヌカイタチシダマガイ

ヌカイタチシダマガイ群落
Fig.3 ヌカイタチシダマガイ群落 (兵庫県丹波地方 2016.11/1)
このような群落が谷筋の岩上のところどことに見られました。

アツギノヌカイタチシダマガイ
Fig.4 アツギノヌカイタチシダマガイ (兵庫県丹波地方 2016.11/1)
チャートの岩上にまばらに生育していました。
谷全体では100個体を超えているはずで、こちらのランクも下がりそうです。
関連ページ 関西の花/シダ・アツギノヌカイタチシダマガイ

フジシダ群落
Fig.5 フジシダ群落 (兵庫県丹波地方 2016.11/1)
チャートの転石帯があり、そこにフジシダがびっしりと群生していました。
転石の間から冷気と湿り気が出ているため、このような群生になったと見られます。
関連ページ 関西の花/シダ・フジシダ

オオフジシダ
Fig.6 オオフジシダ (兵庫県丹波地方 2016.11/1)
オオフジシダのほか、カミガモシダ、ヌリトラノオ、アイヌリトラノオ、シシランなどのチャート岩上の常在種が見られました。
シカの食害以前にはヒメムカゴシダも見られたとのことですが、植生は多少回復していたものの、地上生のシダは小型のものがほとんどでヒメムカゴシダと確定できるものは見つかりませんでした。
関連ページ 関西の花/シダ・オオフジシダ

ホソバカナワラビ
Fig.7 ホソバカナワラビ (京都府丹後地方 2016.11/2)
この日は丹後地方の氾濫原と水田雑草の調査に赴きましたが、その前にちょっと寄り道。
海岸近くの照葉樹林や竹林ではホソバカナワラビの群生があちこちで見られました。
関連ページ 関西の花/シダ・ホソバカナワラビ

コバノカナワラビ
Fig.8 コバノカナワラビ (京都府丹後地方 2016.11/2)
コバノカナワラビも岩場に着生しているものがわずかに見られました。
日本海側では珍しいものだと思います。

ノコギリヘラシダ(左上)とヘラシダ(中央~右)
Fig.9 ノコギリヘラシダ(左上)とヘラシダ(中央~右) (京都府丹後地方 2016.11/2)
まさかこんなものが見れるとは思いもよりませんでした。
ノコギリヘラシダはヘラシダとナチシケシダの推定種間雑種とされており、南方系のものです。
丹後半島一帯は寒冷期に暖地系植物のレフュジアとなったとする見解がありますが、先のコバノカナワラビや冠島のハチジョウベニシダ、沿岸のヒトモトススキやヒゲスゲ、ハマナデシコの存在はそれを裏付けるものかもしれません。
関連ページ 関西の花/シダ・ヘラシダ

ヘラシダ(上)とノコギリヘラシダ(下)のソーラス 
Fig.10 ヘラシダ(上)とノコギリヘラシダ(下)のソーラス (京都府丹後地方 2016.11/2)

ハコネシケチシダ
Fig.11 ハコネシケチシダ (兵庫県但馬地方 2016.11/17)
この日は草原性植物の果実や痩果の観察に出掛けましたが、多くの種は草刈りに遭っており、目的の半ばしか達成できませんでした。換わりに周辺の林縁や山林内をウロウロ。
するとチシマザサの中で頑張っているハコネシケチシダが居ました。

トガリバイヌワラビ
Fig.12 トガリバイヌワラビ (兵庫県但馬地方 2016.11/17)
夏緑性シダで、寒気に当たってかなり色褪せていました。
兵庫県北部ではふつうに見られますが、好きなシダのひとつです。

タニヘゴ
Fig.13 タニヘゴ (兵庫県但馬地方 2016.11/17)
湿地ではヤマドリゼンマイは枯れていましたが、タニヘゴはまだ緑色を保っていました。
近年、内陸部の休耕田や溜池畔に生育しているものはシカの食害をひどく受けています。
関連ページ 湿生植物・タニヘゴ

