03«1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.»05

Satoyama, Plants & Nature

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

category: スポンサー広告

cm --   tb --   page top

シダ学びの旅 - 南紀へ - 

 シダ類の勉強のため、和歌山県の熊野地方に行って来ました。車中2泊の予定でしたが、初日は家の野暮用で半日がつぶれ、前夜発+車中1泊とほぼ同様な日程になりました。主要な目的はシチトウハナワラビ(ナンキハナワラビ)を見ることと、シロヤマシダを認識することでしたが、まだまだ混乱が多く目的を達成できたとは言えません。
しかし、兵庫県では見ることのできないシダ類も数多く観察でき、非常に意義深い旅となりました。シダ類以外でも面白いものが沢山あるので、これから年に数度は熊野行脚が続きそうです。
いろいろと見るには現地の方にご案内頂くのがよいのですが、現地の感覚を掴むためにわずかな予備知識を収集したのみで、敢えて飛び込みで探索してきました。生育環境ごと自生地と種を捉えるのは、この方法が一番です。
*画像クリックで、別ウィンドで表示されます。
FC2ブログの仕様が変わったのか、リンク先で大きな画像が表示されなくなってしまいました。
大きな画像(1024×768)を見る時は、リンク先の画像を別のウインドかタブで表示してください。


果実をつけたフウトウカズラ
Fig.1 フウトウカズラ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
暖地系の藤本植物で、コショウに近縁の種。
谷の入口の林道脇の岩場につるを伸ばしたものが結実していました。
このあたりではどこにでも見られますが、兵庫県では淡路島で見られるのみです。

マツザカシダとオオバノイノモトソウ
Fig.2 マツザカシダとオオバノイノモトソウ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
林道の路傍にマツザカシダ(左)とオオバノイノモトソウ(右)が教科書的に並んで生えていました。
マツザカシダは側羽片が1~2対(稀に3対)で、葉身は濃緑色で葉縁が強く波打ち、明るい色のオオバノイノモトソウと区別できます。
マツザカシダもフウトウカズラと同様に兵庫県では淡路島で見られるのみです。

植林地の林床に繁茂するイズセンリョウ
Fig.3 植林地の林床に繁茂するイズセンリョウ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
イズセンリョウはシカの忌避植物であり、近畿地方南部では近年林床で大きな群落を形成しつつあります。近畿中部以北の山間の林床ではイズセンリョウに変わってチャノキや植栽されたミツマタがシカ忌避植生として群落を形成しています。
南紀ではイズセンリョウ周辺では兵庫県と同様なマツカゼソウやオオバノイノモトソウ、葉質の硬いスゲ属草本が見られました。

ミヤマトベラ
Fig.4 ミヤマトベラ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
近畿地方では稀少種であるミヤマトベラも、シカの忌避植物であるため果実をつけたまま遊歩道脇で残っていました。クリンソウと同じような位置にありますが、本来的に自生地の少ない種なので見かける機会はあまりありません。

岩場のシダ類
Fig.5 岩場のシダ類 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
湿った崖がコウヤコケシノブに覆われ、画像に見えるヌリトラノオやシシランのほか、キジノオシダ、オオキジノオ、タニイヌワラビ、クルマシダ、ミヤマノコギリシダ、ナガバノイタチシダ、イノデモドキなどが生育していました。

イヌチャセンシダ
Fig.6 イヌチャセンシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
谷沿いの林道をクルマで走っていると、林道脇の岩が緑に染まっていたので降りてみると、イヌチャセンシダに覆われていました。
イヌチャセンシダの葉は岩に沿って広がり、チャセンシダのように岩場から葉が立ち上がりません。
関連ページ 関西の花/シダ・イヌチャセンシダ

クルマシダ
Fig.7 クルマシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
兵庫県では自生地が極限される種ですが、和歌山県ではシカの食害を受けにくい場所で沢山見られました。薄暗い照葉樹林下の急な沢沿いでは群生している場所にも度々出くわしました。
関連ページ 関西の花/シダ・クルマシダ

ナガバノイタチシダ
Fig.8 ナガバノイタチシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
本種もシカの食害に遭いやすいようで、多くは急斜面で見られ、大きな個体はシカに食べられにくい岩場に見られました。
関連ページ 関西の花/シダ・ナガバノイタチシダ

ノコギリシダ
Fig.9 ノコギリシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
倒木の多い植林地の林床で散在していました。
葉が硬いためか、キジノオシダやオオバノイノモトソウとともに食害をあまり受けずに生育していました。

シチトウハナワラビ(ナンキハナワラビ)
Fig.10 シチトウハナワラビ(ナンキハナワラビ) (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
何ヵ所か廻った社寺林では見ることができず、山腹の雑木林で1個体のみ見ることができました。
野生動物による撹乱を受けて胞子葉の柄から上が枯死しており、栄養葉は脇に生えているコバノカナワラビに邪魔されて暴れていました。
葉面に光沢があり、裂片の切れ込みは浅く、裂片の幅は狭いのが目立った特徴です。
ここのものは大阪府で見たナンキハナワラビとされているものよりも裂片の幅が若干広かったです。

シチトウハナワラビ(ナンキハナワラビ)の標本
Fig.11 シチトウハナワラビ(ナンキハナワラビ)の標本 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
標本にすると葉面の光沢は失われて解らなくなりますが、裂片の幅や鋸歯の切れ込み具合がオオハナワラビと異なることが解ります。

オオハナワラビ変異個体
Fig.12 オオハナワラビ変異個体 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
栄養葉はオオハナワラビとモトマチハナワラビの中間的な形状で、裂片の幅は狭く、葉身は赤紫色気味に色付いています。葉面にはそれなりに光沢があって、鋸歯もモトマチ的の特徴が見られますが、黄褐色の色素が全く表出していません。典型的なモトマチハナワラビではないものは、とりあえずはオオハナワラビとしておくべきでしょう。
関連ページ 関西の花/シダ・オオハナワラビ   関西の花/シダ・モトマチハナワラビ

ハイホラゴケ
Fig.13 ハイホラゴケ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
兵庫県内ではハイホラゴケとヒメハイホラゴケが浸透交雑を繰り返したようなコハイホラゴケあるいはホクリクホラゴケのようなものばかりに出会いますが、ここでは典型的といえるハイホラゴケを見ることができ、様々な着生シダ類とともに渓流沿いの岩上に群生していました。

ハイホラゴケの全草標本
Fig.14 ハイホラゴケの全草標本 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
羽片の裂片は立体的に広がることはなく、羽片は平面的で互いに重なりあう部分はほとんどありません。

ハイホラゴケのソーラス
Fig.15 ハイホラゴケのソーラス (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
ソーラスはラッパ状ですが、口部は浅い2弁状となり、胞子嚢床は糸状に長く伸びています。

オオコケシノブ全草標本
Fig.16 オオコケシノブ全草標本 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
本種は兵庫県では一部の場所でしか見られずRDB Aランク種となっていますが、南紀では濡れた岩場でよく見かけました。兵庫県のものは葉身も小さく、ソーラスもほとんど見られませんが、こちらではソーラスを多数つけた立派なものが多く見られました。

オオコケシノブのソーラスと胞子嚢床
Fig.17 オオコケシノブのソーラスと胞子嚢床 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
ソーラスは2弁状で、胞子嚢床は塊状となります。

ヤクシマホウビシダ
Fig.18 ヤクシマホウビシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
最初はツルホラゴケかと思いましたが、ソーラスが全く異なりサンプルを持ち帰って調べたところヤクシマホウビシダと解りました。
オオコケシノブやホソバコケシノブ、コウヤコケシノブとともに、水のしたたる岩上に群生していました。

ヤクシマホウビシダのソーラス
Fig.19 ヤクシマホウビシダのソーラス (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
ヤクシマホウビシダの葉身は2層の細胞からなるため、透明感があり透けています。
ソーラスは中肋寄りにつき、羽片の後側のほうにより多くつきます。

イワヤナギシダ
Fig.20 イワヤナギシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
兵庫県では稀なイワヤナギシダも、こちらでは谷筋の岩上のいたるところで見られました。
ただ、ソーラスをつけた葉は思いのほか少なかったです。

イワヤナギシダの葉柄基部とソーラス
Fig.21 イワヤナギシダの葉柄基部とソーラス (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
サジランに酷似しますが、葉柄基部は緑色で、ソーラスはサジランに比べて中肋に対して狭い角度でつきます。

タカノハウラボシ
Fig.22 タカノハウラボシ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
渓流の苔むした巨岩上でタカノハウラボシが見られました。
画像のような充分に生長したものは間違いようがありませんが、周辺の小型個体もソーラスを形成しており、こちらはヒメタカノハウラボシ、ケイリュウウラボシ、裂片のないミツデウラボシと見紛います。

タカノハウラボシの根茎と鱗片
Fig.23 タカノハウラボシの根茎と鱗片 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
1目盛=0.5mm。根茎は径約3mm、鱗片は褐色~淡褐色で長さ5~6mmで線形~線状披針形、全縁。
ヒメタカノハウラボシでは根茎の径1.5~2mmで、鱗片の長さ2~2.5mm。ミツデウラボシでは根茎の径2~4mm、鱗片の長さ3~4mm。
また、ミツデウラボシやケイリュウウラボシには胞子表面に突起がありますが、タカノハウラボシやヒメタカノハウラボシの胞子表面は平滑となります。

タカサゴキジノオ
Fig.24 タカサゴキジノオ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
キジノオシダとヤマソテツの中間的な印象を与える常緑性のシダ。
頂羽片はありませんが、ヤマソテツよりも葉質は厚く、生育環境が重なることはないので区別は容易です。さすがにこの時期には胞子葉は見られませんでした。

アミシダ
Fig.25 アミシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
ヒメシダ科の中でも独特の形態を持ち、一度見れば忘れることはないシダです。
岩壁の湿度の高い下部にそれなりの数が散在していました。

アミシダの胞子葉裏面
Fig.26 アミシダの胞子葉裏面 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
ソーラスは遊離脈のない網状脈に沿ってつきます。

ホングウシダ
Fig.27 ホングウシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
渓流沿いの岩壁の下部に群生していました。
同じ岩場にはヌリトラノオやシモツケヌリトラノオも見られなかなか紛らわしいですが、生育環境ははっきりと異なっていて、かなり水際近くまで生育していました。

ホングウシダのソーラス
Fig.28 ホングウシダのソーラス (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
渓流畔にはより小型のサイゴクホングウシダも出現しますが、ソーラスが羽片の切れ込みで寸断されることにより、ホングウシダと同定できます。

ホングウシダの群落
Fig.29 ホングウシダの群落 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
渓流沿いの岩壁下部の向陽~半日陰部分に優占していました。
ホングウシダの群落のすぐ上にはヌカイタチシダモドキ、ヌカイタチシダ、キジノオシダが混生しており、その陰にヌリトラノオや小型のエダウチホングウシダが生育していました。
岩壁上部の比較的乾いた場所ではシモツケヌリトラノオが見られ、途中の日陰でやや空中湿度の高い部分にはアミシダやキミズらしきもの(キミズモドキ?)が見られました。

ヒノキシダ
Fig.30 ヒノキシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
空中湿度の高い巨岩が累積する渓流沿いにヒノキシダの群落が発達していました。
付近にはイワヤナギシダも群生していますが、イワヤナギシダよりも渓流に近い岩上を覆って純群落を形成しています。兵庫県では見ることの出来ない美しいシダで、しばし見とれてしまいました。

ヒノキシダ群落
Fig.31 ヒノキシダ群落 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
ヒノキシダは中軸の先端が長く伸びて、先にクローンを形成して栄養繁殖するため、このような純群落をつくるようです。

ミズスギ
Fig.32 ミズスギ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
林道を上がると谷から離れて尾根を縫うように敷設されていましたが、乾いたように見える林道脇に胞子嚢穂をつけたミズスギが多数見られました。
兵庫県で見るものとは生育環境が異なっていますが、雨が多いためにこのような場所でも生育できるのでしょう。南紀滞在中には夜間から早朝にかっけては必ず降雨がありました。
関連ページ 湿生植物・ミズスギ

ヒュウガシダ
Fig.33 ヒュウガシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
シカの食害は顕著で、奥山に行くほど地表の植生は単調となり、シロヤマシダ様のシダ類は全く見られませんでしたが、山麓の国道沿いの林下にそれらしいものがポツポツと見られました。
シロヤマシダよりも最下羽片の柄が長く見えるこの個体は、コウモウクジャクとシロヤマシダの中間的な形質を持つヒュウガシダのようです。

採集した葉身 ヒュウガシダ
Fig.34 採集した葉身 (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
画像と同じ場所で採集した葉。葉身は長3角状卵形、最下羽片の柄は長い。

採集品の葉柄基部鱗片とソーラス
Fig.35 採集品の葉柄基部鱗片とソーラス (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
恐らくソーラスでは近似種とは区別できないのでしょう。
葉柄基部の鱗片はコウモウクジャクほど残存していませんでした。
近似種との区別は1度訪れたくらいでは習得できず、何度も通う必要があると実感します。

開花したオニシバリ
Fig.36 開花したオニシバリ (和歌山県紀南地方 2018.2/2)
周辺の林床ではシカの忌避植物であるオニシバリが開花中でした。
花は黄緑色のもののほか、画像のような緑色が強く花披が紫色を帯びているものも見られました。

セリバオウレン
Fig.37 セリバオウレン (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
翌日に向かった山域の麓ではセリバオウレンがちらほらと開花し始めていました。
兵庫県よりも開花が2~3週間程早いようです。
関連ページ 関西の花・セリバオウレン

アツミカンアオイ
Fig.38 アツミカンアオイ (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
道中には林縁や樹冠の切れた場所でアツミカンアオイが点々と見られました。
葉身は厚い革質で光沢があり、脈が窪むのが特徴で、分布域は三重・奈良・和歌山の紀伊半島南部に偏在しています。
近畿地方の日本海側に見られるものもアツミカンアオイとされていますが、これほどの厚味と光沢はなく、サンインカンアオイと仮称されるようにおそらくは別種でしょうが、まだ正式に記載されていません。

アツミカンアオイの花
Fig.39 アツミカンアオイの花 (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
花の色は変異に富み、紫褐色のもから淡黄色~汚緑色のものまで見られ、葉を掻き分けて花色を確かめるのは楽しいものです。

ナチクジャク
Fig.40 ナチクジャク (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
訪れた山域ではマルバベニシダが多い場所でしたが、ナチクジャクとマルバベニシダとの中間的なイヌナチクジャクも見られました。
ナチクジャクはマルバベニシダやイヌナチクジャクよりも小型の個体ばかりでした。
関連ページ 関西の花/シダ・ナチクジャク

ヌカイタチシダ
Fig.41 ヌカイタチシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
兵庫県では非常に稀なシダですが、南紀では前日の岩場でも見かけ、比較的よく見られるシダのようです。ここではウラジロやコシダに被圧されない、遊歩道脇の地表に生えており、周辺の湿った岩上にも点々と生育していました。

ヌカイタチシダのソーラス
Fig.42 ヌカイタチシダのソーラス (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
ソーラスは最下羽片の中軸寄りから羽片の先や葉先に向かって同心円状に広がってつき、小さく、包膜がありません。

ヌカイタチシダモドキ
Fig.43 ヌカイタチシダモドキ (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
ヌカイタチシダモドキも南紀では比較的見られるもののようで、2日連続で見ることができました。
ヌカイタチシダよりもヌカイタチシダマガイに酷似していると感じます。
ヌカイタチシダマガイとの区別点として葉面の光沢の有無があげられますが、実際にはかなり微妙なもので、最初はヌカイタチシダマガイと思っていましたが、帰宅後に標本の鱗片を確認してヌカイタチシダモドキだと解りました。
Mさんによると、南紀ではヌカイタチシダマガイは稀なもののようです。

ヌカイタチシダモドキの下方の羽片と葉柄基部鱗片
Fig.44 ヌカイタチシダモドキの下方の羽片と葉柄基部鱗片 (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
羽軸は中軸とほぼ直交し、羽片は無柄、先に向かって鎌状に曲がり、先端は急尾状に細まります。小羽片も羽片の中軸にほぼ直交してつきます。
鱗片は暗褐色~黒色、線形~線状披針形でヌカイタチシダマガイよりも幅が狭く、鱗片基部は軸に圧着しません。
兵庫県ではヌカイタチシダマガイ、アツギノヌカイタチシダマガが丹波層群の分布域を中心とした内陸部に点々と見られますが、両種は南紀では稀なものとなっており、このような分布の濃淡の原因がどこにあるのか、非常に興味深いところです。

エダウチホングウシダ
Fig.45 エダウチホングウシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
エダウチホングウシダも2日連続で観察できましたが、ここでは下方の羽片が羽状になった充実した個体が林縁のウラジロやコシダの葉陰で沢山見られました。

エダウチホングウシダの若い個体
Fig.45 エダウチホングウシダの若い個体 (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
若い小型の個体では最下羽片は羽状にならず、丸みを帯びた横長の羽片となります。
このような小型個体でも葉縁裏面にはソーラスが形成されています。

コウモウクジャク
Fig.46 コウモウクジャク (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
細流脇の倒木が折れ重なった場所に、倒木にしなだれるように大きな葉身を持たれ掛けながら生育しているシダがありました。
最下羽片の柄は長くタンゴワラビのようにも見えますが、タンゴワラビよりも葉質は柔らかく、葉柄基部には多くの鱗片が残っています。鱗片や脈の状態からコウモウクジャクではないかと見ましたが、自信はありません。

コウモウクジャクの鱗片、最下羽片、ソーラス
Fig.47 コウモウクジャクの鱗片、最下羽片、ソーラス (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
タンゴワラビやシロヤマシダには見られないような黒味を帯びた鱗片が葉柄に残っており、辺縁には突起が見られました。
最下羽片には長い柄があり、小羽片はタンゴワラビよりもスマートで明瞭な短柄があります。
ソーラスは小さく中間生で、側脈はほとんど分岐していません。

ナチシダ
Fig.48 ナチシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
ナチシダはシカの忌避植物で近畿地方では増えつつあるシダで、兵庫県ではRDB種にランクされていますが、これまで見られなかった場所でも見つかっている種です。
南紀でもいたるところで見られましたが、夏緑性シダなので奥山では枯れた残骸が目立ちました。温暖な海岸寄りの社寺林ではまだ冬枯れしていない個体も見られました。
芽立ちのフィドルヘッドは兵庫県で殖えつつあるオニヒカゲワラビと同様に山菜として利用できるので、南紀では積極的に利用してもよいもののように思います。
関連ページ 関西の花/シダ・ナチシダ

リュウビンタイ
Fig.49 リュウビンタイ (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
兵庫県では見られない大型の常緑シダで、奥山よりも海岸に近い常緑樹林下や社寺林の数ヶ所で見かけました。画像のものは社寺の裏山の日陰の多湿地で、大小30個体前後が部分的に群生していたものです。
このような大型のシダが群生している様子は地元では見られない光景で、細部を観察する前にしばし圧倒されてしまいます。