フロウソウ
Fig.14 フロウソウ (兵庫県但馬地方 2016.11/17)
比較的稀な蘚類で、湿地や多湿の腐植土上に生育しています。
ここでは湿地のヤマドリゼンマイの株元に群生が見られました。

コウヤノマンネングサ
Fig.15 コウヤノマンネングサ (兵庫県但馬地方 2016.11/17)
上記のフロウソウに近い仲間で、苔体はより大きく比較的ふつうに見られます。
本種は渓流沿いの空中湿度の高い場所などでよく見かけます。

ウスツメゴケ
Fig.16 ウスツメゴケ (兵庫県但馬地方 2016.11/17)
褐色のツメのような子器をつける地衣類で、空中湿度の高い場所によく見られます。
関連ページ 関西の花/地衣類・ウスツメゴケ

オシャグジデンダ
Fig.17 オシャグジデンダ (兵庫県但馬地方 2016.11/17)
本種は冬緑性シダ。ちょうど新葉を広げた時期で新鮮な葉が綺麗でした。
但馬地方の原生林ではふつうに見かけるシダです。
関連ページ 関西の花/シダ・オシャグジデンダ

ヒメノキシノブ
Fig.18 ヒメノキシノブ (兵庫県北播地方 2016.11/19)
この日は朝から雨が降っていましたが、シダの会の観察会でした。
最初に入った谷筋ではノキシノブは見られず、ヒメノキシノブが樹幹に数多く着生していました。

サジラン?
Fig.19 サジラン? (兵庫県北播地方 2016.11/19)
非常に生育状態の良い集団が渓流に面した岩陰に着生していました。あまりに大きいので、サジランなのかイワヤナギシダなのか解らず、その場での同定は持ち越しになったものです。

クラガリシダ
Fig.20 クラガリシダ (兵庫県北播地方 2016.11/19)
渓流に面した高木の上部に点在していました。
クラガリという名に反して、上部が開けたような高木の明るい場所に着生していました。
但馬地方にもあるとのことですが、まだ見たことはありません。

ビロードシダとヒメノキシノブ
Fig.21 ビロードシダとヒメノキシノブ (兵庫県北播地方 2016.11/19)
少しブレてしまい解りづらいですがくすんだ暗緑色のヘタったように見えるものがビロードシダ。
画像右手の鮮緑色で葉幅が広いものがヒメノキシノブです。
関連ページ 関西の花/シダ・ビロードシダ

オオクジャクシダ
Fig.22 オオクジャクシダ (兵庫県北播地方 2016.11/19)
この付近ではシカの食害で、このような完品は珍しいので思わず撮影。
峻険な谷筋の滝近くで、シカがあまり入り込まないような場所だからでしょう。
関連ページ 関西の花/シダ・オオクジャクシダ

イブキシダ
Fig.23 イブキシダ (兵庫県但馬地方 2016.11/19)
この日一番見たかったシダで、渓流沿いの岩上や斜面にかなりの数が生育していました。
特徴的な羽片を持った美しいシダに感激しました。
「兵庫の植物観察&new私の山登り」のMさんが最近発見された自生地です。

ホクリクイヌワラビ
Fig.24 ホクリクイヌワラビ (兵庫県但馬地方 2016.11/19)
本来はウラボシノコギリシダとイヌワラビの雑種ですが、捻性を獲得しているようで、このあたりでは広い範囲で生育しており、逆に純粋なウラボシノコギリシダは見かけません。

category: シダ

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但馬で見たシダの覚え書き 

 前回は但馬の高原や湿地の植物を取り上げましたが、今回は同じ日に見たシダと、直近の京丹後~但馬の海浜植物の観察の際に見たシダの覚え書きです。
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オオクジャクシダ
Fig.1 オオクジャクシダ (兵庫県但馬地方 2016.10/20)
高原から渓谷へ向かう途中の林道脇の斜面に生育していました。
県中部以北でよく見かけますが、似たものに稀少種がいろいろとあるので、見つけたらチェックが欠かせません。
関連ページ 関西の花/シダ・オオクジャクシダ