オオタニワタリとタマシダ
Fig.50 オオタニワタリとタマシダ (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
社寺林を仕切る石垣にオオタニワタリとタマシダが群生していました。
境内の一画にはオオタニワタリが植栽されていると見られる場所があり、このオオタニワタリはそこから胞子が飛んで逸出して育ったものとも考えられます。
旺盛に繁殖しているタマシダは海岸沿いの石垣や斜面に繁茂しているのが見られ、自然分布と考えられるものです。

カゴノキに着生したオオタニワタリ
Fig.51 カゴノキに着生したオオタニワタリ (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
境内の大木にはオオタニワタリの幼株が着生しているものが多く見られ、特にカゴノキには比較的大きな個体が着生していました。

マツバラン
Fig.52 マツバラン (和歌山県紀南地方 2018.2/3)
兵庫県では稀ですが、紀伊半島の海岸に面した場所では乾いた岩場や石垣で比較的よく見かけます。
江戸時代から続く園芸植物であるため、自生か栽培による胞子散布拡散の逸出か判断することは難しいものです。
西宮市内にも社寺内に見られますが、自生のものと断定するのは難しいものです。

スポンサーサイト

category: シダ

cm 0   tb 0   page top

初夏の花 

6月から7月半ばに見た初夏の花達です。一部昆虫も。
*画像クリックで、別ウィンドで表示されます。
FC2ブログの仕様が変わったのか、リンク先で大きな画像が表示されなくなってしまいました。
大きな画像(1024×768)を見る時は、リンク先の画像を別のウインドかタブで表示してください。


ホソバシロスミレ
Fig.1 ホソバシロスミレ (兵庫県但馬地方 2017.6/8)
スミレ類の中ではアギスミレと並んで最も開花期が遅く、5月下旬~6月初旬にかけて開花がみられます。兵庫県では高原の草地で生育しています。

ホソバシロスミレの花
Fig.2 ホソバシロスミレの花 (兵庫県但馬地方 2017.6/8)
花弁の奥が黄緑色を帯びるのが特徴。距は短いです。

ツルタチツボスミレ
Fig.3 ツルタチツボスミレ (兵庫県但馬地方 2017.6/8)
多くの場所では開花が終わっていましたが、雪が遅くまで残っていた箇所ではまだ開花していました。
茎は長く地表をはい、花は距が細長く、葉は腎形となるのが特徴です。

サンカヨウ
Fig.4 サンカヨウ (兵庫県但馬地方 2017.6/8)
今年はどうもサンカヨウは不作の年のようで、毎年沢山開花個体が見られる場所でも、花茎を上げていない個体が多く見られました。
早い年では4月下旬から開花が見られますが、今年は6月に入ってようやく花が見れました。
関連ページ 関西の花・サンカヨウ

オオナルコユリ
Fig.5 オオナルコユリ (兵庫県但馬地方 2017.6/8)
山麓ではオオナルコユリが開花し始めていました。鈴なりの花が下方から咲き上がっていきます。

フチグロヤツボシカミキリ
Fig.6 フチグロヤツボシカミキリ (兵庫県但馬地方 2017.6/8)
美しいカミキリムシです。降雨の中、ホストであるホオノキの葉裏で休んでいました。

ハマボウフウ
Fig.7 ハマボウフウ (兵庫県但馬地方 2017.6/9)
砂浜ではあちこちでハマボウフウが開花していました。
開発の進んだ阪神地域では少ないものですが、但馬の海岸ではごくふつうに見られます。
関連ページ 関西の花・ハマボウフウ

メノマンネングサ
Fig.8 メノマンネングサ (兵庫県但馬地方 2017.6/9)
日本海側にはメノマンネングサ、タイトゴメともに分布しますが、メノマンネングサはより大型となります。

ハマボッス
Fig.9 ハマボッス (兵庫県但馬地方 2017.6/9)
メノマンネングサの隣ではハマボッスも咲いていました。
メノマンネングサよりも開花期は早く、茎下方では結実が進んでいます。
関連ページ 関西の花・ハマボッス

ハマウツボ
Fig.10 ハマウツボ (京都府丹後地方 2017.6/9)
砂浜に生育しているカワラヨモギに寄生しています。
兵庫県では非常に稀なものですが、京都の砂浜では個体数は多いです。

ハナムグリ
Fig.11 ハナムグリ (京都府丹後地方 2017.6/9)
なぜか砂浜の上でハナムグリがモゾモゾと歩いていました。ふつうは花上で花粉を食しているのを見る機会が多く、よく見かけるコアオハナムグリよりひと回り大型です。

ヤマブキショウマ
Fig.12 ヤマブキショウマ (京都府丹後地方 2017.6/9)
ヤマブキショウマはいつも但馬の高原で7月に開花するものを見ているので、低地での1ヶ月前の開花に驚かされました。隣のオオバギボウシも花茎を上げ始めていました。

ベニドウダン
Fig.13 ベニドウダン (滋賀県湖北地方 2017.6/10)
湖北の山地ではちょうどベニドウダンが満開でした。
六甲山地でお馴染みの樹ですが、こちらでは個体数が多かったです。

サラサドウダン
Fig.14 サラサドウダン (滋賀県湖北地方 2017.6/10)
ベニドウダンよりも開花期が早いため、ここでは残り花を少々見た程度でした。

ハナヒリノキ
Fig.15 ハナヒリノキ (滋賀県湖北地方 2017.6/10)
兵庫県では現状不明となっている種ですが、ここでは登山道脇のいたるところで見られました。
花序は長く、葉はごわつく感じです。

ハナヒリノキの花
Fig.16 ハナヒリノキの花 (滋賀県湖北地方 2017.6/10)
花の色は緑白色で地味ですが、形はユニークで、先のすぼまったおちょぼ口のやや扁平な壷形です。

シロバナニガナ
Fig.17 シロバナニガナ (滋賀県湖北地方 2017.6/10)
登山道脇にハナニガナに混じって点々と開花個体が見られました。
ハナニガナより個体数は少なく、ハナニガナよりも遅い時間まで開花していました。

キヨスミウツボ
Fig.18 キヨスミウツボ (神戸市 2017.6/15)
いつも降雨中の撮影で納得のいく画像が撮れなかったのですが、今年の6月の空梅雨で満足な画像を撮影できました。これまでの研究から柱頭が目立つ2倍体の「芳香型」、柱頭が目立たない4倍体の「無香型」、雌蕊に長短がある3倍体の「中間型」があるとされていましたが、最近の遺伝子解析ではそのように単純に分けられない傾向が解りつつあるようです。

カキノハグサ
Fig.19 カキノハグサ (神戸市 2017.6/15)
知人からの情報を得て、ちょうど最盛期のカキノハグサを観察することができました。
六甲山地のものは、他の地域のものに比べて花弁が橙色を帯びて萼とのゴントラストが美しく、群生する様子は見応えがあります。

ノアザミを訪花したモンキチョウ
Fig.20 ノアザミを訪花したモンキチョウ (京都府中丹地方 2017.6/18)
スゲ類調査で里山を歩いていると、ナンテンハギやタムラソウが生育する土手で、モンキチョウがノアザミを訪花していました。
モンキチョウはノアザミ、タムラソウ、アカツメクサなどの紅色の花がよく似合います。

キミズ
Fig.21 キミズ (兵庫県播磨地方 2017.6/19)
この日は兵庫県新産種キミズの自生地調査。半低木で基部近くの茎が木質化するサンショウソウ属草本で、雌雄異花。ほとんどの個体は半日陰のチャートもしくは緑色岩の岩場の岩棚やクラックからしなだれるように生育していました。

キミズの雌花序
Fig.22 キミズの雌花序 (兵庫県播磨地方 2017.6/19)
雄性先熟なのか、調査時に見られたのはすでに受粉し終えたと見られる雌花序ばかりでした。
茎には毛が顕著に見られます。

オニルリソウ
Fig.23 オニルリソウ (兵庫県播磨地方 2017.6/19)
シカの食害の多い地域ですが、オニルリソウは食害を受けずに残っている傾向が強いものと言えます。
6~9月にかけて、花序を伸ばしながら開花していきますが、開花初期は花序もこじんまりとして美しいものです。

ミヤマムグラ
Fig.24 ミヤマムグラ (兵庫県北播地方 2017.6/23)
この日は北播~但馬地方にかけてのスゲ類の調査。初夏の花の多い時期でもあります。
調査地に向かう前に原生林の広がる谷間に寄り道。そこにはミヤマムグラが満開状態で群生していました。

オオキヌタソウ
Fig.25 オオキヌタソウ (兵庫県北播地方 2017.6/23)
ミヤマムグラの群生する谷筋ではオオキヌタソウもまばらに点在しています。
どちらも兵庫県では絶滅危惧種となっています。

エゾノヨツバムグラ
Fig.26 エゾノヨツバムグラ (兵庫県北播地方 2017.6/23)
ブナが優占する温帯林下ではエゾノヨツバムグラが増え、同じアカネ科のオククルマムグラ、クルマムグラは減少します。ミヤマムグラやオオキヌタソウは、同じ温帯林下でも、より陰湿で手の入っていないトチノキ、シオジ、ミズナラの古木が生える原生林に見られます。エゾノヨツバムグラは温帯林下でも登山道脇のような撹乱を受けるような場所にも出現します。

アカモノ
Fig.27 アカモノ (兵庫県北播地方 2017.6/23)
高層湿原とそれに続く多湿地に点在する種で、周辺には多くの場合ミズゴケ類が見られます。
ここでは同所的にノギラン、バイケイソウ、コイチヨウラン、モウセンゴケ、マイヅルソウ、ツマトリソウ、マンネンスギ、ヤマドリゼンマイ、オオバショリマ、ヤマソテツなどが見られます。

ツマトリソウ
Fig.28 ツマトリソウ (兵庫県北播地方 2017.6/23)
湧水が滲みだす登山道脇でひっそりと開花していました。
この時期はまだ登山者は少なく、開花期も短いため、この場所に生育していることはほとんど知られていません。まだこの場所で結実しているのを見たことがありませんが、結実と同時に鳥獣の食餌となっているのかもしれません。

ミヤマニガイチゴ
Fig.29 ミヤマニガイチゴ (兵庫県北播地方 2017.6/23)
マイヅルソウ、ユキザサ、グレーンスゲ、ナガミヒメスゲ、クジュウスゲ、オオバショリマなどが見られる登山道脇で開花中でした。ニガイチゴというよりもクマイチゴを細くした裂片が特徴的で、花弁の幅には変異が多い半低木草本です。訪花昆虫のうち、特にハチ類がよく訪れている種で、1日腰を据えて訪花昆虫を調べてみるのも面白そうだなあと思います。

ムネアカクロジョウカイ
Fig.30 ムネアカクロジョウカイ (兵庫県北播地方 2017.6/23)
2週間前はアオジョウカイをよく見かけたのですが、今回は稜線上の1200mを超えたあたりからやたらと目だっていました。期間的な棲み分けを行っているのか、標高による棲み分けを行っているのかは不明です。

ホタルブクロ
Fig.31 ホタルブクロ (神戸市 2017.7/1)
この日は棚田保全地の田植え作業でした。棚田に向かう農道脇ではホタルブクロの花が見頃を迎えていました。
関連ページ 関西の花・ホタルブクロ

カセンソウ
Fig.32 カセンソウ (神戸市 2017.7/1)
保全地の草刈り管理している土手ではカセンソウが満開でした。
この場所ではカセンソウのほか、オカオグルマ、コシオガマ、アカネスミレ、フナバラソウ、ヒロハハナヤスリなどの草原性の稀少種が数多く生育しており、林縁部ではアカハナワラビやホタルカズラ、コイケマが見られます。

ヨツスジハナカミキリ
Fig.33 ヨツスジハナカミキリ (神戸市 2017.7/1)
ふつうに見られる訪花昆虫で、ウツギの葉上で静止していました。
この日は気温が高いためか飛翔する甲虫類は少なく、昆虫類ではカセンソウに訪花しているコハナバチ類、ツバメシジミ、ヒメウラナミジャノメ、林縁にテリトリーを張るオオムラサキ♂が見られました。

シオデ
Fig.34 シオデ (兵庫県但馬地方 2017.7/14)
この日は但馬地方の氷ノ山周辺で今季最後のスゲ調査でしたが、高温多湿でバテバテとなりました。
登山口の沢沿いではシオデの雄花が開花中でした。日陰地ではコウモリカズラが繁茂していますが、開花個体は見られませんでした。タジマタムラソウは結実期に入っており、結実率は低いながらも、萼内に分果ができているものも見られました。

ウメガサソウ
Fig.35 ウメガサソウ (兵庫県但馬地方 2017.7/14)
温帯林下部の林床に1個体のみが開花していました。
兵庫県南部では減少傾向の著しい種で滅多に見られなくなりましたが、但馬地方では所々で見かけます。周辺では果実形成中のギンリョウソウが点在していました。

コバノフユイチゴ
Fig.36 コバノフユイチゴ (兵庫県但馬地方 2017.7/14)
標高1000m付近から林床にはコバノフユイチゴが出現し、ちょうど開花中で、小型のハチやアブが訪花していました。周辺ではアクシバやシナノキも開花中で、シナノキではウラギンヒョウモンやヒオドシチョウを初めとした多数の昆虫類が訪花していました。

アカガネサルハムシ
Fig.37 アカガネサルハムシ (兵庫県但馬地方 2017.7/14)
低地でもふつうに見られるハムシですが、上昇気流に乗ってやって来たのか、1200m付近で見られました。小さな甲虫ですが、宝石のような美しさがあります。

カタシロゴマフカミキリ
Fig.38 カタシロゴマフカミキリ (兵庫県但馬地方 2017.7/14)
ナガゴマフカミキリによく似ていますが、それよりも高標高地に多いという印象を受けます。
氷ノ山付近の山域ではふつうに見られますが、ここでは白味の強い個体が見られました。

ツノアオカメムシ
Fig.39 ツノアオカメムシ (兵庫県但馬地方 2017.7/14)
山地でふつうに見られる大型で金属光沢のある美しいカメムシで、駐車場に停めたクルマのボディーに止まっていました。この日はあちこちでこのカメムシと遭遇しましたが、ウシアブやトンボ類と同じように光沢のあるものを好むのかもしれません。

category: 初夏の花

cm 0   tb 0   page top

スゲを探して 

スゲ類は地域や環境により種分化し、スゲ属中には非常に多くの種が含まれています。にもかかわらず、確実に同定できる標本を採取できる期間は4月下旬~6月と短いものです。
この期間のうち個人で動ける時間は限られており、事前に目標と計画を建てておかないと、なんとなくスゲ類を見て終わりということになりかねません。
今年は2004年に新記載され、古い標本は残っていますが、自生の現状を確認できていない兵庫県RDB Aランクとされているサンインヒエスゲの確認と、未だ自生状態のものを見ていないハリガネスゲ、オオタマツリスゲを見ることでした。
結果的に3種とも見ることができた上、ニッコウハリスゲとコウヤハリスゲも観察でき、個人的には上々の年でした。
*画像クリックで、別ウィンドで表示されます。
FC2ブログの仕様が変わったのか、リンク先で大きな画像が表示されなくなってしまいました。
大きな画像(1024×768)を見る時は、リンク先の画像を別のウインドかタブで表示してください。


開花中のヒロバスゲ
Fig.1 開花中のヒロバスゲ (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
標高800m前後の明るい林床では、この時期はまだ開花状態でした。
アオヒエスゲやアオバスゲ、サンインヒエスゲとは葉幅が広いことにより区別できます。
周辺ではオクノカンスゲやカンスゲも開花中でした。
関連ページ 関西の花/カヤツリグサ科・ヒロバスゲ

カンスゲ群落
Fig.2 カンスゲ群落 (兵庫県北播地方 2017.5/26)
沢沿いの登山道を登っていくと、カンスゲの見事な群落がありました。
このようなまとまった群落を見たのは初めてです。
関連ページ 関西の花/カヤツリグサ科・カンスゲ

クジュウスゲ
Fig.3 クジュウスゲ (兵庫県北播地方 2017.5/26)
カンスゲ群落のある谷筋では沢沿いにクジュウスゲのマットがあちこちで見られました。
基部から匐枝を伸ばして栄養繁殖するためにマット状の群落をつくります。
関連ページ 関西の花/カヤツリグサ科・クジュウスゲ

ヒロハノオオタマツリスゲ
Fig.4 ヒロハノオオタマツリスゲ (兵庫県北播地方 2017.5/26)
県内ではやや高標高地の適湿な場所に見られ、クジュウスゲに混じって沢筋に点在していました。
果胞が熟す頃は柔らかい花茎は倒伏し、どうやっても締まりの無い画像になってしまいます。
関連ページ 関西の花/カヤツリグサ科・ヒロハノオオタマツリスゲ

ヤマテキリスゲ
Fig.5 ヤマテキリスゲ (兵庫県北播地方 2017.5/26)
開けた谷筋の撹乱された湿地状の場所に生育していました。
県内では中部から北部にかけて見られ、テキリスゲより葉の色が濃く、ほとんどざらつかないことにより区別できます。
関連ページ 湿生植物・ヤマテキリスゲ

ハリガネスゲ
Fig.6 ハリガネスゲ (兵庫県北播地方 2017.5/26)
高原地帯のオオミズゴケ群落中や開けた沢筋に多くの個体が生育していました。
低地に生育するマツバスゲに似ていますが、マツバスゲは雌鱗片と果胞がほぼ同長に対し、ハリガネスゲは雌鱗片よりも果胞が大きいことにより、おおよその区別ができます。
関連ページ 湿生植物・ハリガネスゲ

ニッコウハリスゲ
Fig.7 ニッコウハリスゲ (兵庫県北播地方 2017.5/26)
高原の草地に別の草本を目当てに訪れたところ、細流脇や湿地に点在しているのを偶然見つけました。
兵庫県内では数ヶ所でしか自生しておらず、嬉しい出会いになりました。
ハリガネスゲとは葉幅が2~3mmと幅広くて目立ち、雌鱗片が淡緑色で、雄花部が短いことにより区別できます。ふつう花茎上部はざらつきますが、この集団ではあまりざらつきは目立たず、他の地域のものとは微妙に遺伝子的な差があるかもしれません。

オオタマツリスゲ
Fig.8 オオタマツリスゲ (神戸市 2017.5/31)
以前から聞いていたオオタマツリスゲの自生地を訪ねました。
かなり大きな群落で、熟した果胞をつけた花茎は全て倒伏しており、ヒロハノオオタマツリスゲ同様、全く絵になりません。近辺には自生地はなく、かなり局所的な分布傾向のあるスゲです。

オオタマツリスゲの花序
Fig.9 オオタマツリスゲの花序 (神戸市 2017.5/31)
花茎が全て倒伏しているので、花序がわかる画像がなかなか撮影できません。
車道の溝に垂れ下がっている花茎があったので、なんとか花序が解る画像を撮ることができました。

ヒメミコシガヤ
Fig.10 ヒメミコシガヤ (神戸市 2017.5/31)
オオタマツリスゲ自生地からの帰途、保全管理されている里山に生育しているヒメミコシガヤの様子を見に立ち寄りました。兵庫県と岡山県のみに生育しており、ここでは増殖の試みがなされています。
関連ページ 関西の花/カヤツリグサ科・ヒメミコシガヤ