イワデンダ
Fig.2 イワデンダ (兵庫県但馬地方 2016.10/20)
渓谷入口の休耕田の石垣の間に生育しています。
奥山よりも人里近くの岩場や石垣に多いという印象があります。
関連ページ 関西の花/シダ・イワデンダ

イヌチャセンシダ
Fig.3 イヌチャセンシダ (兵庫県但馬地方 2016.10/20)
本種もやや人里近い場所に多いという印象です。
ここでは渓谷入口の社寺境内にある多湿な岩場に群生していました。
関連ページ 関西の花/シダ・イヌチャセンシダ

ヤマソテツ
Fig.4 ヤマソテツ (兵庫県但馬地方 2016.10/20)
渓谷に入るとヤマソテツが現れ、奥山に来たという印象を強くします。
このあたりではシカの食害で無残な姿のものをよく見かけますが、ここは比較的食害が軽微のようです。
関連ページ 関西の花/シダ・ヤマソテツ

ウスゲミヤマシケシダ
Fig.5 ウスゲミヤマシケシダ (兵庫県但馬地方 2016.10/20)
ハクモウイノデやミヤマシケシダに酷似しますが、基部が粘液に包まれることにより区別できます。
本種も奥山の沢沿いなどに見られるシダです。
周辺にはミヤマベニシダもありましたが、画像を撮るのを忘れてしまいました。
関連ページ 関西の花/シダ・ウスゲミヤマシケシダ

ホクリクホラゴケ?
Fig.6 ホクリクホラゴケ? (兵庫県但馬地方 2016.10/20)
滝が現れ、その脇の岩場に群生していました。
ハイホラゴケとヒメハイホラゴケの中間型でややハイホラゴケ寄りの集団です。
ホクリクホラゴケかコハイホラゴケ(ハイホラゴケ×ヒメハイホラゴケ)のどちらかでしょう。
関連ページ 関西の花/シダ・コハイホラゴケ

イワイタチシダ
Fig.7 イワイタチシダ (兵庫県但馬地方 2016.10/20)
さらに谷を遡ると渓流畔の岩上にイワイタチシダが見られるようになりました。
結構な個体数でしたが、よく随伴するフクロシダはこの谷にはありませんでした。
関連ページ 関西の花/シダ・イワイタチシダ

ハコネシケチシダ
Fig.8 ハコネシケチシダ (兵庫県但馬地方 2016.10/20)
シカの食害を受けたのでしょう。小型の夏葉が2枚出ているのを見たのみでした。

ミヤマワラビ
Fig.9 ミヤマワラビ (兵庫県但馬地方 2016.10/20)
本種は但馬の氷ノ山の岩場に見られるものですが、ここでは冷涼多湿な60m級の滝の傍に生育していました。
関連ページ 関西の花/シダ・ミヤマワラビ

オニヒカゲワラビ
Fig.10 オニヒカゲワラビ (兵庫県但馬地方 2016.10/20)
シカの忌避植物であるため、各地でよく見かけるふつうなシダになりました。
この谷でも状態のよい群落が見られます。
関連ページ 関西の花/シダ・オニヒカゲワラビ

タンゴワラビ
Fig.11 タンゴワラビ (兵庫県但馬地方 2016.10/27)
この日は海浜植物の観察に来ましたが、途中に自生要確認種の自生地に立ち寄りました。
本来のお目当てだった種は消えていましたが、タンゴワラビの群生とハコネシケチシダが見られました
関連ページ 関西の花/シダ・タンゴワラビ

矮小化したコモチシダ
Fig.12 矮小化したコモチシダ (京都府京丹後市 2016.10/27)
海崖が続く林道脇の岩上で矮小化したコモチシダが見られました。
風衡地であることと、シカの食害が原因でしょうか?
関連ページ 関西の花/シダ・コモチシダ