ヒメミコシガヤの花序
Fig.11 ヒメミコシガヤの花序 (神戸市 2017.5/31)
雄雌性の小穂が比較的密についていて、ミノボロスゲやツクシミノボロスゲの花序に似ています。

ヒメミコシガヤの基部の葉鞘
Fig.12 ヒメミコシガヤの基部の葉鞘 (神戸市 2017.5/31)
葉鞘の腹面には横しわがあり、ミノボロスゲやツクシミノボロスゲとの区別点となります。

アワボスゲ
Fig.13 アワボスゲ (神戸市 2017.5/31)
ヒメミコシガヤの近くには生育良好なアワボスゲの大株が繁茂しています。
草原環境の減少とともに見られなくなっているスゲですが、ここではかなりの個体が生育しています。
関連ページ 関西の花/カヤツリグサ科・アワボスゲ

アワボスゲとヤワラスゲの花序
Fig.14 アワボスゲとヤワラスゲの花序 (神戸市 2017.5/31)
アワボスゲとヤワラスゲは時に同じような環境に生えることがあり、よく似ています。
アワボスゲは果胞が丸く膨らみ、開出して嘴は短いですが、ヤワラスゲの果胞は斜上して着き、嘴は長くなります。アワボスゲは稀ですが、ヤワラスゲは様々な環境でよく見かけるスゲです。
関連ページ 湿性植物・ヤワラスゲ

ホナガヒメゴウソ
Fig.15 ホナガヒメゴウソ (神戸市 2017.5/31)
ヒメミコシガヤ、アワボスゲ、タチスゲなどが生育する休耕田に生育しています。
次のヒメゴウソに比べて自生地は少なく、その名のごとく雌小穂は長く、青味を帯びません。

ヒメゴウソ
Fig.16 ヒメゴウソ (神戸市 2017.5/31)
別名アオゴウソとも呼ばれ、草体や雌小穂は青白い。
二次的自然環境の高い場所に見られ、ここではゴウソ、オタルスゲとともにホナガヒメゴウソがある休耕田とは別の休耕田で生育しており、混生は見られません。
関連ページ 湿性植物・ヒメゴウソ(ホナガヒメゴウソ含む)

グレーンスゲ
Fig.17 グレーンスゲ (兵庫県但馬地方 2017.6/8)
夏期には放牧地となる、高原のススキ草原の小さな沢沿いに生育していました。
ややコンパクトな草体で、同じ沢沿いにはアズマナルコ、クサスゲが見られました。
関連ページ 湿性植物・グレーンスゲ

コカンスゲ
Fig.18 コカンスゲ (兵庫県但馬地方 2017.6/9)
山の頂に登ると、ブナ林の林床にミヤマカンスゲとともにコカンスゲが生育していました。
匐枝で栄養繁殖するため、湿った林床斜面で群生することの多いスゲです。
関連ページ 関西の花/カヤツリグサ科・コカンスゲ

サンインヒエスゲ
Fig.19 サンインヒエスゲ (兵庫県但馬地方 2017.6/9)
ここに登ってきたのは、県下唯一の記録のあるこの場所での生育を確認するためです。
兵庫県内ではおよそ50年振りの再確認になる兵庫県版RDB Aランク種のスゲです。
ブナ帯直下のミズナラ・アカマツ二次林の歩道脇の乾いたような半日陰地に、20個体程生育していました。来年からは同じ条件を満たすような場所を探して歩くことになります。

イソアオスゲ
Fig.20 イソアオスゲ (兵庫県但馬地方 2017.6/9)
海岸の岩場ではタイトゴメが開花し始め、その間の岩棚や岩の隙間にイソアオスゲが見られました。
匐枝を伸ばして栄養繁殖し、大きなまとまりとなっていますが、その割りに花茎は少数でした。
関連ページ 関西の花/カヤツリグサ科・イソアオスゲ

ハマアオスゲ
Fig.21 ハマアオスゲ (京都府丹後地方 2017.6/9)
砂浜に続く松林の林床に生育しているもので、イソアオスゲよりも雌小穂は太く、果胞の大きく、密に短毛が生えることにより区別できます。時に海岸の岩場(磯)であっても、表土がある場所に生えていることがありますが、上記の特徴で区別は容易です。
関連ページ 関西の花/カヤツリグサ科・ハマアオスゲ

コウボウムギ
Fig.22 コウボウムギ (京都府丹後地方 2017.6/9)
初心者であっても、まず間違えようのない特徴的で目立つスゲで、web上でも他のスゲに比べて圧倒的に多数の画像が見られます。雌雄異株で、画像のものは雌株というのも、今さら野暮な感じです。
関連ページ 関西の花/カヤツリグサ科・コウボウムギ

コウヤハリスゲ
Fig.23 コウヤハリスゲ (滋賀県湖北地方 2017.6/10)
温帯林が広がる林道脇の小湿地に生育しているもので、小穂はコハリスゲっぽく感じました。
本種の大きな特徴は地下に匍匐根茎があることで、2008年に新記載されて間もない種です。
関連ページ 湿生植物・コウヤハリスゲ

コウヤハリスゲの生育状態
Fig.24 コウヤハリスゲの生育状態 (滋賀県湖北地方 2017.6/10)
匍匐根茎によって栄養繁殖するため、マット状に広がります。
林道脇の数ヶ所で見られましたが、いずれも湧水に涵養され、浅い表水のある小湿地でした。

ハリスゲ節3種の小穂
Fig.25 ハリスゲ節3種の小穂
いずれも雄雌性ですが、ハリガネスゲをのぞいては、雄花部がごく短いことが解ります。

ミノボロスゲ
Fig.26 ミノボロスゲ (滋賀県湖北地方 2017.6/10)
登山道入り口の駐車場脇に見られたもので、おそらくは登山者の靴か車のタイヤの溝に運ばれてきたものでしょう。ここでは移入初期なのか3個体の生育を確認したのみですが、兵庫県の氷ノ山では登山道脇にビッシリと生育している箇所があります。
関連ページ 湿性植物・ミノボロスゲ

ミノボロスゲの花序
Fig.27 ミノボロスゲの花序 (滋賀県湖北地方 2017.6/10)
花序には雄雌性の無柄の小穂が密につき、ヒメミコシガヤに似ていますが、花茎上部がざらつくことにより区別できます。また先述のようにヒメミコシガヤの基部の葉鞘には横しわがありますが、ミノボロスゲにはありません。

ツクシミノボロスゲ
Fig.28 ツクシミノボロスゲ (神戸市 2017.6/15)
道端に10数個体が生育していますが、ゴルフ場の路傍であり、これも移入されたと考えられるものです。兵庫県内には数例の採集記録がありますが、いずれに場所のものも自生していたものかどうか疑わしいと思っています。

ツクシミノボロスゲの花序
Fig.29 ツクシミノボロスゲの花序 (神戸市 2017.6/15)
ミノボロスゲ同様、雄雌性で無柄の小穂が着きますが、その着き方はミノボロスゲよりもまばらで、花序は貧相な印象を受けます。また、ミノボロスゲの有花茎上部がざらつくのに対し、ツクシミノボロスゲでは有花茎上部は平滑となります。

ミヤマシラスゲ
Fig.30 ミヤマシラスゲ (神戸市 2017.6/15)
ふくらんだ果胞が密についた雌小穂がまるで細長いソーセジのように見える、解りやすいスゲで、撹乱を受けたような湿地で群生しているのを見かける機会が多いです。
湿地環境に広く見られ、開花期の頃はネクイハムシの仲間が雄花の花粉を漁っているのを見ることがあります。
関連ページ 湿性植物・ミヤマシラスゲ

サトヤマハリスゲ
Fig.31 サトヤマハリスゲ (神戸市 2017.6/15)
小穂の雄花、雌花部ともに短く、兵庫県南部では低山や丘陵の湿地に比較的よく見られるハリスゲ節のスゲです。ハリスゲ節はヌカスゲ節と同様、同所的に見られるアゼスゲ節やミヤマシラスゲ節に比べて開花・結実が早く、結実した果胞が落ち始めていました。
関連ページ 湿性植物・サトヤマハリスゲ


category: カヤツリグサ科スゲ属

cm 0   tb 0   page top

春から初夏のシダ 

春から初夏にかけてはシダのフィドルヘッドと鮮やかな新葉があちこちで楽しめます。
平地では新葉も伸びきってしまいましたが、但馬の高地ではまだまだ楽しめます。
*画像クリックで、別ウィンドで表示されます。
FC2ブログの仕様が変わったのか、リンク先で大きな画像が表示されなくなってしまいました。
大きな画像(1024×768)を見る時は、リンク先の画像を別のウインドかタブで表示してください。


サカゲイノデのフィドルヘッド
Fig.1 サカゲイノデのフィドルヘッド (兵庫県北播地方 2017.4/25)
大きな淡褐色の鱗片に覆われ、地色は淡緑色。
関連ページ 関西の花/シダ・サカゲイノデ

ミヤマクマワラビのフィドルヘッド
Fig.2 ミヤマクマワラビのフィドルヘッド (兵庫県北播地方 2017.4/25)
光沢のある黒色の鱗片に覆われ、地色は淡緑色。

ツヤナシイノデのフィドルヘッド
Fig.3 ツヤナシイノデのフィドルヘッド (神戸市 2017.4/25)
サカゲイノデとよく似た淡褐色の鱗片に覆われ、地色は淡緑色。
関連ページ 関西の花/シダ・ツヤナシイノデ

オウレンシダのフィドルヘッドと新葉
Fig.4 オウレンシダのフィドルヘッドと新葉 (神戸市 2017.4/29)
フィドルヘッド、新葉ともに小さくて可愛いものです。
関連ページ 関西の花/シダ・オウレンシダ

ツルデンダの新葉
Fig.5 ツルデンダの新葉 (神戸市 2017.4/29)
常緑性なので昨年の葉は残り、フィドルヘッドは水平に開いていきます。
関連ページ 関西の花/シダ・ツルデンダ

カタイノデ群生地
Fig.6 カタイノデ群生地 (神戸市 2017.5/1)
Uさんが最近発見されたカタイノデの群生地を案内して頂きました。
広い神戸市域内でも最も規模の大きい群生地で、画像の場所ではアイアスカイノデと混生しており、両種の自然雑種アイカタイノデも見られました。

新葉を展開したカタイノデ
Fig.7 新葉を展開したカタイノデ (神戸市 2017.5/1)
新葉のうちは光沢のある鮮緑色で、カタイノデ独特の濃い緑色にはなっていません。

カタイノデの葉柄基部鱗片
Fig.8 カタイノデの葉柄基部鱗片 (神戸市 2017.5/1)
黒褐色で光沢があり、紙質のやや硬い鱗片が付いています。

新葉を展開したアイカタイノデ
Fig.9 新葉を展開したアイカタイノデ (神戸市 2017.5/1)
大型となり、葉身の色や葉先の形状はカタイノデに似ていますが、葉柄は長く立ち上がり気味になります。地表に倒伏している昨年の葉のソーラスは固く縮こまり弾けていませんでした。

アイカタイノデの葉柄基部鱗片
Fig.10 アイカタイノデの葉柄基部鱗片 (神戸市 2017.5/1)
アイアスカイノデに似て細長く、鱗片は捻れ気味になります。

新葉を展開したミツイシイノデ
Fig.11 新葉を展開したミツイシイノデ (神戸市 2017.5/1)
ミツイシイノデはカタイノデとサイゴクイノデの自然雑種。先のアイカタイノデがある谷筋とは別の谷で。アイカタイノデ同様に大型となり、カタイノデよりも光沢も色も薄くなります。昨年の葉のソーラスは弾けていません。

ミツイシイノデの葉柄基部鱗片
Fig.12 ミツイシイノデの葉柄基部鱗片 (神戸市 2017.5/1)
基部にはカタイノデに近い鱗片が密生しますが、淡褐色の細くて小さい鱗片が混じり、上に向かうにつれ大きな鱗片の色も黒褐色から栗褐色に変わります。

ナツノハナワラビ
Fig.13 ナツノハナワラビ (神戸市 2017.5/1)
社寺境内で1個体のみ見られ、胞子葉を上げ始めていました。
同じ社寺境内にはオオハナワラビ、ホソバオオハナワラビ(仮称)、コヒロハハナヤスリなどのシダ類や、ムロウマムシグサ、神戸市内では自生地の少ないセリバオウレンが生育しています。
関連ページ 関西の花/シダ・ナツノハナワラビ

ハナワラビsp.
Fig.14 ハナワラビsp. (神戸市 2017.5/1)
オオハナワラビとモトマチハナワラビの自然雑種と見られるもので、裂片の鋸歯はモトマチハナワラビの特徴が出ています。冬期に色付いた葉が色褪せかけていますが、やや光沢があり、名残りの黄褐色はモトマチハナワラビの特徴と一致します。
関連ページ 関西の花/シダ・オオハナワラビ
関連ページ 関西の花/シダ・モトマチハナワラビ

ホソバイヌワラビの新葉
Fig.15 ホソバイヌワラビの新葉 (神戸市 2017.5/1)
近縁のトガリバイヌワラビ系の新葉よりも鮮やかで色濃い新葉を展開します。
関連ページ 関西の花/シダ・ホソバイヌワラビ

ハコネシダの新葉
Fig.16 ハコネシダの新葉 (神戸市 2017.5/1)
多少赤味を帯びた淡黄緑色の葉を展開し、黒紫色の中軸とのコントラストが美しい。
関連ページ 関西の花/シダ・ハコネシダ

モトマチハナワラビ
Fig.17 モトマチハナワラビ (兵庫県北播地方 2017.5/6)
北播ではこれまでモトマチハナワラビは見つかっていませんでしたが、古い社寺林内の林床に生育していました。大型のものが20個体ほど生育していましたが、幼個体はなく、前葉体形成に必要な共生菌類は現在は存在していないのかもしれません。
関連ページ 関西の花/シダ・モトマチハナワラビ

オニヒカゲワラビのフィドルヘッド
Fig.18 オニヒカゲワラビのフィドルヘッド (兵庫県北播地方 2017.5/6)
地色は緑色で黒褐色~暗褐色の鱗片がまばらに付いています。
シカの忌避植物ですが、アクやクセのない美味しい山菜として利用できます。
関連ページ 関西の花/シダ・オニヒカゲワラビ

オニヒカゲワラビを利用したパスタ
Fig.19 オニヒカゲワラビを利用したパスタ (兵庫県北播地方 2017.5/6)
調査途中の昼食に携帯コンロでワンポット・パスタの要領で作ったペペロンチーノ。
具材はオニヒカゲワラビ、タラノメ、ブラックオリーブ、アミエビです。

ミヤマベニシダのフィドルヘッド
Fig.20 ミヤマベニシダのフィドルヘッド (兵庫県但馬地方 2017.5/7)
緑色の地色に、茶褐色~濃褐色の鱗片と淡色の毛状鱗片を付けています。
関連ページ 関西の花/シダ・ミヤマベニシダ

タニイヌワラビの新葉
Fig.21 タニイヌワラビの新葉 (兵庫県但馬地方 2017.5/7)
新葉はイヌワラビの仲間のうちでも最も美しいものだと思います。
常緑性のシダですが、昨年の葉は地表に倒伏し、立ち上がり気味に出る新葉が目立ちます。
関連ページ 関西の花/シダ・タニイヌワラビ

残存していたイワヤシダ
Fig.22 残存していたイワヤシダ (兵庫県但馬地方 2017.5/7)
シカの食害が激しく、かつて記録のあった地域で、1枚の葉を持つ小型個体が3個体のみ残っていました。

緑色となったアカハナワラビ
Fig.23 緑色となったアカハナワラビ (兵庫県但馬地方 2017.5/13)
冬期に紅変していたアカハナワラビも、この時期になると緑色に戻ります。
これまで但馬地方での記録は無かったようですが、社寺境内のイロハカエデの樹下に小型の個体が20個体ほど生育していました。
関連ページ 関西の花/シダ・アカハナワラビ

倒木上のスギラン
Fig.24 倒木上のスギラン (兵庫県但馬地方 2017.5/13)
スギランは大木の高い位置に着生しているものですが、近年倒れたと思われる倒木上に残っていました。同じ樹にはミヤマノキシノブも見られました。
雪をかぶっていたためか、下方は弱っているようで黄変していましたが、上部は鮮やかな緑色で、採取してジップロックに入れて適湿を保ち胞子嚢が作られるのを待っています。
胞子嚢ができたら標本にして博物館に収蔵する予定です。現在、胞子嚢が少しずつ作られはじめています。

イヌガンソクのフィドルヘッド
Fig.25 イヌガンソクのフィドルヘッド (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
雪が融けて間もない林道脇の草地からフィドルヘッドを立ち上げていました。
栄養葉のフィドルヘッドで、卵状披針形の淡褐色の鱗片に覆われ、地色は淡緑色。
特徴的な胞子葉は栄養葉よりやや遅れて出てきます。
関連ページ 関西の花/シダ・イヌガンソク

オシダのフィドルヘッド
Fig.26 オシダのフィドルヘッド (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
基部近くは暗褐色、上部は淡褐色の細長い鱗片に密に覆われています。
関連ページ 関西の花/シダ・オシダ

シノブカグマのフィドルヘッド
Fig.27 シノブカグマのフィドルヘッド (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
基部近くは褐色で、上部は黒褐色の鱗片に覆われていて、少し暴れ気味に展開していきます。
関連ページ 関西の花/シダ・シノブカグマ

ヤマドリゼンマイのフィドルヘッド
Fig.28 ヤマドリゼンマイのフィドルヘッド (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
遅くまで雪が残るような場所では、雪解け加減によってシダの展葉の様々な段階が観察できます。
ここではよく管理された植林地の林床で、展葉の段階が観察できました。
ヤマドリゼンマイはゼンマイ属に共通する綿毛に包まれ、鱗片はありません。
綿毛はふつう褐色を帯びています。

新葉を展開するヤマドリゼンマイ
Fig.29 新葉を展開するヤマドリゼンマイ (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
林床の日当たりよい場所では雪解けが早いため、木漏れ日を浴びながら鮮やかな新葉を展開していました。葉柄、葉身ともに立ち上がります。

シラネワラビのフィドルヘッド
Fig.30 シラネワラビのフィドルヘッド (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
栗褐色と淡褐色の鱗片に覆われ、地色は緑色です。
関連ページ 関西の花/シダ・シラネワラビ

新葉を展開するシラネワラビ
Fig.31 新葉を展開するシラネワラビ (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
葉身は鮮やかな緑色で、次第に斜開していきます。

ヤマソテツのフィドルヘッド
Fig.32 ヤマソテツのフィドルヘッド (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
フィドルヘッドには早落性の褐色の短毛がまばらにつき、緑色。
食用になりますが、収穫量は望めないので、まだ利用したことがありません。
関連ページ 関西の花/シダ・ヤマソテツ