ウラボシ科sp.
Fig.13 ウラボシ科sp. (京都府京丹後市 2016.10/27)
潮風が当たるような漁港の石垣に付いていました。
ヒメサジランの大きなものかと思いましたが、中央脈は明瞭で大きさからもヒメサジランではありません。ソーラスは形成されておらず、サジランなのかイワヤナギシダなのか、それ以外の種なのか不明です。

ヒメミズワラビ
Fig.14 ヒメミズワラビ (京都府京丹後市 2016.10/27)
途中、気になって立ち寄った氾濫原の水田で群生していました。
同じ水田ではミズマツバ、アブノメ、ヒメミソハギが生育していました。
関連ページ 湿生植物・ヒメミズワラビ

category: シダ

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ヒメムカゴシダと自生地周辺 

 あいかわらずシカによる稀少種の食害が問題となっており、伊吹山ではシモツケソウの群落が壊滅状態といった話も聞きます。今回は来月の稀少種調査の下見を兼ね、シカの食害対策が懸案となっているヒメムカゴシダの様子と周辺のシダ類を観察してきました。
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ヒメムカゴシダ
Fig.1 ヒメムカゴシダ (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
全国的に自生地が極限されるため、各府県で絶滅危惧種として高いランク付けになっています。
大きなものは葉身が1mにもなりますが、ここでは60cm程度のものが最大で、多くの個体は30~40cmほどです。中軸と羽軸の交点にムカゴをつけるのが大きな特徴です。
関連ページ 関西の花/シダ・ヒメムカゴシダ

ヒメムカゴシダ自生状況
Fig.2 自生状況 (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
チャートの転石が堆積する崖錘斜面に群生していて、昨年調査した時とあまり生育状態に変化はありませんでした。シカの忌避植物とまではいかなくとも、不嗜好植物あたりではないかと思いましたが、3年前は壊滅的なまでの食害を受けていたとのことです。
シカが移動したのか、何等かの原因で減少したのか不明ですが、個体数が減っていないのは幸いです。
1mに及ぶ大型個体がないのは、3年前の食害の影響を受けているからでしょう。
画像中に見える白いビニール紐は防獣ネット敷設予定ラインです。

オオフジシダ?
Fig.3 オオフジシダ? (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
ヒメムカゴシダ群生箇所から5mほど上の倒木の間に60cm以上に生長したオオフジシダらしきものが見られました。付近のオオフジシダらしきものも同様ですが、葉身の先が2つに分かれたものが多く見られます。タンバオオフジシダ(仮称:オオフジシダ×ヒメムカゴシダ)である可能性もあり、一度胞子を調べてみる必要があります。
関連ページ 関西の花/シダ・オオフジシダ

フジシダ
Fig.4 フジシダ (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
ヒメムカゴシダ群生箇所の上部で混生しており、付近にはヒメムカゴシダとの自然雑種ではないかと思われる小型の個体があります。
関連ページ 関西の花/シダ・フジシダ

フジシダのムカゴ
Fig.5 フジシダのムカゴ (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
フジシダもオオフジシダも葉先にムカゴを付けます。

フジシダ×ヒメムカゴシダ?
Fig.6 フジシダ×ヒメムカゴシダ? (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
混生箇所の雑種らしきものは全て葉先にムカゴをつけ、中軸にムカゴを作っているものはありません。見かけ上はアイフジシダ(フジシダ×オオフジシダ)との区別が困難です。

ウスヒメワラビの矮小個体
Fig.7 ウスヒメワラビの矮小個体 (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
ヒメムカゴシダとともにウスヒメワラビが生育していますが、いずれもシカの食害に遭い、転石や倒木の間で矮小化したものしか見られません。トガリバイヌワラビ、シケチシダも同様な状況で、シカが全く居なくなったというわけでもなさそうです。
関連ページ 関西の花/シダ・ウスヒメワラビ

シシラン
Fig.8 シシラン (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
崖錘斜面の上部にはチャートの岩場が連なって、尾根まで突き上げています。
そのような岩場の下部の空中湿度の高い場所ではオオフジシダとともにシシランが群生しています。
関連ページ 関西の花/シダ・シシラン