新葉を展開するウスゲミヤマシケシダ
Fig.33 新葉を展開するウスゲミヤマシケシダ (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
大型個体ですが展葉はこじんまりとして、可愛らしく、葉身は反り返りながら展開していました。
中軸には細毛が生え、白味を帯びています。。
関連ページ 関西の花/シダ・ウスゲミヤマシケシダ

ギフベニシダの新葉
Fig.34 ギフベニシダの新葉 (兵庫県東播地方 2017.5/26)
草刈りされた溜池土堤の下部でギフベニシダの新葉が展開していました。
ベニシダのように紅色を帯びず、葉身上部がベニシダより長めで、この時期でも区別可能です。
関連ページ 関西の花/シダ・ギフベニシダ

新葉を広げたミヤマクマワラビ
Fig.35 新葉を広げたミヤマクマワラビ (兵庫県北播地方 2017.5/26)
展葉したばかりのミヤマクマワラビは黒い鱗片に覆われた中軸と、羽片の瑞々しい緑色のコントラストが美しい。

新葉を広げたミヤマベニシダ
Fig.36 新葉を広げたミヤマベニシダ (兵庫県北播地方 2017.5/27)
下草の少ない植林地の林床で新葉を展開したミヤマベニシダの集団が目だっていました。
関連ページ 関西の花/シダ・ミヤマベニシダ

新葉を広げたオシダ
Fig.37 新葉を広げたオシダ (兵庫県北播地方 2017.5/27)
夏を過ぎれば暑苦しい印象のオシダも、この時期は非常に美しいものです。
関連ページ 関西の花/シダ・オシダ

群生するツルデンダ
Fig.38 群生するツルデンダ (兵庫県北播地方 2017.5/26)
谷筋を遡行していくと岩壁に夥しい数のツルデンダが群生していました。
冷涼な場所であるためか、まだ新葉を展開していませんでした。
関連ページ 関西の花/シダ・ツルデンダ

コケシノブ
Fig.39 コケシノブ (兵庫県北播地方 2017.5/27)
ツルデンダの群生する岩場の下部ではコケシノブが群生していました。
関連ページ 関西の花/シダ・コケシノブ

ヒメノキシノブ
Fig.40 ヒメノキシノブ (兵庫県北播地方 2017.5/27)
谷筋の大木の樹幹にはヒメノキシノブやオシャグジデンダがあちこちで見られました。
関連ページ 関西の花/シダ・ヒメノキシノブ

ホソバイヌワラビとトガリバイヌワラビの中間的な個体
Fig.41 ホソバイヌワラビとトガリバイヌワラビの中間的な個体 (兵庫県北播地方 2017.5/27)
内陸部の比較的涼しげな場所でよく見られるタイプで、新葉は黄緑色。
トガリバイヌワラビよりも多いという印象があります。
関連ページ 関西の花/シダ・ホソバイヌワラビ

新葉を広げたウスヒメワラビ
Fig.42 新葉を広げたウスヒメワラビ (兵庫県北播地方 2017.5/27)
ウスヒメワラビはシカに真っ先に食害を受けるため、大きな成葉を展開している個体を見かける機会が少なくなっています。ここでは岩場の食害を受けにくい場所で、繊細な新葉を広げていました。
関連ページ 関西の花/シダ・ウスヒメワラビ

新葉を広げたオウレンシダ
Fig.43 新葉を広げたオウレンシダ (京都府丹後地方 2017.6/10)
シカの食害の激しい地域ですが、イワヒメワラビやコバノイシカグマとともに沢筋に生育していました。シカの忌避植物だとは聞いていませんが、シカがあまり好まないものなのかも知れません。
関連ページ 関西の花/シダ・オウレンシダ

category: シダ

cm 0   tb 0   page top

春から初夏の花 2 

5月の連休が終わった次の週でも残雪のため通行不能な林道があって予定を狂わせられましたが、最近になってようやく通行できるようになってきました。それでもまだ林道脇には雪が残っている場所もあり、冬場に大量の積雪があったことを実感します。大雪のため但馬地方の高所ではかなりシカが死んだようで、谷に入るとまだ白骨化していない死骸に出くわしたりします。
今回も前回に引き続いて、春から初夏の花などを掲載していきます。シダとスゲは後日別ページで掲載します。
*画像クリックで、別ウィンドで表示されます。
FC2ブログの仕様が変わったのか、リンク先で大きな画像が表示されなくなってしまいました。
大きな画像(1024×768)を見る時は、リンク先の画像を別のウインドかタブで表示してください。


ネコノメソウ類
Fig.1 渓流畔のネコノメソウ類 (兵庫県北播地方 2017.5/13)
ヒダボタン、キンシベボタンネコノメソウ、ツルネコノメソウが写っています。
ヒダボタンは画像中央下から右に、キンシベボタンネコノメソウは左、ツルネコノメソウは左から中央上に。
関連ページ 関西の花・ヒダボタン
関連ページ 関西の花・キンシベボタンネコノメソウ
関連ページ 関西の花・ツルネコノメソウ

ヒダボタンの花
Fig.2 ヒダボタンの花 (兵庫県北播地方 2017.5/13)
萼裂片は直立し、淡黄色~淡褐色、楕円形、鈍頭。雄蕊は8個で萼裂片とほぼ同長。葯は赤色~褐色。
花柱は2個で萼より短く、飛び出さない。
*この個体の萼裂片の色は、ヒダボタンとアカヒダボタンの中間的なものとのご指摘を受けました。このようなタイプがまとまって生育しているかどうか、今後注意が必要でしょう(2017.6/13追記)。

ツルネコノメソウ
Fig.3 ツルネコノメソウ (兵庫県北播地方 2017.5/13)
タチネコノメソウに少し似ていますが、開花中期頃に基部から走出枝を伸ばすので、区別は容易です。

チシマネコノメソウとツルネコノメソウ
Fig.4 チシマネコノメソウとツルネコノメソウ (兵庫県北播地方 2017.5/13)

チシマネコノメソウの花
Fig.5 チシマネコノメソウの花 (兵庫県北播地方 2017.5/13)
萼裂片は花時に平開し、卵形。雄蕊は8個で、花時に直立し、裂開直前の葯は鮮黄色または汚紅色。花柱は花時に直立し、きわめて短い。
イワネコノメソウにやや似るが、イワネコノメソウの葯はオレンジ色で、苞葉の鋸歯が目立つ。
関連ページ 関西の花・チシマネコノメソウ

ヒロハテンナンショウ
Fig.6 ヒロハテンナンショウ (兵庫県北播地方 2017.5/13)
この付近では比較的多く見かけます。小葉にほとんど柄が無く、花は葉よりも低い位置に着きます。
関連ページ 関西の花・ヒロハテンナンショウ

ジュウニキランソウ その1
Fig.7 ジュウニキランソウ その1 (兵庫県但馬地方 2017.5/13)
キランソウとジュウニヒトエの自然雑種で、両種の特徴が様々に出現する。
画像のものは花の大きさや色、やや白味を帯びた葉など、ジュウニヒトエの形質がやや勝っている。

ジュウニキランソウ その2
Fig.8 ジュウニキランソウ その2 (兵庫県但馬地方 2017.5/13)
こちらは花が小さくキランソウの形質が色濃いが、花数はキランソウよりも多い。

ヒゴスミレ
Fig.9 ヒゴスミレ (兵庫県但馬地方 2017.5/13)
播磨のススキ草原ではヒゴスミレの開花は終わっていましたが、但馬の高原では花盛りでした。
関連ページ 関西の花・ヒゴスミレ

フモトスミレ
Fig.10 フモトスミレ (兵庫県但馬地方 2017.5/21)
但馬の草原ではスミレ類の最盛期を迎えており、斜面は賑やかでした。
関連ページ 関西の花・フモトスミレ

サクラスミレ
Fig.11 サクラスミレ (兵庫県但馬地方 2017.5/21)
スミレの女王とも呼ばれ、スミレ類では最も花が大きく、県内では2ヶ所のススキ草原で見られます。
関連ページ 関西の花・サクラスミレ

野焼き跡で開花したサクラスミレ 
Fig.12 野焼き跡で開花したサクラスミレ (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
サクラスミレは他のスミレ類よりも比較的遅く開花するため、連休の野焼き後のススキ草原で萌芽と同時に開花します。アケボノスミレのような開花の早い種は、野焼きの影響をモロに受けるため、開花が見られません。

ホコバスミレ
Fig.12 ホコバスミレ (兵庫県但馬地方 2017.5/21)
主に高原地帯に生育するスミレの変種で、葉身基部がなで肩になります。
県内の高原草地ではフモトスミレとともに最もふつうに見られる無茎のスミレです。

ホソバキリガミネスミレ
Fig.13 ホソバキリガミネスミレ (兵庫県但馬地方 2017.5/21)
スミレとホソバシロスミレの自然雑種ですが、ここでは片親はホコバスミレになります。

コマガタケスミレ?
Fig.14 コマガタケスミレ? (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
コマガタケスミレはスミレとフモトスミレの自然雑種ですが、花の様子はコマガタケスミレの特徴が出ていますが、葉の大きさが大きく、周辺には開花中のサクラスミレもあることから、サクラスミレの血が入っているかもしれません。

ニホンカイタチツボスミレ(仮称)
Fig.15 ニホンカイ タチツボスミレ (仮称) (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
野焼き区域で残雪のため焼けなかった細流脇で群生していました。
低木が被る周辺にはサンカヨウの若い個体が点在していました。
*葉が小さかったためニホンカイタチツボスミレと単純に判断しましたが、これは誤認で、葉が巻き、葉脈が明瞭なためタチツボスミレに変更しました(2017.6/13追記)。

ヒメヒゴタイの初期の葉
Fig.16 ヒメヒゴタイの初期の葉 (兵庫県但馬地方 2017.5/21)
今回は草原性植物の稀少種の個体数調査で訪れました。
対象種はヒメヒゴタイ、ホソバノヤマハハコ、キセワタでしたが、ヒメヒゴタイはわずか10個体、ホソバノヤマハハコは見つからず、キセワタは40個体程確認できました。
ヒメヒゴタイは2年草であるため、野焼き対象区域では見られず、草刈りされる場所に生育しています。

キセワタの初期の葉
Fig.17 キセワタの初期の葉 (兵庫県但馬地方 2017.5/21)
同属でよく見かけるメハジキの当年株の葉とよく似ています。
関連ページ 関西の花・キセワタ

ミヤコアザミの若い個体の根生葉
Fig.18 ミヤコアザミの若い個体の根生葉 (兵庫県但馬地方 2017.5/21)
ミヤコアザミも遷移などの影響で減少しつつある草原性草本です。
以前観察していた場所では、今は全く見られなくなってしまいました。

ホクチアザミの新葉
Fig.19 ホクチアザミの新葉 (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
野焼き後の草原から新葉を出していました。
個体数は多く、あちこちで見られますが、秋の開花個体数はそれほど多くありません。
関連ページ 関西の花・ホクチアザミ

クシバタンポポ
Fig.20 クシバタンポポ (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
但馬地方では瀬戸内側と違ってヤマザトタンポポとクシバタンポポが多く見られます。
ここではクシバタンポポが多く見られました。

クシバタンポポの総苞
Fig.21 クシバタンポポの総苞 (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
総苞外片は総苞の約1/2長で幅広く、中央部が盛り上がり、先端はこぶ状となります。

イタヤハマキチョッキリ
Fig.22 イタヤハマキチョッキリ (兵庫県但馬地方 2017.5/21)
この時期から甲虫類の活動が活発になり、フィールドでよく見かけるようになります。
登山道脇の軸を切られて萎れたウリハダカエデに美しいイタヤハマキチョッキリが見られました。

ベニカミキリ
Fig.23 ベニカミキリ (兵庫県但馬地方 2017.5/21)
竹林周辺で飛翔しているのをよく見かけますが、ここでは灯火に飛来していました。

オオイワカガミ
Fig.24 オオイワカガミ (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
移動中の林道脇の林床ではオオイワカガミが点在し、新鮮な花を沢山つけていました。
六甲山系で見られるものよりも、かなり大きな葉を持っています。
関連ページ 関西の花・オオイワカガミ

タムシバ
Fig.25 タムシバ (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
遅くまで雪の残っていた場所では、まだタムシバが開花中でした。

オオタチツボスミレ
Fig.26 オオタチツボスミレ (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
温帯林の明るい林床では、オオタチツボスミレの群落が満開の場所もありました。
関連ページ 関西の花・オオタチツボスミレ

モミジガサとニリンソウ 
Fig.27 モミジガサとニリンソウ (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
例年ではこの時期のこの場所ではイチリンソウとラショウモンカズラが開花しているのですが、今年はニリンソウがまだ満開でした。
関連ページ 関西の花・モミジガサ
関連ページ 関西の花・ニリンソウ

ルイヨウボタン
Fig.28 ルイヨウボタン (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
ルイヨウボタンの花茎を上げていないものはあちこちで見かけますが、開花個体は少ないものです。
開花個体が見つかっても、今度はちょっとした風にも揺れて、なかなかよい画像が撮れなかったりします。

オククルマムグラ
Fig.29 オククルマムグラ (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
この地域ではどこにいってもふつうに見られる草本です。

マルバネコノメソウ
Fig.30 マルバネコノメソウ (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
遅くまで雪の残っていた谷筋ではマルバネコノメソウが開花していました。
関連ページ 関西の花・マルバネコノメソウ

マルバネコノメソウの花
Fig.30 マルバネコノメソウの花 (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
萼裂片は平開し、雄蕊は斜上し萼裂片より短く、葯は濃黄色。花柱はごく短い。

ウスバサイシン
Fig.31 ウスバサイシン (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
林縁部に点在しており、大型の個体は基部に沢山の花をつけていました。

ユキザサ
Fig.32 ユキザサ (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
ユキザサも林縁部で開花し始めていました。
ルイスクビナガハムシとの出会いを期待しましたが、願いは叶いませんでした。
関連ページ 関西の花・ユキザサ

レンゲツツジ
Fig.33 レンゲツツジ (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
スキー場に出ると刈り込まれて背丈の低いレンゲツツジが開花していました。

サルマメ雄株
Fig.34 サルマメ雄株 (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
スキー場で古い土壌が残る場所ではサルマメが残存しています。
サルマメは雌雄異株で、これは5本の雄蕊を持った雄花をつける雄株です。

サルマメ雌株
Fig.35 サルマメ雌株 (兵庫県但馬地方 2017.5/22)
こちらは雌花をつける雌株で、雌花は球状の子房と3岐する花柱を持っています。

タツナミソウ
Fig.36 タツナミソウ (兵庫県加西市 2017.5/26)
北播地方に向かう途中立ち寄った溜池の土堤では、タツナミソウが多数開花していました。
この日は低山の山麓でオカタツナミソウも開花していました。
関連ページ 関西の花・タツナミソウ

サイハイラン
Fig.37 サイハイラン (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
毎年開花が見られる場所で、今年も多数の個体が開花していました。
関連ページ 関西の花・サイハイラン

サイハイランの花
Fig.38 サイハイランの花 (兵庫県播磨地方 2017.5/26)

ミヤマヨメナ
Fig.39 ミヤマヨメナ (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
林床に群生しているミヤマヨメナが丁度満開でした。

ジャケツイバラ
Fig.40 ジャケツイバラ (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
途上の道路脇ではあちこちでジャケツイバラが開花しています。
藪につかまったら大変な目に遭いますが、遠目で見るには綺麗なものです。

クリンソウ
Fig.41 クリンソウ (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
シカの忌避植物であるためか、山間の少し開けたような谷間ではこのような光景をよく見かけます。
ここでは紅色~白色の様々な段階の花が咲いていました。
関連ページ 湿生植物・クリンソウ

ホソバテンナンショウ
Fig.42 ホソバテンナンショウ (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
ホソバテンナンショウは標高1000m程度の山域でよく見かけます。
兵庫県では六甲山地と但馬~北播の山地で生育しています。
関連ページ 関西の花・ホソバテンナンショウ

ギンリョウソウ
Fig.43 ギンリョウソウ (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
シカの食害によりほとんど下草のない林床で、ギンリョウソウがポツポツと顔を出していました。
ユウレイタケやスイショウランという呼称もあり、ふるくから親しまれていたことが解ります。

ギンリョウソウの花
Fig.44 ギンリョウソウの花 (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
青味を帯びた柱頭は粘性があります。他の花にはハネカクシの仲間が訪花していました。

ツクバネソウ
Fig.45 ツクバネソウ (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
沢沿いのやや湿った林床で、林縁の方向に向かって精一杯花と葉を広げていました。

イワネコノメソウ
Fig.46 イワネコノメソウ (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
沢沿いに果実期に入ったイワネコノメソウが群生していました。
チシマネコノメソウに似ていますが、苞葉の鋸歯が目立ちます。

果実期のコガネネコノメソウ 
Fig.47 果実期のコガネネコノメソウ (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
2個の心皮はほぼ同形。

コケイラン
Fig.48 コケイラン (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
社寺林の林床にコケイランとエビネが点在していました。
今回はまとまりのよかったコケイランのほうを掲載しました。
関連ページ 関西の花・コケイラン

コケイランの花
Fig.49 コケイランの花 (兵庫県播磨地方 2017.5/26)

クルマムグラ
Fig.50 クルマムグラ (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
兵庫県では前掲のオククルマムグラよりも見かける機会の少ない草本です。
オククルマムグラには茎に小さな刺がありますが、クルマムグラは平滑です。

ゴマキの花に集まるハナカミキリ類
Fig.51 ゴマキの花に集まるハナカミキリ類 (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
ゴマキはシカが匂いを嫌うのか忌避植物となっていて、低木が沢山残っています。
ちょうど開花全盛で、ハナカミキリの仲間が訪花していました。
画像中にはセスジヒメハナカミキリとフタオビヒメハナカミキリが見られます。

キクビアオハムシ
Fig.52 キクビアオハムシ (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
沢沿いのオオバアサガラの葉上に多数のキクビアオハムシ見られました。
キクビアオハムシはオオバアサガラを食す集団とサルナシを食草とする集団があるとのことです。

アオウスチャコガネ
Fig.53 アオウスチャコガネ (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
この時期によく見かける小さな甲虫で、体色は茶褐色から黒藍色まで変異幅が広い。

ニジゴミムシダマシ
Fig.54 ニジゴミムシダマシ (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
木製ベンチの基礎コンクリートの上を歩いていたものです。
木製ベンチにはキノコの発生が見られないので、たまたま飛んできたものかもしれません。

アカハネムシの仲間
Fig.55 アカハネムシの仲間 (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
開けた河原で休憩していたところ、この虫が飛んできて枯れ枝に止まりました。
アカハネムシの仲間は区別が難しいのですが、おそらくヒメアカハネムシではないかと思います。

ゴホンダイコクコガネ
Fig.56 ゴホンダイコクコガネ (兵庫県播磨地方 2017.5/26)
河原でスゲ類の観察をしていたところ、近くのシカの糞が動いたので、小枝で周囲を掻き分けてみるとゴホンダイコクコガネがいました。
シカの増加により増えているようで、もう少しサイズが大きければ人気が出たことでしょう。

category: 春植物

cm 0   tb 0   page top

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。