コバノイシカグマとホソベリミズゴケ
Fig.9 コバノイシカグマとホソベリミズゴケ (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
コバノイシカグマはシカの忌避植物であるため、あちこちで群生しています。
ホソベリミズゴケは湿地ではなく、岩場の湧水で濡れた場所にマットを作ります。
兵庫県版RDBではBランクですが、丹波地方ではよく見かけます。
関連ページ 関西の花/シダ・コバノイシカグマ
関連ページ 湿生植物/蘚苔類・ホソベリミズゴケ

ヒノキゴケ
Fig.10 ヒノキゴケ (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
湧水が滲みだす多湿の林床では、こんもりとしたヒノキゴケのマットが点在し、ちょうど蒴を上げていました。

シノブカグマ
Fig.11 シノブカグマ (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
地上ではほとんど見られず、岩場に着いているものは小型な個体がほとんどでした。
関連ページ 関西の花/シダ・シノブカグマ

コウヤコケシノブとフトリュウビゴケ
Fig.12 コウヤコケシノブとフトリュウビゴケ (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
このあたりの岩場では両種とも常在種となっています。
関連ページ 関西の花/シダ・コウヤコケシノブ

ホソバコケシノブ
Fig.13 ホソバコケシノブ (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
本種もまた頻繁に見かけますがコウヤコケシノブより空中湿度の高い場所を好むようです。
間からヒカゲツツジの幼木が生えています。
関連ページ 関西の花/シダ・ホソバコケシノブ

ムチゴケ?
Fig.14 ムチゴケ? (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
よく見かけるコムチゴケとは感じが違っていました。多分ムチゴケではないかと。
岩場の濡れた場所に着いていました。

ヌリトラノオ
Fig.15 ヌリトラノオ (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
シモツケヌリトラノオがないか岩場の上部まで登ってみましたが、ヌリトラノオばかりでした。
葉が岩の表面に沿って広がるのが特徴で、葉先にムカゴが付きます。
関連ページ 関西の花/シダ・ヌリトラノオ

カミガモシダ
Fig.16 カミガモシダ (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
カミガモシダがめずらしく日当たりのよい岩の割れ目に生育していました。
日当たりがよいためか、葉面には光沢を生じていました。
他にヌリトラノオとの雑種である、アイヌリトラノオも見られました。
関連ページ 関西の花/シダ・カミガモシダ

シノブ
Fig.17 シノブ (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
このあたりの岩場の上部ではヒトツバとともに大抵見かけます。
夏緑性なので、すでに枯れ始めている葉もあります。
関連ページ 関西の花/シダ・シノブ

トゲシバリ
Fig.18 トゲシバリ (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
尾根上の岩峰に出ると貧栄養の指標となる地衣類のトゲシバリのマットがあちこちに見られます。
周辺には乾燥地かつ貧栄養地にも生育できるアセビ、ナツハゼ、カンサイスノキ、ケアクシバ、コバノミツバツツジ、ヤマツツジ、ヒカゲツツジなどのツツジ類が生育しています。

ズキンタケ
Fig.19 ズキンタケ (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
前日まで降雨が断続的に続いたため、キノコ類もかなり出ていました。
林道脇の苔の上にはズキンタケが点々と出ていました。

ムラサキナギナタタケ
Fig.20 ムラサキナギナタタケ (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
これも林道脇の腐植の溜まった場所で沢山出ていました。。

テングタケ
Fig.21 テングタケ (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
お馴染みのテングタケも蹴飛ばすほど沢山出ていました。

オニテングタケ
Fig.22 オニテングタケ (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
傘のイボ、スカートのようなツバ、ささくれ立った柄、どれをとっても写真映えするキノコです。

アミタケ
Fig.23 アミタケ (兵庫県丹波地方 2016.10/4)
食用菌はわずかにチチタケとアミタケしか見られませんでした。
チチタケはぽつぽつ程度、多少まとまって取れたのがアミタケで、もちかえって汁の実としました。

category: シダ

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